りゅうぐうのかみのじゅみょうぎめ(しまぐち)
女の子ばかりが生まれていた家に男の子が出来た。父親は大変喜んで、今日は魚をたくさん捕ってきて、子供の母親にも親類のみんなにもあげようと漁に出ると魚がたくさん捕れた。ところがその翌日は何も捕れなくて、三日目も捕れなかった。困った父親は、家からお酒を持って行って供え、「神様、今日はたくさん捕らせて下さい」と祈ると、イカも魚もたくさん捕れた。そして6日目に龍宮の一番偉い神様が使いの神様に、「あの家に男の子が生まれた。あの子は7歳まで生きさせると思っているが、明日は7日だから、あなたが行って、その子に名前を付け、7歳までの寿命と決めて来なさい」と話しているのを聞いた。父親は急いで家に帰ると親類を集めて、「明日は龍宮の神様が来るそうだから、あるったけのご馳走を作ってお迎えしよう」と話した。それで次の日は漁には出ないで、きれいな塩水で手水を作り、むしろを敷いて待っていた。そうしているうちに龍宮の使いの神様がやって来た。「ごめん下さい」と言うので、「どうぞ、上がって下さい」と言って拝むと、神様はランド笠(こうもり笠)を置いて座った。父親は、「何もないけど、どうぞあがって下さい」と言って湯飲みを勧めた。神様は喜んでご馳走をたくさん食べ、そしてたくさんの土産をもらって帰った。使いの神様は一番偉い神様に呼び出されて、「子供にどんな運命をつけてきたか」と聞かれ、「とても親切にされ、龍宮の神様の分もお土産をもらったので、上等につけた」と答えた。龍宮の神様は、「では、私も食べよう」と言って土産のご馳走を食べ終わると、「ところで、幾つまでの運命をつけてきたか」とまた聞いた。使いの神様は77歳と帳簿にはつけたが、「龍宮の神様のおっしゃるとおりにします」と答える。すると、龍宮の神様は、「それでは、親切に歓迎され、お土産ももらっているので、7歳ではなく77歳と帳簿に書き入れなさい」と言う。使いの神のお供をして龍宮へ行った父親はその話を聞いて、喜んで家に帰りご馳走を作ってお祝いをした。
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レコード番号 | 47O235001 |
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CD番号 | 47O23C263 |
決定題名 | 龍宮の神の寿命決め(シマグチ) |
話者がつけた題名 | - |
話者名 | 宮国カマド |
話者名かな | みやぐにかまど |
生年月日 | 19021210 |
性別 | 女 |
出身地 | 伊良部村字仲地 |
記録日 | 19760327 |
記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
元テープ番号 | 伊良部T18A08 |
元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
分類 | 本格昔話 |
発句(ほっく) | - |
伝承事情 | 母方の祖母から |
文字化資料 | いらぶの民話P92 |
キーワード | 女の子,男の子,父,魚,子供の母親,親類,酒,神様,イカも魚もたくさん捕れた,龍宮の一番偉い神様,使いの神様,7歳まで生きさせる,子に名前,7歳までの寿命,ご馳走,塩水,手水,むしろ,ランド笠,運命,77歳と帳簿にはつけた |
梗概(こうがい) | 女の子ばかりが生まれていた家に男の子が出来た。父親は大変喜んで、今日は魚をたくさん捕ってきて、子供の母親にも親類のみんなにもあげようと漁に出ると魚がたくさん捕れた。ところがその翌日は何も捕れなくて、三日目も捕れなかった。困った父親は、家からお酒を持って行って供え、「神様、今日はたくさん捕らせて下さい」と祈ると、イカも魚もたくさん捕れた。そして6日目に龍宮の一番偉い神様が使いの神様に、「あの家に男の子が生まれた。あの子は7歳まで生きさせると思っているが、明日は7日だから、あなたが行って、その子に名前を付け、7歳までの寿命と決めて来なさい」と話しているのを聞いた。父親は急いで家に帰ると親類を集めて、「明日は龍宮の神様が来るそうだから、あるったけのご馳走を作ってお迎えしよう」と話した。それで次の日は漁には出ないで、きれいな塩水で手水を作り、むしろを敷いて待っていた。そうしているうちに龍宮の使いの神様がやって来た。「ごめん下さい」と言うので、「どうぞ、上がって下さい」と言って拝むと、神様はランド笠(こうもり笠)を置いて座った。父親は、「何もないけど、どうぞあがって下さい」と言って湯飲みを勧めた。神様は喜んでご馳走をたくさん食べ、そしてたくさんの土産をもらって帰った。使いの神様は一番偉い神様に呼び出されて、「子供にどんな運命をつけてきたか」と聞かれ、「とても親切にされ、龍宮の神様の分もお土産をもらったので、上等につけた」と答えた。龍宮の神様は、「では、私も食べよう」と言って土産のご馳走を食べ終わると、「ところで、幾つまでの運命をつけてきたか」とまた聞いた。使いの神様は77歳と帳簿にはつけたが、「龍宮の神様のおっしゃるとおりにします」と答える。すると、龍宮の神様は、「それでは、親切に歓迎され、お土産ももらっているので、7歳ではなく77歳と帳簿に書き入れなさい」と言う。使いの神のお供をして龍宮へ行った父親はその話を聞いて、喜んで家に帰りご馳走を作ってお祝いをした。 |
全体の記録時間数 | 5:30 |
物語の時間数 | 5:23 |
言語識別 | 方言 |
音源の質 | 〇 |
テープ番号 | - |
予備項目1 | - |