この中城若松(なかぐしくわかまち)は大変きれいな人であったそうだ。そして十七、八になった時に首里のお城に勤めに行かれたそうだ。そして 中城から首里に行く時のことなんだ。首里にもやし売りの女がいてね、もやしを売って商いをする女がいて、この若松に恋をしてしまって、若松が買い物をする時には、金は取るが、また同じように持たしたそうだ。いつも持たすものだから不思議に思ったわけだ。女は恋をしているので、若松の妻になりたくて、買い物をすると金を受け取ってから野菜とかを持たせて帰したりしたそうだ。最後には、恋をしても妻にしてくれなかったのでこの女は恋こがれて死んでしまったそうだ。死んで墓に葬られたんだ。そうしてこの若松が、又首里城にお勤めに行かれる時に、美しい女になって化けて出てきたそうだ。そうしたら、ある夜、若松が暗くなってから家へ帰ろうとしていると道にまよい、物も見えないので、「二十日夜の暗さは物もみえません どうか御情に一晩の宿をかして下さい。」と頼むと、この女が若松をだまして自分の家へ連れて行っているわけだ。この女が自分の墓につれて行ってしまったそうだ。そうして泊めて、物も見えないのであかりをつけて寝かしたそうだ。そこは墓だから暗かったそうだ。そして、若松が寝ようとすると、女は「起きなさい。」と言って、若松に寄りかかろうとするが若松は絶対に女の言うことを聞かなかったそうだ。さわらなかったそうだ。そしたら、若松が家を出て行く時になって、女はこう言ったそうだ。「男に生まれて恋を知らぬ者は、立派な杯に底のないようなものだ。」又、若松は、「女に生まれて義理を知らない者は これぞ世の中の地獄だ。」と言いあって、二人は少しもさわることなく、若松がふれてもくれないから、女は首里までずっと追いかけて、追いつづけ、とうとう蛇になって若松を追いつづけたんだ。そして首里に来た時に、若松は寺に逃げ込んで、寺には鐘があるでしょう。それで身をかくして、その中に入ってかくれて、坊主が呪文をとなえて、その女を帰したそうだ。それで坊主は妻をもたないということなんだ。この坊主は妻がいなかったそうだ。
『恩納村の民話・伝説編』P160
| レコード番号 | 47O375088 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C204 |
| 決定題名 | 中城若松(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 中城若松 |
| 話者名 | 宜志富カメ |
| 話者名かな | ぎしとみかめ |
| 生年月日 | 18991030 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県恩納村安富祖 |
| 記録日 | 19760226 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 恩納村T03B09 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 子守りをしながら那覇からやってきたお婆さんからよく昔話を聞いた。 |
| 文字化資料 | 『恩納村の民話 伝説編』P160 |
| キーワード | 中城若松,大変きれいな人,首里のお城に勤め,もやし売りの女,若松の妻になりたい,女は恋こがれて死んだ,美女に化けた,男に生まれて恋を知らぬ者は立派な杯に底のないようなものだ,女に生まれて義理を知らない者はこれぞ世の中の地獄だ,蛇,寺に逃げ込んだ,鐘に身を隠した,坊主が呪文, |
| 梗概(こうがい) | この中城若松(なかぐしくわかまち)は大変きれいな人であったそうだ。そして十七、八になった時に首里のお城に勤めに行かれたそうだ。そして 中城から首里に行く時のことなんだ。首里にもやし売りの女がいてね、もやしを売って商いをする女がいて、この若松に恋をしてしまって、若松が買い物をする時には、金は取るが、また同じように持たしたそうだ。いつも持たすものだから不思議に思ったわけだ。女は恋をしているので、若松の妻になりたくて、買い物をすると金を受け取ってから野菜とかを持たせて帰したりしたそうだ。最後には、恋をしても妻にしてくれなかったのでこの女は恋こがれて死んでしまったそうだ。死んで墓に葬られたんだ。そうしてこの若松が、又首里城にお勤めに行かれる時に、美しい女になって化けて出てきたそうだ。そうしたら、ある夜、若松が暗くなってから家へ帰ろうとしていると道にまよい、物も見えないので、「二十日夜の暗さは物もみえません どうか御情に一晩の宿をかして下さい。」と頼むと、この女が若松をだまして自分の家へ連れて行っているわけだ。この女が自分の墓につれて行ってしまったそうだ。そうして泊めて、物も見えないのであかりをつけて寝かしたそうだ。そこは墓だから暗かったそうだ。そして、若松が寝ようとすると、女は「起きなさい。」と言って、若松に寄りかかろうとするが若松は絶対に女の言うことを聞かなかったそうだ。さわらなかったそうだ。そしたら、若松が家を出て行く時になって、女はこう言ったそうだ。「男に生まれて恋を知らぬ者は、立派な杯に底のないようなものだ。」又、若松は、「女に生まれて義理を知らない者は これぞ世の中の地獄だ。」と言いあって、二人は少しもさわることなく、若松がふれてもくれないから、女は首里までずっと追いかけて、追いつづけ、とうとう蛇になって若松を追いつづけたんだ。そして首里に来た時に、若松は寺に逃げ込んで、寺には鐘があるでしょう。それで身をかくして、その中に入ってかくれて、坊主が呪文をとなえて、その女を帰したそうだ。それで坊主は妻をもたないということなんだ。この坊主は妻がいなかったそうだ。 『恩納村の民話・伝説編』P160 |
| 全体の記録時間数 | 3:38 |
| 物語の時間数 | 3:38 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |