はぶ婿入り(共通語)

概要

 申しあげます。昔々あった話です。一人娘がいて本当にとても美しく手先も器用だったがちっとも嫁にと望む人がいなかったそうだ。ところが、どこからか大変天晴な男が来たと。娘は自然にその男に惚れて妻になり、一緒に大変仲睦まじくしていたそうだ。そうしているうち、いつの間にか孕んでしまったのに、その夫になっている男の人は、どこの誰とも分からないから、大変なことになったと思って、隣りに物知り婆さんがいたので、この婆さんの家に行って、「これは、こうこうなってこんなふうに体も変わり、腹も出ているが、相手の男の人はどこの人かも、名も分からない。その男の子が明日、明後日に生まれようとしているが、これはどうしたらよいのか分からないので、どうか教えてください。」とお願いすると、婆さんは、「そんならしっかりと麻を紡ぎ、木箱の一杯になるぐらいたくさん麻を紡いでとっておいて、男が来たら、針にその麻を通して、頭の髷(まげ)に刺して帰しなさい。」と教えたそうだ。いよいよその男が来たので、針に麻を通して刺して帰したそうだ。そして、翌日の朝、どこの人かとその麻糸をたどって行くと、さてさて恐ろしいことに大きい岩石の下に赤い蛇がこのくらいとぐろを巻いていたそうだ。だから、「ああ、これはどうすればよいか。」ととても心配して、そこからお尻が前になるほど走って、それから、この物知り婆さんのところに行って、「これは、どうしたものか。」と物知り婆さんに相談すると、「そうか、そんなら、三月三日が来たら蓬の葉の餅と麻の葉の餅を作ったら、その餅をたくさん持って、磯に行き、その岩、あの岩と渡ったら、そうすると子は生まれる。」と教えたそうだ。婆さんが教えたとおり、餅を蒸して頭の上に乗せ、蓬餅、麻の葉の餅を持って磯に行って、そこの岩に渡り、あっちの岩に渡っていると、ビュルルービュルルーと蛇の子がポンポンと生まれ、全部産み落としたそうだ。そして、これが大きくなるとちゃんと鰻になり、魚になったので、海の生物の数が増えて行ったという話だ。このように三月三日の話が残っています。

再生時間:0:00

民話詳細DATA

レコード番号 47O201948
CD番号 47O20C104
決定題名 はぶ婿入り(共通語)
話者がつけた題名
話者名 桴海勇
話者名かな ふかいいさむ
生年月日 19041211
性別
出身地 沖縄県八重山郡竹富町小浜
記録日 19750808
記録者の所属組織 沖縄県口承文芸学術調査団
元テープ番号 収録無し
元テープ管理者 収録無し
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 三月三日
梗概(こうがい)  申しあげます。昔々あった話です。一人娘がいて本当にとても美しく手先も器用だったがちっとも嫁にと望む人がいなかったそうだ。ところが、どこからか大変天晴な男が来たと。娘は自然にその男に惚れて妻になり、一緒に大変仲睦まじくしていたそうだ。そうしているうち、いつの間にか孕んでしまったのに、その夫になっている男の人は、どこの誰とも分からないから、大変なことになったと思って、隣りに物知り婆さんがいたので、この婆さんの家に行って、「これは、こうこうなってこんなふうに体も変わり、腹も出ているが、相手の男の人はどこの人かも、名も分からない。その男の子が明日、明後日に生まれようとしているが、これはどうしたらよいのか分からないので、どうか教えてください。」とお願いすると、婆さんは、「そんならしっかりと麻を紡ぎ、木箱の一杯になるぐらいたくさん麻を紡いでとっておいて、男が来たら、針にその麻を通して、頭の髷(まげ)に刺して帰しなさい。」と教えたそうだ。いよいよその男が来たので、針に麻を通して刺して帰したそうだ。そして、翌日の朝、どこの人かとその麻糸をたどって行くと、さてさて恐ろしいことに大きい岩石の下に赤い蛇がこのくらいとぐろを巻いていたそうだ。だから、「ああ、これはどうすればよいか。」ととても心配して、そこからお尻が前になるほど走って、それから、この物知り婆さんのところに行って、「これは、どうしたものか。」と物知り婆さんに相談すると、「そうか、そんなら、三月三日が来たら蓬の葉の餅と麻の葉の餅を作ったら、その餅をたくさん持って、磯に行き、その岩、あの岩と渡ったら、そうすると子は生まれる。」と教えたそうだ。婆さんが教えたとおり、餅を蒸して頭の上に乗せ、蓬餅、麻の葉の餅を持って磯に行って、そこの岩に渡り、あっちの岩に渡っていると、ビュルルービュルルーと蛇の子がポンポンと生まれ、全部産み落としたそうだ。そして、これが大きくなるとちゃんと鰻になり、魚になったので、海の生物の数が増えて行ったという話だ。このように三月三日の話が残っています。
全体の記録時間数 0:00
物語の時間数 0:00
言語識別 共通語
音源の質 ×
テープ番号
予備項目1

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