高名な鼻きき(共通語)

概要

 これはね、友達の勝鼻(かぴばな)の話だが、こっちでの出来事じゃないですよ。王様の子が貧乏者の友達がかわいそうだからね、何とか立派な家も作って自分と同様ないい生活をさせたいという気持ちでいたんだな。それで、犬は色々臭覚感が強いでしょう。その若者は臭覚感はあまりないがその理屈を応用した勝鼻(かぴばな)だという理屈で成功させようというんだよね。まず最初は、王子がわざと王様の金の枕を自分の家の屋敷内に木の根っこの下に隠したから、王様は一〇名の家来に捜させたが、探しきらんから、王様は、「探し出したら褒美も与える。」と命令した。そしたら、王子の友達の貧乏な若者が、もう王子と相談してやっているから、「んじゃ私は鼻が利く勝鼻(かぴばな)だから鼻で当てるということにしよう。」と言って、鼻で金の枕があるところを当てて王様から褒美をもらって、家まで作ってもらったわけ。そのころ中国ではいわば一つの忍術というかな、生きてる人の命をとるイキロという術がすごかったというんです。だから、中国の王様はこれを無くすためにどうしたらいいかと思っていたが、誰がイキロの術をしているか分からないからよ、無くさせる方法が無かったというんですよ。そのときに、中国まで、「琉球には、勝鼻(かぴばな)の素晴らしい者がおる。」ということが聞こえて、それを中国の王様も聞かれたわけさ。だから、中国の王様は、「イキロの術を使う者を見分けない限り、人命は救えない。琉球の勝鼻(かぴばな)の若者を連れて来い。」ということになって、連れて行かれることになったから、若者が王子と相談したら、若者の家は海岸端に家を作ってあるからね、王子は、「あんたの家は貧乏な家で火をつけても損はないな。」と言って、若者を乗せた船が出てしばらくすると王子は若者の家に火をつけた。若者は、船が途中まで行ったとき、急に鼻をクンクンさせて、「自分の家が焼けた匂いがする。もう中国には行かない船をもどせ。」と言った。船を返して見ると、本当に家が焼けていたわけなんですな。迎えに来た中国の人達は驚いたんだよね。だから、その若者の勝鼻(かぴばな)は、中国でも有名になったんですよ。中国に行くと王様から、「中国ではイキロという人の命を取る術があっちこっちで流行って人殺をする。何月何日に人を集めるから、誰がイキロという術を使っているのか見分けてくれ。」と命令されたんだが、若者は、「そんなら、勝鼻(かぴばな)が利くように、自分一人でおるから、海岸端に家を作ってくれ。自分のところには誰も立ち寄るな。」と頼んで海岸端に掘っ建て小屋を作ってもらっておったということですね。そうすると悪いイキロの術を使う者は、すごい勝鼻(かぴばな)の若者が来たと聞いたから、もう隠れられなんと思って、若者が住んでいる海岸端に掘っ建て小屋にやって来ると、「何月何日の日に自分達は集められるから、その日は私は許して下さい。」とお金も持ってくるし、いろんな物を持って来て頭下げて頼んだから、「ああそうか、そんならあんたはどっちかに赤い布で印を付けて来なさい。」と言いつけて帰してやるわけです。そうして人が集められた日になると、すぐ鼻でくんくんして赤い印がついた者を見つけるとより分けておいて、王様には、「この赤い布の印がある者がイキロの術を使う者です。」と言ったら、王様は、「間違いない。世間の言う通りこれは素晴らしい。」と、若者にたくさん褒美を与えたそうだ。

再生時間:10:13

民話詳細DATA

レコード番号 47O201394
CD番号 47O20C069
決定題名 高名な鼻きき(共通語)
話者がつけた題名 親しい友達
話者名 勝連文雄
話者名かな かつれんふみお
生年月日 19170518
性別
出身地 沖縄県八重山郡竹富町波照間
記録日 19960318
記録者の所属組織 竹富町口承文芸学術調査団
元テープ番号 竹富町字波照間T32A01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 笑話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 王様,貧乏,金の枕
梗概(こうがい)  これはね、友達の勝鼻(かぴばな)の話だが、こっちでの出来事じゃないですよ。王様の子が貧乏者の友達がかわいそうだからね、何とか立派な家も作って自分と同様ないい生活をさせたいという気持ちでいたんだな。それで、犬は色々臭覚感が強いでしょう。その若者は臭覚感はあまりないがその理屈を応用した勝鼻(かぴばな)だという理屈で成功させようというんだよね。まず最初は、王子がわざと王様の金の枕を自分の家の屋敷内に木の根っこの下に隠したから、王様は一〇名の家来に捜させたが、探しきらんから、王様は、「探し出したら褒美も与える。」と命令した。そしたら、王子の友達の貧乏な若者が、もう王子と相談してやっているから、「んじゃ私は鼻が利く勝鼻(かぴばな)だから鼻で当てるということにしよう。」と言って、鼻で金の枕があるところを当てて王様から褒美をもらって、家まで作ってもらったわけ。そのころ中国ではいわば一つの忍術というかな、生きてる人の命をとるイキロという術がすごかったというんです。だから、中国の王様はこれを無くすためにどうしたらいいかと思っていたが、誰がイキロの術をしているか分からないからよ、無くさせる方法が無かったというんですよ。そのときに、中国まで、「琉球には、勝鼻(かぴばな)の素晴らしい者がおる。」ということが聞こえて、それを中国の王様も聞かれたわけさ。だから、中国の王様は、「イキロの術を使う者を見分けない限り、人命は救えない。琉球の勝鼻(かぴばな)の若者を連れて来い。」ということになって、連れて行かれることになったから、若者が王子と相談したら、若者の家は海岸端に家を作ってあるからね、王子は、「あんたの家は貧乏な家で火をつけても損はないな。」と言って、若者を乗せた船が出てしばらくすると王子は若者の家に火をつけた。若者は、船が途中まで行ったとき、急に鼻をクンクンさせて、「自分の家が焼けた匂いがする。もう中国には行かない船をもどせ。」と言った。船を返して見ると、本当に家が焼けていたわけなんですな。迎えに来た中国の人達は驚いたんだよね。だから、その若者の勝鼻(かぴばな)は、中国でも有名になったんですよ。中国に行くと王様から、「中国ではイキロという人の命を取る術があっちこっちで流行って人殺をする。何月何日に人を集めるから、誰がイキロという術を使っているのか見分けてくれ。」と命令されたんだが、若者は、「そんなら、勝鼻(かぴばな)が利くように、自分一人でおるから、海岸端に家を作ってくれ。自分のところには誰も立ち寄るな。」と頼んで海岸端に掘っ建て小屋を作ってもらっておったということですね。そうすると悪いイキロの術を使う者は、すごい勝鼻(かぴばな)の若者が来たと聞いたから、もう隠れられなんと思って、若者が住んでいる海岸端に掘っ建て小屋にやって来ると、「何月何日の日に自分達は集められるから、その日は私は許して下さい。」とお金も持ってくるし、いろんな物を持って来て頭下げて頼んだから、「ああそうか、そんならあんたはどっちかに赤い布で印を付けて来なさい。」と言いつけて帰してやるわけです。そうして人が集められた日になると、すぐ鼻でくんくんして赤い印がついた者を見つけるとより分けておいて、王様には、「この赤い布の印がある者がイキロの術を使う者です。」と言ったら、王様は、「間違いない。世間の言う通りこれは素晴らしい。」と、若者にたくさん褒美を与えたそうだ。
全体の記録時間数 10:44
物語の時間数 10:13
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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