竹富の六山神(共通語)

概要

ここには六つの御願があるんですよね。山とも言いますけどね、ここではオンと言います。オンには、ここから言うと、玻座間御嶽っていうのがあるよね、ここをウーリャーって言ってますけどね。それから、この仲筋御嶽(さーじおん)、幸本御嶽(こんとぅおん)、久間原御嶽(くまらーおん)、波利若御嶽(ばいやおん)。それから花城御嶽(はなふくおん)と六つあって、神に仕える人もね、六つに別れているよ。神司にもまた一番上の司がいて、二番目の司がいて、三番目の司があるわけだ。ここのオンを拝(うが)む字は、それぞれ一つじゃないかね。そうして、このオンに祀られている方々は、ここでは、村建ての神と言われてますけどね。その先祖の方々は、もう沖縄本島とか久米島とか屋久島とか、ああいうところからの移民として、入り込んで来てるんですよね。
 私なんか、うちの母がもう花城御嶽の神司(かんつかさ)だったからね、私なんか花城御嶽だよ。この花城御嶽の親神は、沖縄本島から来たんじゃないかね。また、幸本御嶽は、久米島か屋久島か本島かどこからかわからないけれども、この竹富にやって来たと。ここには、移民が来てるんですよね。沖縄本島とか、久米島とか屋久島とか、ああいうところから来てるって、人様がよく言うてましたね。渡って来た親神は六人おったけど、その人達も一人じゃなくて、夫婦連れで来るとか、孫なんか連れて来るとか、ちゃんと自分のファーマーを連れて、結局まあ自分の子孫や一族を引き連れて集団で来たんじゃないですか。そうじゃなかったらまた、ここの人をまた身売りしたってことも考えられるわけだね。屋久島の人だったら、ここの人を嫁にして、ファーマーがここで生まれたってことも考えられるわけだね。
 親神の誰が自分はどこから来たってことは、これはもうちゃんと祝詞の中にもちゃんとそれがもう示されてるってことを司なんかは言うてるんですよ。それで、昔、六人の酋長が、もうこうして、それぞれそのシマを建てておったわけだね。それで、親神が六つに分かれて、その親神がそれぞれの子孫(ふぁーま)を増やしたわけさあねえ。そして、これらがもうファーマーを増やしてね、何代からのファーマーが氏子になっているから、もうそのまま六つに分かれてるわけ。そして、それの子孫が、その祖先がちゃんとこの六つのお宮に神様として祀ってるわけだな。だから、このファーマーがやっぱり自分の親の神様をずうっと信じていて、この六つのオンをを支えているのは、このウンヌと言って、氏子っていうんじゃないかな。これがちゃんとおるんですよ。この氏子がこのお宮を守って、年から年中掃除したり、それから豊年祭だとか色々こう祭があるんですよね。あの祭のときも、担当する氏子が、このちゃんと守ってやってるんですね。ま、それで、島は一つで、もう島にこんだけの人口がおるけど、氏子は六つにぴしゃっとみんな分かれてるんですよ。その氏子がもうお宮を支えているんですよね。そして、このお祭をするときにはトゥヌイムトゥっていうとこにこの氏子がみんな集まって、そこで祭りについて協議をし、色々もう祭の計画を立てたりするんですよね。
 私なんかはハナフクだからね、ハナフクの神様のファーマーになってるわけだからね、もうどこに行っても石垣に行っても、沖縄本島に行ってもお盆や豊年祭だとか、いろんな祭があるとですね、そういう時には、本人は来なくてももうちゃんと、お賽銭とかいうのはちゃんと来るんですよね。
・玻座間御嶽(うーりゃおん)‥‥玻座間部落の北の方にある御嶽で、屋久島より渡来したと伝える根原神殿が祀られている。おんは拝ん所の訛音。・仲筋御嶽(さーじおん)‥‥竹富小中学校の西の方にある御嶽で、沖縄本島より渡来した新志花重成が祀られている。・幸本御嶽(こんとおん)‥‥仲筋部落の西にある御嶽で、久米島から渡来した幸本節瓦(こんとぅふちんがーら)殿が祀られている。・久間原御嶽(くまらーおん)‥‥竹富の東方にある御嶽で、沖縄本島より渡来した久間原発金が祀られている。くまーらは竹富島の東に位置するくまーらは地名。・波利若御嶽(ばいやおん)‥‥花城御嶽の南にある御嶽で、徳之島より渡来したと伝える塩川殿が祀られている。・花城御嶽(はなふくおん)‥‥竹富島の東方にある御嶽で、沖縄本島より渡来したと伝える力持ちの他金殿が祀られている。・神司‥‥女神職のこと。既婚、未婚を問わず、女子として十分な教養を身につけ、女としての豊かな経験を積み、氏子の信頼の厚い女子が継承していく。・久米島‥‥沖縄本島那覇の西方一〇〇キロに位置する、仲里村と具志川村を構成する島。・屋久島‥‥鹿児島県大隅諸島に属する島。種子島の南西。屋久杉を産する。・ファーマー‥‥各神々の子孫。・シマ‥‥ここでは血縁的な集落。・ウンヌ‥‥氏子のこと。・氏子‥‥本土では神社の祭祀圏を構成する人々をいう。八重山においては御嶽の祭祀などをする人たちで、八重山の一村落には複数の拝所があり、各拝所に司(つかさ)と呼ばれる女性司祭を頂点とする氏子組織がある。各拝所への氏子の所属は男系原理によって、すなわち子供は父親と同じ氏子へ、妻は夫の氏子というのが普通だが、竹富島では、妻の場合には誕生した拝所の祭祀に属する。・トゥヌイムトゥ‥‥お祭りの準備をする所。六山の六つの御嶽にはそれぞれ、トゥヌイムトゥがある。・豊年祭‥‥五穀豊穣を神に感謝する祈願祭。八重山諸島では六月下旬に行うプー
ルィと呼ぶ祭りと八、九月に行う結願(きぃつがん)や一○月に行う種子取の奉納芸能も含めて呼ぶ。

再生時間:11:50

民話詳細DATA

レコード番号 47O200374
CD番号 47O20C022
決定題名 竹富の六山神(共通語)
話者がつけた題名
話者名 河上親雄
話者名かな かわかみしんゆう
生年月日 19140102
性別
出身地 沖縄県八重山郡竹富町字竹富
記録日 19950910
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 竹富町字竹富T29B03
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 沖国大国文学科平成8度卒業論文 竹富島の民話 p3
キーワード 御嶽(オン),久米島,屋久島
梗概(こうがい) ここには六つの御願があるんですよね。山とも言いますけどね、ここではオンと言います。オンには、ここから言うと、玻座間御嶽っていうのがあるよね、ここをウーリャーって言ってますけどね。それから、この仲筋御嶽(さーじおん)、幸本御嶽(こんとぅおん)、久間原御嶽(くまらーおん)、波利若御嶽(ばいやおん)。それから花城御嶽(はなふくおん)と六つあって、神に仕える人もね、六つに別れているよ。神司にもまた一番上の司がいて、二番目の司がいて、三番目の司があるわけだ。ここのオンを拝(うが)む字は、それぞれ一つじゃないかね。そうして、このオンに祀られている方々は、ここでは、村建ての神と言われてますけどね。その先祖の方々は、もう沖縄本島とか久米島とか屋久島とか、ああいうところからの移民として、入り込んで来てるんですよね。  私なんか、うちの母がもう花城御嶽の神司(かんつかさ)だったからね、私なんか花城御嶽だよ。この花城御嶽の親神は、沖縄本島から来たんじゃないかね。また、幸本御嶽は、久米島か屋久島か本島かどこからかわからないけれども、この竹富にやって来たと。ここには、移民が来てるんですよね。沖縄本島とか、久米島とか屋久島とか、ああいうところから来てるって、人様がよく言うてましたね。渡って来た親神は六人おったけど、その人達も一人じゃなくて、夫婦連れで来るとか、孫なんか連れて来るとか、ちゃんと自分のファーマーを連れて、結局まあ自分の子孫や一族を引き連れて集団で来たんじゃないですか。そうじゃなかったらまた、ここの人をまた身売りしたってことも考えられるわけだね。屋久島の人だったら、ここの人を嫁にして、ファーマーがここで生まれたってことも考えられるわけだね。  親神の誰が自分はどこから来たってことは、これはもうちゃんと祝詞の中にもちゃんとそれがもう示されてるってことを司なんかは言うてるんですよ。それで、昔、六人の酋長が、もうこうして、それぞれそのシマを建てておったわけだね。それで、親神が六つに分かれて、その親神がそれぞれの子孫(ふぁーま)を増やしたわけさあねえ。そして、これらがもうファーマーを増やしてね、何代からのファーマーが氏子になっているから、もうそのまま六つに分かれてるわけ。そして、それの子孫が、その祖先がちゃんとこの六つのお宮に神様として祀ってるわけだな。だから、このファーマーがやっぱり自分の親の神様をずうっと信じていて、この六つのオンをを支えているのは、このウンヌと言って、氏子っていうんじゃないかな。これがちゃんとおるんですよ。この氏子がこのお宮を守って、年から年中掃除したり、それから豊年祭だとか色々こう祭があるんですよね。あの祭のときも、担当する氏子が、このちゃんと守ってやってるんですね。ま、それで、島は一つで、もう島にこんだけの人口がおるけど、氏子は六つにぴしゃっとみんな分かれてるんですよ。その氏子がもうお宮を支えているんですよね。そして、このお祭をするときにはトゥヌイムトゥっていうとこにこの氏子がみんな集まって、そこで祭りについて協議をし、色々もう祭の計画を立てたりするんですよね。  私なんかはハナフクだからね、ハナフクの神様のファーマーになってるわけだからね、もうどこに行っても石垣に行っても、沖縄本島に行ってもお盆や豊年祭だとか、いろんな祭があるとですね、そういう時には、本人は来なくてももうちゃんと、お賽銭とかいうのはちゃんと来るんですよね。 ・玻座間御嶽(うーりゃおん)‥‥玻座間部落の北の方にある御嶽で、屋久島より渡来したと伝える根原神殿が祀られている。おんは拝ん所の訛音。・仲筋御嶽(さーじおん)‥‥竹富小中学校の西の方にある御嶽で、沖縄本島より渡来した新志花重成が祀られている。・幸本御嶽(こんとおん)‥‥仲筋部落の西にある御嶽で、久米島から渡来した幸本節瓦(こんとぅふちんがーら)殿が祀られている。・久間原御嶽(くまらーおん)‥‥竹富の東方にある御嶽で、沖縄本島より渡来した久間原発金が祀られている。くまーらは竹富島の東に位置するくまーらは地名。・波利若御嶽(ばいやおん)‥‥花城御嶽の南にある御嶽で、徳之島より渡来したと伝える塩川殿が祀られている。・花城御嶽(はなふくおん)‥‥竹富島の東方にある御嶽で、沖縄本島より渡来したと伝える力持ちの他金殿が祀られている。・神司‥‥女神職のこと。既婚、未婚を問わず、女子として十分な教養を身につけ、女としての豊かな経験を積み、氏子の信頼の厚い女子が継承していく。・久米島‥‥沖縄本島那覇の西方一〇〇キロに位置する、仲里村と具志川村を構成する島。・屋久島‥‥鹿児島県大隅諸島に属する島。種子島の南西。屋久杉を産する。・ファーマー‥‥各神々の子孫。・シマ‥‥ここでは血縁的な集落。・ウンヌ‥‥氏子のこと。・氏子‥‥本土では神社の祭祀圏を構成する人々をいう。八重山においては御嶽の祭祀などをする人たちで、八重山の一村落には複数の拝所があり、各拝所に司(つかさ)と呼ばれる女性司祭を頂点とする氏子組織がある。各拝所への氏子の所属は男系原理によって、すなわち子供は父親と同じ氏子へ、妻は夫の氏子というのが普通だが、竹富島では、妻の場合には誕生した拝所の祭祀に属する。・トゥヌイムトゥ‥‥お祭りの準備をする所。六山の六つの御嶽にはそれぞれ、トゥヌイムトゥがある。・豊年祭‥‥五穀豊穣を神に感謝する祈願祭。八重山諸島では六月下旬に行うプー ルィと呼ぶ祭りと八、九月に行う結願(きぃつがん)や一○月に行う種子取の奉納芸能も含めて呼ぶ。
全体の記録時間数 12:10
物語の時間数 11:50
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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