昔、与那国に石垣からお勤めで役人がおいでになったら、とてもきれいな娘がいて、これを賄いにめとり暮らしていたそうだ。二人でとても睦まじく何年間か勤めていたそうだ。そうこうしているうちに、役人はいよいよ御用の勤めを終え、石垣島に帰ることになったので、この女をそのままおいて自分だけ帰ってしまったそうだ。この女の思いはとても強く忘れようにも忘れられず、今日明日とずっと恋人のことを思い続け、物も食べられず思いに思って、その思いのために痩せたそうだ。それで、高い山の上に登って歌を書いたそうだ。「東へ向かって見ると島は見えるが 私の恋人は見えない。」と歌を書いて、いよいよそこで思い焦がれ、家にも帰らずそこで倒れて死んだそうだ。そのうちにやっぱり日にちがたつと、その女の人の骸骨が上に持ち上がって歌をうたっていて、その歌声が下を通る人には聞こえたので、島人は全員がその歌を不思議だと思って聞いたそうだ。人間は死んでも思い焦がれると天国へは行けない。だからいつまでもこんなに思い焦がれていると、その思いは残るのだと。現在までも残っているそうだ。
| レコード番号 | 47O201989 |
|---|---|
| CD番号 | 47O20C106 |
| 決定題名 | 歌い骸骨(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 桴海勇 |
| 話者名かな | ふかいいさむ |
| 生年月日 | 19041211 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡竹富町小浜 |
| 記録日 | 19760805 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄県口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 竹富町字小浜T27B02 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 与那国 |
| 梗概(こうがい) | 昔、与那国に石垣からお勤めで役人がおいでになったら、とてもきれいな娘がいて、これを賄いにめとり暮らしていたそうだ。二人でとても睦まじく何年間か勤めていたそうだ。そうこうしているうちに、役人はいよいよ御用の勤めを終え、石垣島に帰ることになったので、この女をそのままおいて自分だけ帰ってしまったそうだ。この女の思いはとても強く忘れようにも忘れられず、今日明日とずっと恋人のことを思い続け、物も食べられず思いに思って、その思いのために痩せたそうだ。それで、高い山の上に登って歌を書いたそうだ。「東へ向かって見ると島は見えるが 私の恋人は見えない。」と歌を書いて、いよいよそこで思い焦がれ、家にも帰らずそこで倒れて死んだそうだ。そのうちにやっぱり日にちがたつと、その女の人の骸骨が上に持ち上がって歌をうたっていて、その歌声が下を通る人には聞こえたので、島人は全員がその歌を不思議だと思って聞いたそうだ。人間は死んでも思い焦がれると天国へは行けない。だからいつまでもこんなに思い焦がれていると、その思いは残るのだと。現在までも残っているそうだ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:22 |
| 物語の時間数 | 3:16 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |