薩摩軍はね、那覇港までは来ていたのだが攻め寄せられなかったよ。ほら、頑丈者がいらっしゃるから。それで、そうしているうちに向こうが計略をもってね、この京阿波根の使用人を手なづけてよ。京阿波根親方の髭を剃る時によ、この人の体は喉だけが肉でできていたんで、髭を剃る使用人が喉を押し切って殺してしまってね、この人を。それで、この人が死んでから三日たっていたらしいが、薩摩軍は、京阿波根は殺したから、死んだのでだいじょうぶだからと攻め入ろうとしたんだよ。すると、「あっ、こいつらは。」といってね。今度は、沖縄側はまた、京阿波根親方は、ほら喉だけが肉で、全身は鉄だというからね、親方の死体を持ってきて薩摩軍に向けたら、喉から蛆が、蛆虫が落ちたんだってよ。そしたら、今度は、薩摩軍は上陸できなくてね。京阿波根親方が座っていて、はちゃ米をめし上がっていると思ったからね。はちゃ米というのは、米を膨ましたのがあるでしょう、米を膨らましたお菓子が。喉から蛆虫が落ちるのを見て、はちゃ米を召し上がっていると思ったわけだ、はちゃ米をね。それで、また逃げていったという話だよ。京阿波根親方の話は。この人は喉だけが肉だってよ。この話では、薩摩軍はまた、逃げていったわけだ。攻め寄せきれなかったって。生きて千人、死んでからも千人やっつけたというわけだ。
『恩納村の民話・伝説編』P115
| レコード番号 | 47O375332 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C215 |
| 決定題名 | 京阿波根親方と薩摩軍(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | チョーハグン親方の話 |
| 話者名 | 宜志富紹長 |
| 話者名かな | ぎしとみしょうちょう |
| 生年月日 | 18961208 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県恩納村安富祖 |
| 記録日 | 19760225 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 恩納村T11B16 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 主にお年寄りや父から聞いた。 |
| 文字化資料 | 『恩納村の民話 伝説編』P115 |
| キーワード | 薩摩軍,那覇港,京阿波根親方,髭,喉だけが肉,全身は鉄,親方の死体,喉から蛆,はちゃ米を,生きて千人、死んでからも千人 |
| 梗概(こうがい) | 薩摩軍はね、那覇港までは来ていたのだが攻め寄せられなかったよ。ほら、頑丈者がいらっしゃるから。それで、そうしているうちに向こうが計略をもってね、この京阿波根の使用人を手なづけてよ。京阿波根親方の髭を剃る時によ、この人の体は喉だけが肉でできていたんで、髭を剃る使用人が喉を押し切って殺してしまってね、この人を。それで、この人が死んでから三日たっていたらしいが、薩摩軍は、京阿波根は殺したから、死んだのでだいじょうぶだからと攻め入ろうとしたんだよ。すると、「あっ、こいつらは。」といってね。今度は、沖縄側はまた、京阿波根親方は、ほら喉だけが肉で、全身は鉄だというからね、親方の死体を持ってきて薩摩軍に向けたら、喉から蛆が、蛆虫が落ちたんだってよ。そしたら、今度は、薩摩軍は上陸できなくてね。京阿波根親方が座っていて、はちゃ米をめし上がっていると思ったからね。はちゃ米というのは、米を膨ましたのがあるでしょう、米を膨らましたお菓子が。喉から蛆虫が落ちるのを見て、はちゃ米を召し上がっていると思ったわけだ、はちゃ米をね。それで、また逃げていったという話だよ。京阿波根親方の話は。この人は喉だけが肉だってよ。この話では、薩摩軍はまた、逃げていったわけだ。攻め寄せきれなかったって。生きて千人、死んでからも千人やっつけたというわけだ。 『恩納村の民話・伝説編』P115 |
| 全体の記録時間数 | 1:51 |
| 物語の時間数 | 1:51 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |