名護親方は、具志頭親方と一緒に沖縄からの留学生として、唐の国へ行かれたそうだ。ある日のこと、名護親方たちが、学校へ行こうとすると道のそばで火をおこして、茶を沸かしたり煙草を吸ったりしている乞食がいたそうだ。それをみた具志頭親方や他の仲間たちは「汚ない乞食だ。」と言って、そのまます通りして、学校へ行ってしまったんだって。ところが名護親方は、この道のそばで茶を飲んだり煙草を吸ったりする乞食の所へ行き、「煙草に火を付けさせてください。」と言って、火をもらい休んだそうだ。すると、具志頭親方や仲間たちが、「この名護は人でなしだ。あんなきたない乞食の所に煙草を付けに行くなんて。」と馬鹿にしたんだね。でも名護親方の目にはこの人は乞食には見えなかったんだね。本当はこの乞食は聖人であったんだから。そして、その乞食の所から煙草を吸って出てきたんだね。すると具志頭親方が、「おい名護よ、お前はあんな汚ならしい乞食の所へも行くのか。」と叱ったら、「ほほう、あなた方には、あの人は物乞いに見えたんですか。私には物乞いには見えませんでしだよ。私は、ほら、こんな物をもらってきましたよ。」と言って、字の書かれたものを見せたんだって、これが乞食でない証拠だっだんだね。この書き付けは名護の宝字といって、近ごろまで、名護殿内(どぅんち)にあったそうですよ。この書き付けは雨降りの時、軒下に下げても水を弾(はじ)いてぬれなかったと年寄たちが話していたよ。
| レコード番号 | 47O375328 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C215 |
| 決定題名 | 具志頭親方と名護親方(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 具志頭親方と名護親方 |
| 話者名 | 宜志富紹長 |
| 話者名かな | ぎしとみしょうちょう |
| 生年月日 | 18961208 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県恩納村安富祖 |
| 記録日 | 19760225 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 恩納村T11B12 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 主にお年寄りや父から聞いた。 |
| 文字化資料 | 『恩納村の民話 伝説編』P140 |
| キーワード | 名護親方,具志頭親方,沖縄からの留学生,唐の国,乞食,火をもらい休んだ,名護の宝字 |
| 梗概(こうがい) | 名護親方は、具志頭親方と一緒に沖縄からの留学生として、唐の国へ行かれたそうだ。ある日のこと、名護親方たちが、学校へ行こうとすると道のそばで火をおこして、茶を沸かしたり煙草を吸ったりしている乞食がいたそうだ。それをみた具志頭親方や他の仲間たちは「汚ない乞食だ。」と言って、そのまます通りして、学校へ行ってしまったんだって。ところが名護親方は、この道のそばで茶を飲んだり煙草を吸ったりする乞食の所へ行き、「煙草に火を付けさせてください。」と言って、火をもらい休んだそうだ。すると、具志頭親方や仲間たちが、「この名護は人でなしだ。あんなきたない乞食の所に煙草を付けに行くなんて。」と馬鹿にしたんだね。でも名護親方の目にはこの人は乞食には見えなかったんだね。本当はこの乞食は聖人であったんだから。そして、その乞食の所から煙草を吸って出てきたんだね。すると具志頭親方が、「おい名護よ、お前はあんな汚ならしい乞食の所へも行くのか。」と叱ったら、「ほほう、あなた方には、あの人は物乞いに見えたんですか。私には物乞いには見えませんでしだよ。私は、ほら、こんな物をもらってきましたよ。」と言って、字の書かれたものを見せたんだって、これが乞食でない証拠だっだんだね。この書き付けは名護の宝字といって、近ごろまで、名護殿内(どぅんち)にあったそうですよ。この書き付けは雨降りの時、軒下に下げても水を弾(はじ)いてぬれなかったと年寄たちが話していたよ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:11 |
| 物語の時間数 | 2:11 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |