昔、怠け者がいたと。その怠け者は、その村には、金持ちで美しい娘がいたが、どうしたらその家の婿になれるだろうかと、考えていたと。怠け者は考えたあげく、鷹を捕えて来て、それに提灯を付けて夜になったら、出かけて行って、その家の庭にある木に登って、夜中になったころ、「出て来い。お前たちの家族は、出て来い。」と、その家の人を起こして、「お前たちの娘をどこそこの誰へ嫁がせなかったら、お前たちが、その方を婿にとらなければ、お前たちの家庭はだめになり、娘は死んでしまうぞ。」と言ったそうだ。「それでは、この木から俺は天に登る。見なさい。」と、その怠け者は鷹の足に、提灯を結んで飛ばしたと。鷹はグオーと北の方へ飛んで行ったから、その家の人は本当の神仏だと拝んで、やっと夜が明けるのを待っていて、夜が明けたので、早速その家に行き、「あなたの息子をどうか婿にください。」「いや、怠け者なのであなたの家の婿は勤まらない。」「神様からの命令があったので、ぜひください。」「それなら、婿になりましょう。」と婿になると、その家は裕福になり、金持ちになったそうだ。すると、その男の友人が、「お前はどうして、こんなに裕福な家の婿になったのか。」と尋ねたそうだ。「お前には教えよう。こうこうで烏を捕えて足に提灯を結び、あの家の庭の木に登って、その家族を起こし、おいおい、お前たちの娘にどこそこのほうから、婿をとらなかったら、お前たちのためにはならんと話したんだ。するとそうしますと言って、夜が明けたら、婿をとりに行きますとその家の人は言ったのさ。」と教えてやった。だから、その友達も真似をして、「お前たち、天に登るのを拝みなさい。」と烏に提灯を付け、飛ばそうとしたら、その烏は飛べずに、どさっと落ちたから、まやかしであったことがばれて、叩かれたって。
| レコード番号 | 47O201890 |
|---|---|
| CD番号 | 47O20C102 |
| 決定題名 | タバシルの話(方言) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 登野貞 |
| 話者名かな | とうのさだ |
| 生年月日 | 19020104 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡竹富町小浜 |
| 記録日 | 19750808 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄県口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 竹富町字小浜T44A09 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 鷹,提灯,友人 |
| 梗概(こうがい) | 昔、怠け者がいたと。その怠け者は、その村には、金持ちで美しい娘がいたが、どうしたらその家の婿になれるだろうかと、考えていたと。怠け者は考えたあげく、鷹を捕えて来て、それに提灯を付けて夜になったら、出かけて行って、その家の庭にある木に登って、夜中になったころ、「出て来い。お前たちの家族は、出て来い。」と、その家の人を起こして、「お前たちの娘をどこそこの誰へ嫁がせなかったら、お前たちが、その方を婿にとらなければ、お前たちの家庭はだめになり、娘は死んでしまうぞ。」と言ったそうだ。「それでは、この木から俺は天に登る。見なさい。」と、その怠け者は鷹の足に、提灯を結んで飛ばしたと。鷹はグオーと北の方へ飛んで行ったから、その家の人は本当の神仏だと拝んで、やっと夜が明けるのを待っていて、夜が明けたので、早速その家に行き、「あなたの息子をどうか婿にください。」「いや、怠け者なのであなたの家の婿は勤まらない。」「神様からの命令があったので、ぜひください。」「それなら、婿になりましょう。」と婿になると、その家は裕福になり、金持ちになったそうだ。すると、その男の友人が、「お前はどうして、こんなに裕福な家の婿になったのか。」と尋ねたそうだ。「お前には教えよう。こうこうで烏を捕えて足に提灯を結び、あの家の庭の木に登って、その家族を起こし、おいおい、お前たちの娘にどこそこのほうから、婿をとらなかったら、お前たちのためにはならんと話したんだ。するとそうしますと言って、夜が明けたら、婿をとりに行きますとその家の人は言ったのさ。」と教えてやった。だから、その友達も真似をして、「お前たち、天に登るのを拝みなさい。」と烏に提灯を付け、飛ばそうとしたら、その烏は飛べずに、どさっと落ちたから、まやかしであったことがばれて、叩かれたって。 |
| 全体の記録時間数 | 3:16 |
| 物語の時間数 | 3:09 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |