天人女房(シマグチ)

概要

天からね、女が降りていらっしゃって、泉で水浴びしていたそうだよ。すると女が着物を脱いで置いてあったら、ある男が、それを、持って行ったので、女はその男のあとを追いかけて行ったそうだ。男の家まで。やがて、この男の家で、二人は夫婦となって、子どもも二、三人産んだんだね。子どもも三人だったか四人だったか、産まれてその子らも成長したんだ。そしてここの家の屋敷にはとっても大きな木があったそうだが、子どもたちはそこでよく遊んだそうだ。ところで夫は、この女が持っていた着物とかいろんなものを
、倉庫に隠してあったが、子どもたちはそれを捜して母親に教えたんだね。すると、この天から降りて来た人は、子どもも産まれているのだが、倉庫から見つけた着物を着て屋敷の大きな木に登って天に上がっていらっしゃったという話を聞いたんだがね。この話は、いくらでもいろいろとあるが、もう忘れてしまったよ。本当に、この沖縄の王様という者は、この人たちの子孫なんだ。天女との間に生まれた子どもは成人すると、沖縄、いや奥間に、国頭村の奥間に住みなさってね、そうしてそこへ行って、農業をしていたが、他に
もあそこから来た人たち、村人たちのよその田は、水が干上がるのに、この人の田は、いつでも水が満ちあふれていた。村人は、「こいつをここにおいておくと、自分たちの村は大変なことになる。」と言って、そうして殺してしまわないといけないと話しているのを、ある人が、教えたので、その村から逃げたんだよ。どこかに逃げて来たらしいが、そのころ、首里の城内では沖縄の王を決めようと臣下が集まって話しあっていたが、容易に決められずにいた。この人が、海に魚を釣りに行くときは、こうだったってよ。この人は釣針は先も曲げないで、集まっている他の人たちはまじめなので、釣針を曲げて魚を取ったけれど、この人は釣針の先は曲げないで、行ったそうだよ。それでもたくさん釣れたそうだ。また、この人には、供の者か誰かがいたようだが、その者が、「物を与えて下さる人こそ、我が王様。」と、首里城のあれだけの家来の前で叫んだので王に決まった。それで、この人を海に連れて行ったから、あれだったって。この人は、「あそこから、また私を殺しに来た。」と思って、逃げたのだが、そこは海だけども、干瀬になってね、後にはつかまえられて、この人から沖縄の王が始まったという話は聞いているよ。

再生時間:3:34

民話詳細DATA

レコード番号 47O375423
CD番号 47O37C218
決定題名 天人女房(シマグチ)
話者がつけた題名 天人女房
話者名 久田友助
話者名かな くだゆうすけ
生年月日 18980220
性別
出身地 沖縄県恩納村塩屋
記録日 19760224
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 恩納村T14A03
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情 子供の頃、おじいさん達が集まって話をしている側で聞いた。
文字化資料 『恩納村の民話 昔話編』P58
キーワード 天,女,水浴び,夫婦,天に上がった,国頭村の奥間
梗概(こうがい) 天からね、女が降りていらっしゃって、泉で水浴びしていたそうだよ。すると女が着物を脱いで置いてあったら、ある男が、それを、持って行ったので、女はその男のあとを追いかけて行ったそうだ。男の家まで。やがて、この男の家で、二人は夫婦となって、子どもも二、三人産んだんだね。子どもも三人だったか四人だったか、産まれてその子らも成長したんだ。そしてここの家の屋敷にはとっても大きな木があったそうだが、子どもたちはそこでよく遊んだそうだ。ところで夫は、この女が持っていた着物とかいろんなものを 、倉庫に隠してあったが、子どもたちはそれを捜して母親に教えたんだね。すると、この天から降りて来た人は、子どもも産まれているのだが、倉庫から見つけた着物を着て屋敷の大きな木に登って天に上がっていらっしゃったという話を聞いたんだがね。この話は、いくらでもいろいろとあるが、もう忘れてしまったよ。本当に、この沖縄の王様という者は、この人たちの子孫なんだ。天女との間に生まれた子どもは成人すると、沖縄、いや奥間に、国頭村の奥間に住みなさってね、そうしてそこへ行って、農業をしていたが、他に もあそこから来た人たち、村人たちのよその田は、水が干上がるのに、この人の田は、いつでも水が満ちあふれていた。村人は、「こいつをここにおいておくと、自分たちの村は大変なことになる。」と言って、そうして殺してしまわないといけないと話しているのを、ある人が、教えたので、その村から逃げたんだよ。どこかに逃げて来たらしいが、そのころ、首里の城内では沖縄の王を決めようと臣下が集まって話しあっていたが、容易に決められずにいた。この人が、海に魚を釣りに行くときは、こうだったってよ。この人は釣針は先も曲げないで、集まっている他の人たちはまじめなので、釣針を曲げて魚を取ったけれど、この人は釣針の先は曲げないで、行ったそうだよ。それでもたくさん釣れたそうだ。また、この人には、供の者か誰かがいたようだが、その者が、「物を与えて下さる人こそ、我が王様。」と、首里城のあれだけの家来の前で叫んだので王に決まった。それで、この人を海に連れて行ったから、あれだったって。この人は、「あそこから、また私を殺しに来た。」と思って、逃げたのだが、そこは海だけども、干瀬になってね、後にはつかまえられて、この人から沖縄の王が始まったという話は聞いているよ。
全体の記録時間数 3:34
物語の時間数 3:34
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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