与那国征伐(共通語)

概要

首里王が宮古の豊見親に、「与那国に悪い奴がおって上納をやってくれと言っても、それを聞かんで反対して謀叛を起こしているから、これを征伐して生け捕りして来い。」と命令されたからだというんだよ。ところが宮古の豊見親は、真っ直ぐ与那国には行かんで、小浜と西表を廻って、小浜の大嵩小三郎、西表の慶来慶田城と一緒に波照間に来て、波照間の親盛(うやまし)アカダナという武士に、「与那国征伐には自分一人では行ききらん。八重山のうちから波照間の親盛(うやまし)アカダナ、小浜の大嵩小三郎、西表の慶来慶田城との三名と自分なら与那国征伐は大丈夫だ。」と説得して参加をお願いして誘ったわけさな。そのとき、宮古の豊見親は、この島で与那国に行く天気待ちの間に前野という家の娘を妾にして通って作った子が長田大主で、また、別な妾から生まれた子が真乙姥、姑乙姥だから、この島で子ども三名まで生まれてるんだよ。この四人で与那国征伐に行くと親盛(うやまし)アカダナと大嵩小三郎はもう本当の武士ですからよ、「誰が悪いのか分からん。」ととにかく向かってくるのは全部片っ端から切り殺したんですよね。そのとき、慶来慶田城は、この二人が切りまくって行った後で、まるであっちの味方のように、かわいそうだと思って、生きている人は殺ささないように、まだ生きた人を見つけると、血を付けて死んだ人の中に潜らせて助けたというんですよ。だから、祖納の慶来慶田城は与那国征伐に行っても、その後は、与那国と西表の祖納部落は非常に仲は良かったと。そして、親盛(うやまし)アカダナと大嵩小三郎は、片っ端から切りまくったものすごい敵なんだから、小浜島の周囲では、与那国の歌なんかは出来ないという話です。波照間の場合はすごい怨みがあったわけさな。だから直接与那国から夜襲して来て、「名石村、ジッチ村、ストゥイ、ストゥイ。」と言って来て、こっそり近づくとみんな寝てるのを襲って、今学校のある名石村とジッチ村という二つの村の人のまず目玉を抜いたわけです。目玉を抜けばもう歩ききらんから、この二部落の人を八〇パーセントぐらい殺したっていうことですね。そのとき、死んだ人は、今のブスクのワーというところの北側の石垣にみんな埋葬したと。そこは今も拝所となっておるんです。このときの「ストゥイ、ストゥイ、」というのは、波照間の狂言なんかにも昔はあったんだが、多分、「静粛、静粛。」ということじゃないかなあと思うんです。

再生時間:15:21

民話詳細DATA

レコード番号 47O201472
CD番号 47O20C075
決定題名 与那国征伐(共通語)
話者がつけた題名
話者名 勝連文雄
話者名かな かつれんふみお
生年月日 19170518
性別
出身地 沖縄県八重山郡竹富町波照間
記録日 19970914
記録者の所属組織 竹富町口承文芸学術調査団
元テープ番号 竹富町字波照間T146A02
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 仲宗根豊見親,ウヤマシアカダナ
梗概(こうがい) 首里王が宮古の豊見親に、「与那国に悪い奴がおって上納をやってくれと言っても、それを聞かんで反対して謀叛を起こしているから、これを征伐して生け捕りして来い。」と命令されたからだというんだよ。ところが宮古の豊見親は、真っ直ぐ与那国には行かんで、小浜と西表を廻って、小浜の大嵩小三郎、西表の慶来慶田城と一緒に波照間に来て、波照間の親盛(うやまし)アカダナという武士に、「与那国征伐には自分一人では行ききらん。八重山のうちから波照間の親盛(うやまし)アカダナ、小浜の大嵩小三郎、西表の慶来慶田城との三名と自分なら与那国征伐は大丈夫だ。」と説得して参加をお願いして誘ったわけさな。そのとき、宮古の豊見親は、この島で与那国に行く天気待ちの間に前野という家の娘を妾にして通って作った子が長田大主で、また、別な妾から生まれた子が真乙姥、姑乙姥だから、この島で子ども三名まで生まれてるんだよ。この四人で与那国征伐に行くと親盛(うやまし)アカダナと大嵩小三郎はもう本当の武士ですからよ、「誰が悪いのか分からん。」ととにかく向かってくるのは全部片っ端から切り殺したんですよね。そのとき、慶来慶田城は、この二人が切りまくって行った後で、まるであっちの味方のように、かわいそうだと思って、生きている人は殺ささないように、まだ生きた人を見つけると、血を付けて死んだ人の中に潜らせて助けたというんですよ。だから、祖納の慶来慶田城は与那国征伐に行っても、その後は、与那国と西表の祖納部落は非常に仲は良かったと。そして、親盛(うやまし)アカダナと大嵩小三郎は、片っ端から切りまくったものすごい敵なんだから、小浜島の周囲では、与那国の歌なんかは出来ないという話です。波照間の場合はすごい怨みがあったわけさな。だから直接与那国から夜襲して来て、「名石村、ジッチ村、ストゥイ、ストゥイ。」と言って来て、こっそり近づくとみんな寝てるのを襲って、今学校のある名石村とジッチ村という二つの村の人のまず目玉を抜いたわけです。目玉を抜けばもう歩ききらんから、この二部落の人を八〇パーセントぐらい殺したっていうことですね。そのとき、死んだ人は、今のブスクのワーというところの北側の石垣にみんな埋葬したと。そこは今も拝所となっておるんです。このときの「ストゥイ、ストゥイ、」というのは、波照間の狂言なんかにも昔はあったんだが、多分、「静粛、静粛。」ということじゃないかなあと思うんです。
全体の記録時間数 15:27
物語の時間数 15:21
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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