ある人が妻を娶って十日ほど、いっしょに暮らしていたが、支那の高天加那主の所から、召集と同じ、「すぐ来い。」と命令があったので、妻にはなんと言い付けて言って出かけようかと思っていたが、「俺が支那へ出かけ、御用を勤めて帰るまで間男など絶対するなよ。」と言い付けたそうだ。その女は、「いいえ、絶対に間男を見つけません。」「しかし、間男を見つけて、そこの毛が全部一本でも欠けたときは許さないぞ。」と言いつけて、出発したそうだ。出発してから何か月たって、一年がたって帰るころ、やがて帰るだろうなと妻が思っていると、いよいよ、帰ると知らせが来たと。そこで、妻は、「自分の毛はまだ数えたことがないが、夫はつかんだだけで、わかるほど器用なんだな。大変な夫だ。」と、夫に感心して、まずと数えてみたそうだ。数えては芋の根毛で、十本ずつ、十本ずつと括っていたと。すると、アカハラという鳥が、「ザー。」と鳴いたので、「キャア。」と驚いて引っ張ったら、括っていた毛をそっくり引き抜いてしまったので、びっくりして家に帰って来て、「ああ、これはいったいどうしたらよいだろう。」と、隣りの婆さんのところに行って、「私の夫は、こうこうで旅に出たが、下の毛が一本でも足りないと間男を見つけた証拠だ。不思議なことに私さえ知らないのに、俺は数えてあると言って出かけたが、私の毛をいつの間に数えたのか知りません。それで、今日は数えてみようと、数えていたら、アカハラが飛んで来てザアーと鳴いたので、毛を抜いてしまったので、どうしたらよいか。」と隣りの婆さんに尋ねると、「おやすいことだ。返答は私がしよう。夫が帰って来たら、ご馳走を準備して私を呼びなさい。」と言うので、「はい。」と言って、夫が帰って来たので、ご馳走を準備して隣りの婆さんを呼んで連れて来て、お膳を出し、お茶うけをあげたら、婆さんが言うには、「そこに下がっている蓑は、今では女の下の毛が落ちるように全部落ちてしまったね。」と言ったので、この一言で、その夫は目を丸くして、さては女の毛は、全部落ちるものだなと思ったので、妻の命は助かったと聞きました。
| レコード番号 | 47O202047 |
|---|---|
| CD番号 | 47O20C109 |
| 決定題名 | 毛の数(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 大久真徳 |
| 話者名かな | だいくしんとく |
| 生年月日 | 18941018 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡竹富町小浜 |
| 記録日 | 19760804 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄県口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 竹富町字小浜T30A04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 蓑 |
| 梗概(こうがい) | ある人が妻を娶って十日ほど、いっしょに暮らしていたが、支那の高天加那主の所から、召集と同じ、「すぐ来い。」と命令があったので、妻にはなんと言い付けて言って出かけようかと思っていたが、「俺が支那へ出かけ、御用を勤めて帰るまで間男など絶対するなよ。」と言い付けたそうだ。その女は、「いいえ、絶対に間男を見つけません。」「しかし、間男を見つけて、そこの毛が全部一本でも欠けたときは許さないぞ。」と言いつけて、出発したそうだ。出発してから何か月たって、一年がたって帰るころ、やがて帰るだろうなと妻が思っていると、いよいよ、帰ると知らせが来たと。そこで、妻は、「自分の毛はまだ数えたことがないが、夫はつかんだだけで、わかるほど器用なんだな。大変な夫だ。」と、夫に感心して、まずと数えてみたそうだ。数えては芋の根毛で、十本ずつ、十本ずつと括っていたと。すると、アカハラという鳥が、「ザー。」と鳴いたので、「キャア。」と驚いて引っ張ったら、括っていた毛をそっくり引き抜いてしまったので、びっくりして家に帰って来て、「ああ、これはいったいどうしたらよいだろう。」と、隣りの婆さんのところに行って、「私の夫は、こうこうで旅に出たが、下の毛が一本でも足りないと間男を見つけた証拠だ。不思議なことに私さえ知らないのに、俺は数えてあると言って出かけたが、私の毛をいつの間に数えたのか知りません。それで、今日は数えてみようと、数えていたら、アカハラが飛んで来てザアーと鳴いたので、毛を抜いてしまったので、どうしたらよいか。」と隣りの婆さんに尋ねると、「おやすいことだ。返答は私がしよう。夫が帰って来たら、ご馳走を準備して私を呼びなさい。」と言うので、「はい。」と言って、夫が帰って来たので、ご馳走を準備して隣りの婆さんを呼んで連れて来て、お膳を出し、お茶うけをあげたら、婆さんが言うには、「そこに下がっている蓑は、今では女の下の毛が落ちるように全部落ちてしまったね。」と言ったので、この一言で、その夫は目を丸くして、さては女の毛は、全部落ちるものだなと思ったので、妻の命は助かったと聞きました。 |
| 全体の記録時間数 | 5:35 |
| 物語の時間数 | 5:22 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |