昔、仲の悪い兄弟が住んでいた。弟は兄より友達と仲が良かった。ある日、弟が浜辺を歩いていると、大きな亀が波打際でバタバタしていたので、良い獲物が見付かったものだと喜んだ。ところが余りにも大きいため、一人では運べないので友達の家へ行き、「浜で悪者達と喧嘩して殺してしまった。このことが他人に洩れないうちに片付けねばならないので、私を助けてくれ」とお願いした。ところがその友達は、「危険なことなので私は遠慮する」と言って断わる。弟は、普段は親しくしているのに、いざという時にはこうも変わるものかと落胆して、次に仲の悪い兄の所へ行った。兄に頼むと、兄は大変驚いて、「人に知られては困る。早く片付けよう」と立ち上がった。弟は兄に、包丁と棒とモッコを準備するようにと言うと、兄はそれらの用具を準備して家を出た。弟がその場所へ案内すると、そこには亀が転がっていた。兄はその亀を見て、「君はよくも僕を驚かせたもんだな。でも悪いことでなくてよかった」と言った。弟は、兄にすまなかったと懺悔し、それまで敵視していたことを悔いた。そして、「友達は鬼と思え。指は肉親に屈る」の俚諺の如く、友達は利害が相反すると離れ、肉親はいざという時に味方になるものだといって、兄に感謝した。兄と二人で亀を運んで帰り、親戚が集まってご馳走したという。
| レコード番号 | 47O234612 |
|---|---|
| CD番号 | 47O23C240 |
| 決定題名 | 友情と肉親の情(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 佐和田カニ |
| 話者名かな | さわだかに |
| 生年月日 | 19001210 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 伊良部村佐和田 |
| 記録日 | 19760325 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 伊良部T01B05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 伊良部郷土誌P237 |
| キーワード | 昔、仲の悪い兄弟,友達と仲が良い,浜辺,大きな亀,波打際,浜で悪者達と喧嘩して殺してしまった,私を助けてくれ,断わる,仲の悪い兄,包丁と棒とモッコ,友達は鬼と思え,指は肉親に屈る,兄に感謝 |
| 梗概(こうがい) | 昔、仲の悪い兄弟が住んでいた。弟は兄より友達と仲が良かった。ある日、弟が浜辺を歩いていると、大きな亀が波打際でバタバタしていたので、良い獲物が見付かったものだと喜んだ。ところが余りにも大きいため、一人では運べないので友達の家へ行き、「浜で悪者達と喧嘩して殺してしまった。このことが他人に洩れないうちに片付けねばならないので、私を助けてくれ」とお願いした。ところがその友達は、「危険なことなので私は遠慮する」と言って断わる。弟は、普段は親しくしているのに、いざという時にはこうも変わるものかと落胆して、次に仲の悪い兄の所へ行った。兄に頼むと、兄は大変驚いて、「人に知られては困る。早く片付けよう」と立ち上がった。弟は兄に、包丁と棒とモッコを準備するようにと言うと、兄はそれらの用具を準備して家を出た。弟がその場所へ案内すると、そこには亀が転がっていた。兄はその亀を見て、「君はよくも僕を驚かせたもんだな。でも悪いことでなくてよかった」と言った。弟は、兄にすまなかったと懺悔し、それまで敵視していたことを悔いた。そして、「友達は鬼と思え。指は肉親に屈る」の俚諺の如く、友達は利害が相反すると離れ、肉親はいざという時に味方になるものだといって、兄に感謝した。兄と二人で亀を運んで帰り、親戚が集まってご馳走したという。 |
| 全体の記録時間数 | 2:32 |
| 物語の時間数 | 2:32 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |