寄り木の主(共通語)

概要

昔、浜に大きな寄り木が打ち上げられていた。西の家と東の家の漁師が魚を捕りに来たが、潮が引いてなくて、その寄り木を枕に寝ていた。二人の妻は共に妊娠していて、出産が間近だった。龍宮の神様がやって来て、「さあ、大寄木、島に西の家に女の子、東の家に男の子が生まれたそうだから、行って大世を配って来よう」という。東の家の漁師は起きてこの話を聞いていた。寄り木は「自分の所に二人の客がいるので行けないから、あんたが行って世を付けて来てくれ」と答える。龍宮の神様は「はい」と言って、最初に東の家へ入っていった。するといきなり汚水を掛けられたものだから、「ここには世はない」と言ったそうだ。次に西の女の子の家へ行くときれいにしていたので、「生きている間食べきれない大世だ」と大世を配った。龍宮の神様は寄り木の所に戻って、「寄り木のクヤー、世を配ってきたよ」と報告した。「どんな世だったか」と聞くと、「東の男の子の家は汚くしているので世はない。また西の女の子には一生食べきれないほどの世を配ってきた」と言う。龍宮の神様の話を聞いていた東の家の親は、子供達が大きくなったら西の家の娘と結婚させよう、と考える。そして女の子の親に相談して、「同じ時間に生まれた子供達だから、大人になったら夫婦にさせよう」と持ち掛ける。女の子の親も喜んで同意する。それで、大人になって夫婦にしたところ、龍宮の神様の話したとおり、女の名前はモウシというが、モウシが嫁に入ってから東の家はどんどん豊かになっていった。夫の方はその経緯を知らないものだから、妻をいじめ粗末にする。そして、「ここから出て行きなさい」と言っていじめる。妻が台所で泣いていて居眠りをしていると、夢の中で神様が、「西のシマに炭焼太郎という人がいるから、その人と一緒に暮らすと幸せになる」と言う。モウシは西のシマに行く決心をして家を出る。西のシマに行く途中、大雨が降ったので雨宿りをしていると、向こうの方から立派な体格の男の人が近付いて来た。そしてモウシとその友達に「どうしてそこに座っているか」と聞く。「薪を取りに来たんだが、大雨に遭い、こうして雨宿りをしている」と答えると、「あなた方は東のシマのモウシという女を知らないか。実は神様から、その人と一緒になるようにとのお告げがあった」と言う。「モウシはこの人です」とその友人が答える。モウシは「炭焼太郎と夫婦になるようにと神様にいわれて私はここに来たが、あなたの名前は何といいますか」と聞くと、男は「私は炭焼太郎」と言う。女は、「それでは私たち二人は夫婦になるようにと神様がで引き合わせてくれたので夫婦になりましょう」と言って、二人は夫婦になり、子供もたくさんできて、幸せに暮らした。そして、元の夫は盲になり、乞食になって、元の妻から物を貰うようになったそうだ。

再生時間:7:35

民話詳細DATA

レコード番号 47O235304
CD番号 47O23C280
決定題名 寄り木の主(共通語)
話者がつけた題名
話者名 佐久川米子
話者名かな さくかわよねこ
生年月日 19060410
性別
出身地 伊良部村字長浜
記録日 19760330
記録者の所属組織 沖縄国際大学口承研
元テープ番号 伊良部T32B04
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 浜,大きな寄り木,西の家,東の家,漁師,枕,妻は妊娠,龍宮の神様,大世を配る,寄り木のクヤー,結婚,妻をいじめ粗末にする,炭焼太郎,雨宿り,モウシ,元の夫は盲に,乞食
梗概(こうがい) 昔、浜に大きな寄り木が打ち上げられていた。西の家と東の家の漁師が魚を捕りに来たが、潮が引いてなくて、その寄り木を枕に寝ていた。二人の妻は共に妊娠していて、出産が間近だった。龍宮の神様がやって来て、「さあ、大寄木、島に西の家に女の子、東の家に男の子が生まれたそうだから、行って大世を配って来よう」という。東の家の漁師は起きてこの話を聞いていた。寄り木は「自分の所に二人の客がいるので行けないから、あんたが行って世を付けて来てくれ」と答える。龍宮の神様は「はい」と言って、最初に東の家へ入っていった。するといきなり汚水を掛けられたものだから、「ここには世はない」と言ったそうだ。次に西の女の子の家へ行くときれいにしていたので、「生きている間食べきれない大世だ」と大世を配った。龍宮の神様は寄り木の所に戻って、「寄り木のクヤー、世を配ってきたよ」と報告した。「どんな世だったか」と聞くと、「東の男の子の家は汚くしているので世はない。また西の女の子には一生食べきれないほどの世を配ってきた」と言う。龍宮の神様の話を聞いていた東の家の親は、子供達が大きくなったら西の家の娘と結婚させよう、と考える。そして女の子の親に相談して、「同じ時間に生まれた子供達だから、大人になったら夫婦にさせよう」と持ち掛ける。女の子の親も喜んで同意する。それで、大人になって夫婦にしたところ、龍宮の神様の話したとおり、女の名前はモウシというが、モウシが嫁に入ってから東の家はどんどん豊かになっていった。夫の方はその経緯を知らないものだから、妻をいじめ粗末にする。そして、「ここから出て行きなさい」と言っていじめる。妻が台所で泣いていて居眠りをしていると、夢の中で神様が、「西のシマに炭焼太郎という人がいるから、その人と一緒に暮らすと幸せになる」と言う。モウシは西のシマに行く決心をして家を出る。西のシマに行く途中、大雨が降ったので雨宿りをしていると、向こうの方から立派な体格の男の人が近付いて来た。そしてモウシとその友達に「どうしてそこに座っているか」と聞く。「薪を取りに来たんだが、大雨に遭い、こうして雨宿りをしている」と答えると、「あなた方は東のシマのモウシという女を知らないか。実は神様から、その人と一緒になるようにとのお告げがあった」と言う。「モウシはこの人です」とその友人が答える。モウシは「炭焼太郎と夫婦になるようにと神様にいわれて私はここに来たが、あなたの名前は何といいますか」と聞くと、男は「私は炭焼太郎」と言う。女は、「それでは私たち二人は夫婦になるようにと神様がで引き合わせてくれたので夫婦になりましょう」と言って、二人は夫婦になり、子供もたくさんできて、幸せに暮らした。そして、元の夫は盲になり、乞食になって、元の妻から物を貰うようになったそうだ。
全体の記録時間数 7:35
物語の時間数 7:35
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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