安里クヤマ(共通語)

概要

元はですね、この琉球の土地はですね、全部この王府の土地だったんですよね、だから、この王府の土地をですね、今度はもう民百姓に分けようということで、結局もうこの王府から役人たちがこの島に来たわけですよね。そして、この安里屋(あさとぅやー)には、ずうっと先祖代々美人がよく生まれたらしいですよね、そいで、この役人は、一番上はもう目差主(ミジャシー)だからよ。言うたらその役は今で言う村長だろうね。そういう人が来て、ここの土地をみんな分配しようということになったんでしょうね。そしたら、
賄い婦をここではマーナイチって言うんですがね、このクヤマーがこの、マーナイチになってね、この役人なんかに仕えたわけですよね。役人らは自分の家族を離れて来てるんですからね、このマーナイはまた同時にですね、もう現地妻でもあったわけさ。昔の人はよくそういうことをやりよったんだがね。だから、この制度ってのは、もう女の人たちにはもう本当に苦難な制度だったんだろうな。そしたら、この目差主の下の役人がですね、この女に恋するわけ。クヤマーは、もう百姓の娘だからね、結局役人の妻では、もうこれはもうどうしても首里にはついて行けないはずだからっていうことで、非常に強く蹴るわけだね。「ああ、私はもう百姓妻で、あなたが帰るときには、ついて行けないから断ります。」ということ、蹴るわけだ。そしたら、「そこにいいところがある。竹富の女は非常に貞操観念が強い。」ちゅうわけで、女の鏡として今も非常に大事にされてるわけさあね。そしてこの女にはですね、この王府の役人に長い間仕えたということで、「一番あんた何が欲しいか。」と言ったらですね、「やっぱり百姓の娘だから土地が欲しい。」って言うと、学校の東隣の一番竹富で上等なところの土地をですね、これにもう褒美として与えるんですよ。まあだこの役人から貰った土地があるんですよね。で、そこにちゃんと祠があるわけ。そこで、ここの先祖なんかに、お願いをしてるんですよね。この学校の東の方の土地は、今はもうここで農業する人はあまりいないから、実芭蕉を植えてあるような話だな。
・安里クヤマ‥‥一七二二年(享保七年)尚敬王時代に竹富島玻座真村安里家に生まれ、明暦の一七九九年(嘉慶四年)尚温王時代に七八歳の高齢で亡くなった。一六歳の時に、首里から役人が来た。その中の目差主に賄女になるように言われたが断った。・目差主‥‥目差(めざし)。「目指」とも書き、古琉球、近世及び近代の初期まで存続した島嶼(とうしょ)、地方(じかた)に設置された役職の一つ。古琉球の目差については奄美地方、沖縄本島北部地方、宮古、八重山などに設置され、シマ(近世の村)名を冠して〈‥‥目差〉と称し、シマ統治の現場役人としての性格を有するものであったと思われる士族出身の五階級役職の一つ。一位が大首里大屋子、二位が首里大屋子、三位が与人、四位が目差、五位が若文子、そして、下役と続く。・マーナイチ‥‥賄女のこと。当時は現地妻の役目もしていた。・実芭蕉‥‥匂いがいいバナナ。台湾から伝わったとされる、沖縄の各地で見られるバナナ。・クヤマが貰った土地‥‥竹富小中学校の近く。通道(トゥンドー)の屋敷のところ。・記念日の願い‥‥屋敷の中に祠があって、親戚が集まり拝みをする。

再生時間:7:00

民話詳細DATA

レコード番号 47O200370
CD番号 47O20C022
決定題名 安里クヤマ(共通語)
話者がつけた題名
話者名 河上親雄
話者名かな かわかみしんゆう
生年月日 19140102
性別
出身地 沖縄県八重山郡竹富町字竹富
記録日 19950910
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 竹富町字竹富T29A8
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 沖国大国文学科平成8度卒業論文 竹富島の民話 p64
キーワード 美人,目差主
梗概(こうがい) 元はですね、この琉球の土地はですね、全部この王府の土地だったんですよね、だから、この王府の土地をですね、今度はもう民百姓に分けようということで、結局もうこの王府から役人たちがこの島に来たわけですよね。そして、この安里屋(あさとぅやー)には、ずうっと先祖代々美人がよく生まれたらしいですよね、そいで、この役人は、一番上はもう目差主(ミジャシー)だからよ。言うたらその役は今で言う村長だろうね。そういう人が来て、ここの土地をみんな分配しようということになったんでしょうね。そしたら、 賄い婦をここではマーナイチって言うんですがね、このクヤマーがこの、マーナイチになってね、この役人なんかに仕えたわけですよね。役人らは自分の家族を離れて来てるんですからね、このマーナイはまた同時にですね、もう現地妻でもあったわけさ。昔の人はよくそういうことをやりよったんだがね。だから、この制度ってのは、もう女の人たちにはもう本当に苦難な制度だったんだろうな。そしたら、この目差主の下の役人がですね、この女に恋するわけ。クヤマーは、もう百姓の娘だからね、結局役人の妻では、もうこれはもうどうしても首里にはついて行けないはずだからっていうことで、非常に強く蹴るわけだね。「ああ、私はもう百姓妻で、あなたが帰るときには、ついて行けないから断ります。」ということ、蹴るわけだ。そしたら、「そこにいいところがある。竹富の女は非常に貞操観念が強い。」ちゅうわけで、女の鏡として今も非常に大事にされてるわけさあね。そしてこの女にはですね、この王府の役人に長い間仕えたということで、「一番あんた何が欲しいか。」と言ったらですね、「やっぱり百姓の娘だから土地が欲しい。」って言うと、学校の東隣の一番竹富で上等なところの土地をですね、これにもう褒美として与えるんですよ。まあだこの役人から貰った土地があるんですよね。で、そこにちゃんと祠があるわけ。そこで、ここの先祖なんかに、お願いをしてるんですよね。この学校の東の方の土地は、今はもうここで農業する人はあまりいないから、実芭蕉を植えてあるような話だな。 ・安里クヤマ‥‥一七二二年(享保七年)尚敬王時代に竹富島玻座真村安里家に生まれ、明暦の一七九九年(嘉慶四年)尚温王時代に七八歳の高齢で亡くなった。一六歳の時に、首里から役人が来た。その中の目差主に賄女になるように言われたが断った。・目差主‥‥目差(めざし)。「目指」とも書き、古琉球、近世及び近代の初期まで存続した島嶼(とうしょ)、地方(じかた)に設置された役職の一つ。古琉球の目差については奄美地方、沖縄本島北部地方、宮古、八重山などに設置され、シマ(近世の村)名を冠して〈‥‥目差〉と称し、シマ統治の現場役人としての性格を有するものであったと思われる士族出身の五階級役職の一つ。一位が大首里大屋子、二位が首里大屋子、三位が与人、四位が目差、五位が若文子、そして、下役と続く。・マーナイチ‥‥賄女のこと。当時は現地妻の役目もしていた。・実芭蕉‥‥匂いがいいバナナ。台湾から伝わったとされる、沖縄の各地で見られるバナナ。・クヤマが貰った土地‥‥竹富小中学校の近く。通道(トゥンドー)の屋敷のところ。・記念日の願い‥‥屋敷の中に祠があって、親戚が集まり拝みをする。
全体の記録時間数 7:11
物語の時間数 7:00
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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