知らない人のね、その墓の前に畑はあったというがね。そして、もういつも朝からお茶も持って、昼めしも持ってもう畑仕事をしに行っていたって。行ったらもう自分は食べないうちに、その墓の庭で、日陰だったんでしょうね、その墓の庭は。墓の庭で昼めしは食べたりしていたので、「家を借りましょうね。」と言って、お茶も差し上げて、昼めしもおそなえしてから、また自分はそのあとに食べていたわけよ。そうこうしているうちに、自分の法事がきたというがね、何年忌なのかそれはわからんが。法事がきたので、「いつのいく日に、ご恩をかえしたいので、かならず私のあとをついて来なさいよ。」と後生の人が言った。すると、そこの家では、法事なので、御馳走などもたくさん準備して、おそなえしてあったが、家のものには、その人が見えなかったわけよ。その人は仏だんに座っているんだが姿は見えず。そして、たしかに後生の人は飯は食べないさあね。もうおいしいものから食べているわけよ。「お前の好きなものから食べろ。」と言われたので、おいしいものから食べると、重箱の中身がへっていったわけよ、そなえてある重箱は。生きている人が食べているわけだから。そうすると、重箱の中身がへっているので、「トートーメーは、昔からトートーメーは供え物は食べないというのに、今日の重箱がへっているわけは、お前が入れ違えたのか、それともお前が食べたのか。」と言って、そこの家族のものたちは、大げんかになった。そのトートーメーは、法事の祖先は、「これではいかん。こいつらは罰をあたえなければならない。」と言って、後生の人が後生に帰ってしまうと、その人はすっかり姿が見えてしまってね、すっかり。そうすると、「お前は、どこから入ってきて、人の御馳走を、そなえてある御馳走を食っているのか。」と言うと、「実はこうこういう次第で、それで私は御馳走を食べた。あなたがたは、後生の人が『けんかするから、こいつらはしまいには、こうしてくれる。命をとってやる』と怒って言って帰りましたよ。あなたがたは法事をやりなおさなければ。」と言うと、「お前が言うことに合点できるか。」と言っていたそうだがね、そこの家族の者たちはやはり若死にしたそうだね。それで、「御馳走がへってもけんかはするな。文句は言うな。お供えする間は、静かしなさいよ。」と言って、「御馳走をそなえるばあいは、なんの節日であっても大声はだすなよ。」と、これは教えられたわけ。
| レコード番号 | 47O375540 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C223 |
| 決定題名 | 枯骨報恩(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | ウスコーが通らない理由 |
| 話者名 | 比嘉光 |
| 話者名かな | ひがみつ |
| 生年月日 | 19161201 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県美里村 |
| 記録日 | 19760226 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 恩納村T16A33 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 民俗 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 恩納村の民話・昔話編』P41 |
| キーワード | 墓の庭,法事,御馳走,後生の人,重箱の中身がへっている,トートーメーは供え物は食べない |
| 梗概(こうがい) | 知らない人のね、その墓の前に畑はあったというがね。そして、もういつも朝からお茶も持って、昼めしも持ってもう畑仕事をしに行っていたって。行ったらもう自分は食べないうちに、その墓の庭で、日陰だったんでしょうね、その墓の庭は。墓の庭で昼めしは食べたりしていたので、「家を借りましょうね。」と言って、お茶も差し上げて、昼めしもおそなえしてから、また自分はそのあとに食べていたわけよ。そうこうしているうちに、自分の法事がきたというがね、何年忌なのかそれはわからんが。法事がきたので、「いつのいく日に、ご恩をかえしたいので、かならず私のあとをついて来なさいよ。」と後生の人が言った。すると、そこの家では、法事なので、御馳走などもたくさん準備して、おそなえしてあったが、家のものには、その人が見えなかったわけよ。その人は仏だんに座っているんだが姿は見えず。そして、たしかに後生の人は飯は食べないさあね。もうおいしいものから食べているわけよ。「お前の好きなものから食べろ。」と言われたので、おいしいものから食べると、重箱の中身がへっていったわけよ、そなえてある重箱は。生きている人が食べているわけだから。そうすると、重箱の中身がへっているので、「トートーメーは、昔からトートーメーは供え物は食べないというのに、今日の重箱がへっているわけは、お前が入れ違えたのか、それともお前が食べたのか。」と言って、そこの家族のものたちは、大げんかになった。そのトートーメーは、法事の祖先は、「これではいかん。こいつらは罰をあたえなければならない。」と言って、後生の人が後生に帰ってしまうと、その人はすっかり姿が見えてしまってね、すっかり。そうすると、「お前は、どこから入ってきて、人の御馳走を、そなえてある御馳走を食っているのか。」と言うと、「実はこうこういう次第で、それで私は御馳走を食べた。あなたがたは、後生の人が『けんかするから、こいつらはしまいには、こうしてくれる。命をとってやる』と怒って言って帰りましたよ。あなたがたは法事をやりなおさなければ。」と言うと、「お前が言うことに合点できるか。」と言っていたそうだがね、そこの家族の者たちはやはり若死にしたそうだね。それで、「御馳走がへってもけんかはするな。文句は言うな。お供えする間は、静かしなさいよ。」と言って、「御馳走をそなえるばあいは、なんの節日であっても大声はだすなよ。」と、これは教えられたわけ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:50 |
| 物語の時間数 | 2:50 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |