昔友だちが二人いて、一人の友だちはとても金持ちで裕福であったが、もう一人の友だちは大変貧乏で、苦労をしていたそうだ。金持ちの友だちが、「ああ、君を助けてあげよう。」というから、貧乏の友だちは、どんな助け方をしてくれるのかと思っていると、金持ちの友だちは親の金を黙って取って持ってどこかに埋めておくと、「俺がここに金を埋めておくよ。お前にはわかるように印を付けておこう。印のある所をこうこう鼻で、捜しなさいよ。」と貧乏な友だちに言っておいたと。ところが金持ちの家の人々はもう金がないと騒いでいると貧乏な友だちを連れて来て、「ああ、お前は鼻で金を捜すそうだから、どうか捜してください。」と頼んだ。貧乏人の友達は、屋敷中をもうすぐに嗅(か)いで歩き回ると、そのお金を捜し出したので、金持ちの家の親は、「どうもありがとう。あなたのおかげで、このお金は出て来ました。」と言って、お礼をたくさんしたそうだ。そのころ外国の王様がとても重い病気になったそうだ。その病気は、占い師や医者にかかっても、いっこうに治らなかったそうだ。ところがもうこうこういう鼻を持っている人がいると評判になったので、わざわざ、その貧乏人の息子に頼み来たので、「どんな病気か見なければ分からない。」と言って、その国に行ったが、その鼻の人はどうしたものやらと心配していたと。すると蜘蛛(くも)が化けて来て、「お前さんはとても利く鼻をしているそうだな。俺はどこどこの角にいるが、どうか鼻をそこに向けないでください。」と言ったので、その男は、「いい事を聞いた。」と、その王様の家へ行ったそうだ。屋敷中をくんくんともう鼻で嗅いで、行って、大きな蜘蛛がいたから、それをつかまえて殺してしまったと。するとその王様の病気も治ってよくなったって。そうしているうちにまた外国でも、その話が大げさになりひろまったそうだ。「ああ、自分たちの王様も頼んで、また見てもらおう。」というので、その金持ちの友だちに、「ああ、二回もやったのに、もう一方からも来ている。どうしたらよいか。」と心配して相談すると、その友だちは、「いい考えがある。お前の鼻の先をサッと切ってしまえば、もうお前には誰も頼まなくなる。」と言ったので、鼻の先をサッと切ってしまったと。また、頼みに来る人だたが、「鼻の先を切られたのでもう臭(にお)いを嗅(か)ぐこともできない。俺はだめだ。」と断わったので、それから解放され、今までのお礼で裕福に暮らしたそうな。
| レコード番号 | 47O201891 |
|---|---|
| CD番号 | 47O20C102 |
| 決定題名 | カプツナの話(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 登野貞 |
| 話者名かな | とうのさだ |
| 生年月日 | 19020104 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡竹富町小浜 |
| 記録日 | 19750808 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄県口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 竹富町字小浜T44A10 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 友達,金持ち,貧乏,鼻,蜘蛛 |
| 梗概(こうがい) | 昔友だちが二人いて、一人の友だちはとても金持ちで裕福であったが、もう一人の友だちは大変貧乏で、苦労をしていたそうだ。金持ちの友だちが、「ああ、君を助けてあげよう。」というから、貧乏の友だちは、どんな助け方をしてくれるのかと思っていると、金持ちの友だちは親の金を黙って取って持ってどこかに埋めておくと、「俺がここに金を埋めておくよ。お前にはわかるように印を付けておこう。印のある所をこうこう鼻で、捜しなさいよ。」と貧乏な友だちに言っておいたと。ところが金持ちの家の人々はもう金がないと騒いでいると貧乏な友だちを連れて来て、「ああ、お前は鼻で金を捜すそうだから、どうか捜してください。」と頼んだ。貧乏人の友達は、屋敷中をもうすぐに嗅(か)いで歩き回ると、そのお金を捜し出したので、金持ちの家の親は、「どうもありがとう。あなたのおかげで、このお金は出て来ました。」と言って、お礼をたくさんしたそうだ。そのころ外国の王様がとても重い病気になったそうだ。その病気は、占い師や医者にかかっても、いっこうに治らなかったそうだ。ところがもうこうこういう鼻を持っている人がいると評判になったので、わざわざ、その貧乏人の息子に頼み来たので、「どんな病気か見なければ分からない。」と言って、その国に行ったが、その鼻の人はどうしたものやらと心配していたと。すると蜘蛛(くも)が化けて来て、「お前さんはとても利く鼻をしているそうだな。俺はどこどこの角にいるが、どうか鼻をそこに向けないでください。」と言ったので、その男は、「いい事を聞いた。」と、その王様の家へ行ったそうだ。屋敷中をくんくんともう鼻で嗅いで、行って、大きな蜘蛛がいたから、それをつかまえて殺してしまったと。するとその王様の病気も治ってよくなったって。そうしているうちにまた外国でも、その話が大げさになりひろまったそうだ。「ああ、自分たちの王様も頼んで、また見てもらおう。」というので、その金持ちの友だちに、「ああ、二回もやったのに、もう一方からも来ている。どうしたらよいか。」と心配して相談すると、その友だちは、「いい考えがある。お前の鼻の先をサッと切ってしまえば、もうお前には誰も頼まなくなる。」と言ったので、鼻の先をサッと切ってしまったと。また、頼みに来る人だたが、「鼻の先を切られたのでもう臭(にお)いを嗅(か)ぐこともできない。俺はだめだ。」と断わったので、それから解放され、今までのお礼で裕福に暮らしたそうな。 |
| 全体の記録時間数 | 5:26 |
| 物語の時間数 | 5:00 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |