向こうのコンドイの泳ぎ場所のね、ちょっと北側にまた一つ伝説があるんですよね。昔は、どの家でも山羊を飼っているからね、こちらでは大体八才、九才ごろからの子供らは、学校から帰ってきたら、草を刈ってやることになっていたから、爺っちゃん、婆ちゃんが、「山羊に餌くれたかあ。」って言うんだから、それを刈って持って行って、山羊にくれにって行ってましたよ。ところが、ある子供が向こうのコンドイの方に草を刈りに行ったら、どっちから来たもんかお化けが来てですね、子供を掴んで上に乗せて、ずうっと向
こうに行っ連れて行かれたから、子供は、向こうを見たら、トゥヌキいう木がね、高く見えよったから、「あの木には引っ掛かったら命拾い出来る。」と思って、それを念願して、見てるわけだけど、どんどんその木からはそれていくから、そのデイゴにも掛からずにいたら、今度は、お化けが引き返して、この木の方向に行ったから、ちょど日がちょっと暮れて薄暗い頃に、あの木の枝に引っ掛かって、それを抱いておって、ようやくまあものが考えられるようになったから、「こっちはもうちょっと行けばまあ海に落ちて死ぬべき
だったけど、こっちで、この木を掴まえて命拾いしたからよかった。」と言って、その木から降りて家に帰ったのが夜の九時ごろ行ったもんだから、お母さんは、その子供が、遊びにが行ってやがて帰るだろうと思ってですね、御飯の支度をしよってて、準備して待っておったら、外からもう、子供が帰って来て、「お母さん。」と一言だけ言うて、ワーワー泣くそうですよ。「あんたは、どうしたのか。」と、言っても返事もせんで、後でゆっくりしてから、子供が言ってるのはよ、「山羊の草を刈りに行く途中に、この西側からね
、年寄りの髭もばあっとたらして杖も持っとったお爺さんが来て、いつの間にか、こういうふうにつかまえられて、空に連れて行かれたから、非常に怖かった。」と言ったから、お母さんは、「世の中お化けはないと思うんだけど、それから考えるとお化けはあるんだなあ。」と言って、非常に勉強なったらしいよ。そういう伝説が竹富にはあるから、コンドイの海水浴場に行く途中のちょっと北側に、そのとき子供が抱きついた一本のトゥヌキと言う木が、今でも向こうにありますよ。
・コンドイ‥‥竹富島の西方に位置する。現在、コンドイ浜は海水浴場として賑わう。
| レコード番号 | 47O200391 |
|---|---|
| CD番号 | 47O20C023 |
| 決定題名 | 人さらい神と命拾いの木(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 大山貞雄 |
| 話者名かな | おおやまさだお |
| 生年月日 | 19041107 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡竹富町字竹富 |
| 記録日 | 19950910 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 竹富町字竹富T31A03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 沖国大国文学科平成8度卒業論文 竹富島の民話 p31 |
| キーワード | コンドイ,お化け,トゥヌキ |
| 梗概(こうがい) | 向こうのコンドイの泳ぎ場所のね、ちょっと北側にまた一つ伝説があるんですよね。昔は、どの家でも山羊を飼っているからね、こちらでは大体八才、九才ごろからの子供らは、学校から帰ってきたら、草を刈ってやることになっていたから、爺っちゃん、婆ちゃんが、「山羊に餌くれたかあ。」って言うんだから、それを刈って持って行って、山羊にくれにって行ってましたよ。ところが、ある子供が向こうのコンドイの方に草を刈りに行ったら、どっちから来たもんかお化けが来てですね、子供を掴んで上に乗せて、ずうっと向 こうに行っ連れて行かれたから、子供は、向こうを見たら、トゥヌキいう木がね、高く見えよったから、「あの木には引っ掛かったら命拾い出来る。」と思って、それを念願して、見てるわけだけど、どんどんその木からはそれていくから、そのデイゴにも掛からずにいたら、今度は、お化けが引き返して、この木の方向に行ったから、ちょど日がちょっと暮れて薄暗い頃に、あの木の枝に引っ掛かって、それを抱いておって、ようやくまあものが考えられるようになったから、「こっちはもうちょっと行けばまあ海に落ちて死ぬべき だったけど、こっちで、この木を掴まえて命拾いしたからよかった。」と言って、その木から降りて家に帰ったのが夜の九時ごろ行ったもんだから、お母さんは、その子供が、遊びにが行ってやがて帰るだろうと思ってですね、御飯の支度をしよってて、準備して待っておったら、外からもう、子供が帰って来て、「お母さん。」と一言だけ言うて、ワーワー泣くそうですよ。「あんたは、どうしたのか。」と、言っても返事もせんで、後でゆっくりしてから、子供が言ってるのはよ、「山羊の草を刈りに行く途中に、この西側からね 、年寄りの髭もばあっとたらして杖も持っとったお爺さんが来て、いつの間にか、こういうふうにつかまえられて、空に連れて行かれたから、非常に怖かった。」と言ったから、お母さんは、「世の中お化けはないと思うんだけど、それから考えるとお化けはあるんだなあ。」と言って、非常に勉強なったらしいよ。そういう伝説が竹富にはあるから、コンドイの海水浴場に行く途中のちょっと北側に、そのとき子供が抱きついた一本のトゥヌキと言う木が、今でも向こうにありますよ。 ・コンドイ‥‥竹富島の西方に位置する。現在、コンドイ浜は海水浴場として賑わう。 |
| 全体の記録時間数 | 5:15 |
| 物語の時間数 | 5:11 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |