化物と人間の知恵(シマグチ)

概要

昔、化物と人間が親しくなり、仕事や食事もともにしていた。ある日、化物が人間を誘って漁に出た。大きいイカが取れたので二人で分けることにした。化物が自分は中身が欲しいと言ったので、希望どおり化物に中身(甲)を与え、人間は外側の身をもらって帰った。化物は喜んで帰り、早速炊いたがかたくてかめない。翌朝、人間の家を訪ねて昨晩のことを怒った。それでもその夜もまた一緒に漁に出ることを約束して家へ帰った。夕方、漁に出るとその日は大きな二枚貝が取れた。化物は昨日のことがあったので、今度は外側が欲しいと言った。希望どおり外側の殻を渡すと、化物は喜んで家に帰り、殻を炊いて食べようとしたが、昨日と同様食べられたものではない。化物は自分を馬鹿にしていると怒り、仕返しをしてやろうと計画して、また人間の家へ行った。そして今夜の漁を約束して帰る。化物の様子がおかしいので人間はこっそり化物の後をつけて行くと、化物の家の中から話し声が聞こえた。「今晩、風を起こしてあいつを舟もろとも流してやる」と化物が言うと、家族の者が、「人間は知恵があるから、夜の海には篝火を持っていく。かえって君の命が危ないぞ」と話している。この話し合いを聞いて、人間は大急ぎ家へ戻ると、茅を束ねて化物が来るのを待っていた。しばらくして化物が来たので揃って海へ行く。二人で網を張って潮時を待っていると、急に風が強くなってきた。化物はこの時とばかりに人間に、「早く網を引き揚げろ」と言った。それで人間は潜ってから海面に顔を出し、「私には取れないので交代してくれ」と言った。化物は怒って海に飛び込んだが、しばらくして、「瀬に引っ掛かってなかなか取れない」と言って舟に上がろうとした。その時、人間は篝火を化物の顔に突き当てると、化物は海に落ちて死んでしまった。人間は大急ぎ家へ帰り、命拾いをしたということである。

再生時間:4:00

民話詳細DATA

レコード番号 47O234611
CD番号 47O23C240
決定題名 化物と人間の知恵(シマグチ)
話者がつけた題名
話者名 佐和田カニ
話者名かな さわだかに
生年月日 19001210
性別
出身地 伊良部村佐和田
記録日 19760325
記録者の所属組織 沖縄国際大学口承研
元テープ番号 伊良部T01B04
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 伊良部郷土誌P235
キーワード 化物と人間,親しくなった,仕事や食事,漁,大きいイカ,り化物に中身,人間は外側の身,大きな二枚貝,殻,風,舟もろとも流してやる,篝火,君の命が危ない,茅,網,命拾い
梗概(こうがい) 昔、化物と人間が親しくなり、仕事や食事もともにしていた。ある日、化物が人間を誘って漁に出た。大きいイカが取れたので二人で分けることにした。化物が自分は中身が欲しいと言ったので、希望どおり化物に中身(甲)を与え、人間は外側の身をもらって帰った。化物は喜んで帰り、早速炊いたがかたくてかめない。翌朝、人間の家を訪ねて昨晩のことを怒った。それでもその夜もまた一緒に漁に出ることを約束して家へ帰った。夕方、漁に出るとその日は大きな二枚貝が取れた。化物は昨日のことがあったので、今度は外側が欲しいと言った。希望どおり外側の殻を渡すと、化物は喜んで家に帰り、殻を炊いて食べようとしたが、昨日と同様食べられたものではない。化物は自分を馬鹿にしていると怒り、仕返しをしてやろうと計画して、また人間の家へ行った。そして今夜の漁を約束して帰る。化物の様子がおかしいので人間はこっそり化物の後をつけて行くと、化物の家の中から話し声が聞こえた。「今晩、風を起こしてあいつを舟もろとも流してやる」と化物が言うと、家族の者が、「人間は知恵があるから、夜の海には篝火を持っていく。かえって君の命が危ないぞ」と話している。この話し合いを聞いて、人間は大急ぎ家へ戻ると、茅を束ねて化物が来るのを待っていた。しばらくして化物が来たので揃って海へ行く。二人で網を張って潮時を待っていると、急に風が強くなってきた。化物はこの時とばかりに人間に、「早く網を引き揚げろ」と言った。それで人間は潜ってから海面に顔を出し、「私には取れないので交代してくれ」と言った。化物は怒って海に飛び込んだが、しばらくして、「瀬に引っ掛かってなかなか取れない」と言って舟に上がろうとした。その時、人間は篝火を化物の顔に突き当てると、化物は海に落ちて死んでしまった。人間は大急ぎ家へ帰り、命拾いをしたということである。
全体の記録時間数 4:16
物語の時間数 4:00
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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