昔、兄弟が二人あって、長男はとても金持ちで、次男は子だくさんだけど貧乏だった。弟の家では、正月の元日になってもご馳走も作れず、何かないかと心配して、物を探しに山奥に入った。するとそこで草を刈っている爺さんがいて、「あんたはどこへ行くのか」と聞くので、「明日は元日だというのに子ども達に食べさせる物もなく、何かないかとあちこち探し回っている」と答えた。爺さんは「それでは待っていなさい。自分が教えるから」という。「はい」といって待っていると爺さんは臼を持って来て、「これを持って帰りなさい。米を出せというと米が、また肉を出せというと肉が出る。何でも望みどおりの物が出るからやってみなさい」という。弟は礼をいってその臼を担いで帰る。家に着くと早速、むしろを敷き、「米を出せ」という。すると白い米がどんどん出てきた。その米でご飯を炊き、今度は「肉を出せ」といって肉を出してそれでご馳走を作った。次に家を出せ、金を出せと、次々いろいろの物を出して、しまいに大金持ちになった。弟は、これはありがたいことだと、みんなを集めて、兄さんも呼んで、一緒に天神様にお供えした。兄はやって来てその様子を見ていたが、その不思議な臼を盗もうと考える。ある日、臼を盗んでくり舟に載せ、沖に出る。そして「塩を出せ」というと、塩がどんどんどんどん出てきた。止め方を知らない。そのうち塩は舟からあふれ、とうとう舟も人間も臼も全部海の中に沈んでしまった。臼は海の底でもどんどん回り続けたため、それで海の水は塩辛いそうだよ。
| レコード番号 | 47O235378 |
|---|---|
| CD番号 | 47O23C285 |
| 決定題名 | 塩吹臼(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 波平カニメガ |
| 話者名かな | なみひらかにめが |
| 生年月日 | 19051112 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 伊良部村佐和田 |
| 記録日 | 19760725 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 伊良部T39A06 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 雑誌で読んだ。 |
| 文字化資料 | いらぶの民話P122 |
| キーワード | 兄弟が二人,長男は,金持ち,次男は子だくさんの貧乏,元日,山奥,爺さん,臼,望みどおりの物が出る,天神様にお供え,くり舟,塩 |
| 梗概(こうがい) | 昔、兄弟が二人あって、長男はとても金持ちで、次男は子だくさんだけど貧乏だった。弟の家では、正月の元日になってもご馳走も作れず、何かないかと心配して、物を探しに山奥に入った。するとそこで草を刈っている爺さんがいて、「あんたはどこへ行くのか」と聞くので、「明日は元日だというのに子ども達に食べさせる物もなく、何かないかとあちこち探し回っている」と答えた。爺さんは「それでは待っていなさい。自分が教えるから」という。「はい」といって待っていると爺さんは臼を持って来て、「これを持って帰りなさい。米を出せというと米が、また肉を出せというと肉が出る。何でも望みどおりの物が出るからやってみなさい」という。弟は礼をいってその臼を担いで帰る。家に着くと早速、むしろを敷き、「米を出せ」という。すると白い米がどんどん出てきた。その米でご飯を炊き、今度は「肉を出せ」といって肉を出してそれでご馳走を作った。次に家を出せ、金を出せと、次々いろいろの物を出して、しまいに大金持ちになった。弟は、これはありがたいことだと、みんなを集めて、兄さんも呼んで、一緒に天神様にお供えした。兄はやって来てその様子を見ていたが、その不思議な臼を盗もうと考える。ある日、臼を盗んでくり舟に載せ、沖に出る。そして「塩を出せ」というと、塩がどんどんどんどん出てきた。止め方を知らない。そのうち塩は舟からあふれ、とうとう舟も人間も臼も全部海の中に沈んでしまった。臼は海の底でもどんどん回り続けたため、それで海の水は塩辛いそうだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 6:52 |
| 物語の時間数 | 6:40 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |