牛屋敷(共通語)

概要

 昔世の波照間の冨嘉部落に私の家の先祖の本比田という人がおりました。ある夜ね、その本比田という人が網を担いでよ、魚捕りにウチムルと言う東の海岸に下りたらしいよ。そうするとね、暗闇の中から人の声が聞こえたらしいよ。だから、「これは不思議だなあ。今日は自分一人だから大漁するはずと思っていたが、誰かいるんだな。もしかすると、どこかの航海の遭難船かなあ。」とこの人と思って、その声のする方に行ってみたら、そこにいたのは人ではないわけよ。「自分らはね、人間ではないよ。神の使いで牛の病気をこの島に持って来たんだ。」と言ったらしいよ。だからね、この本比田はよ、「ああ、あんたたちは、この島に豊作を持っていらっしゃたか思っておったらね、福は持っていらっしゃらないでね、牛の病気を持ってきたのか。」と言うと、「この牛の病気は、牛にシビヅナと言う縄を綯って、そこに角がはえているアキシャンザーという貝を下げておいたらよ、牛は病気はかからないよ。これは人には誰にも言うなよ。」と言うから、もう夜中の魚捕りをしないでよ、網を担いでから家に帰って来て、そこは今私の住んでいる屋敷ですが、石垣高かったたらしいですが、そこに牛を置いてから、教えられたとおり、その牛にシビヅナと言う縄を綯って、そこに角がはえているアキシャンザーという貝を下げておいたらよ、その本比田家の牛は病気にかからなかったが、島の他の牛は全部全滅したそうだよ。だから、本比田の屋敷は牛屋敷と言われたんです。また、波照間に津波が来たときも、本比田家の婆さんにね、ある人が、「津波が来るからあんたの牛はどこまで連れて行って置いたか。」と言ったらよ。「津波はどこどこに来るから、どこまで連れて行って置いたよう。」と言っていたら、津波は、その婆さんの言うとおりに、牛がいる下を抜けて行ったから、その牛は助かったって。

再生時間:4:08

民話詳細DATA

レコード番号 47O201302
CD番号 47O20C063
決定題名 牛屋敷(共通語)
話者がつけた題名
話者名 本比田トヨ
話者名かな もとひだとよ
生年月日 19240615
性別
出身地 沖縄県八重山郡竹富町波照間
記録日 19950910
記録者の所属組織 竹富町口承文芸学術調査団
元テープ番号 竹富町字波照間T19A01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 牛の病気,津波
梗概(こうがい)  昔世の波照間の冨嘉部落に私の家の先祖の本比田という人がおりました。ある夜ね、その本比田という人が網を担いでよ、魚捕りにウチムルと言う東の海岸に下りたらしいよ。そうするとね、暗闇の中から人の声が聞こえたらしいよ。だから、「これは不思議だなあ。今日は自分一人だから大漁するはずと思っていたが、誰かいるんだな。もしかすると、どこかの航海の遭難船かなあ。」とこの人と思って、その声のする方に行ってみたら、そこにいたのは人ではないわけよ。「自分らはね、人間ではないよ。神の使いで牛の病気をこの島に持って来たんだ。」と言ったらしいよ。だからね、この本比田はよ、「ああ、あんたたちは、この島に豊作を持っていらっしゃたか思っておったらね、福は持っていらっしゃらないでね、牛の病気を持ってきたのか。」と言うと、「この牛の病気は、牛にシビヅナと言う縄を綯って、そこに角がはえているアキシャンザーという貝を下げておいたらよ、牛は病気はかからないよ。これは人には誰にも言うなよ。」と言うから、もう夜中の魚捕りをしないでよ、網を担いでから家に帰って来て、そこは今私の住んでいる屋敷ですが、石垣高かったたらしいですが、そこに牛を置いてから、教えられたとおり、その牛にシビヅナと言う縄を綯って、そこに角がはえているアキシャンザーという貝を下げておいたらよ、その本比田家の牛は病気にかからなかったが、島の他の牛は全部全滅したそうだよ。だから、本比田の屋敷は牛屋敷と言われたんです。また、波照間に津波が来たときも、本比田家の婆さんにね、ある人が、「津波が来るからあんたの牛はどこまで連れて行って置いたか。」と言ったらよ。「津波はどこどこに来るから、どこまで連れて行って置いたよう。」と言っていたら、津波は、その婆さんの言うとおりに、牛がいる下を抜けて行ったから、その牛は助かったって。
全体の記録時間数 4:39
物語の時間数 4:08
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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