不吉な雲雀(共通語)

概要

雲雀もね、野原でばっかり鳴いて、部落の方へ鳴いて来なかったんですよ。で、この部落の上にこう鳴いて来るとね、不幸があると言ったんですよ。それがとってもよく当たっておったんです。私の家はすぐあそこなんですがね。私が高校一年ぐらいのときだったでしょうか。昼ね、ちょっとお母さんと一緒に横になって、お母さんの白髪を取っとったらね、向こうからチンチン、チンチンと鳴いて雲雀が来たんですよ。
 そしたら、家のすぐ、ちょうどこの裏の方になるんですがね、そこの上をずうっと飛んでね、向こうに飛んで行ったんですよ。そしたら、家のお母さんが、「気持ち悪いね、何でこっちにこれが飛んで来てるか。」と言うから、「お母さん、何でこれが飛んだらいけないの。」って言って、私が聞いたら、お母さんは、「あれが飛んで来ると、不吉なのさ。」と言っているうちに雲雀がね、西のあっちの家の方に飛んで行くさ。そしたら、一週間しないうちにね、そこの西の家のお兄さんが、今生きていたら、八十ぐらいになってる人でしょうかね。あの人がね、急に港で、舟の事故で亡くなっちゃったの。昔、あの竹富の港の方にね、汽船が来ると、汽船はこっちの岸には着けないから、その汽船と港との間はね、こんな小さい船で運んでね、島に荷物下ろしたりしていたみたいです。それで、内地からの湖南丸だったかな、あんなのが入って来たから、こっちの兄さんが、そこに行って、荷下ろしをしていたら、その船が沖縄の方に出て行くらしいですね。船が出て行く時には、もうすーとスクリュウというんですか、これがフャーと回るんですよ。そんで、こ
の兄さんは、その汽船の後ろの方で、荷下ろしの小さい舟に乗ってた乗ってたみたいですね。この小さい汽船のポンポン船でもよ、出て行くときにスクリュウがフャーと回ると水は渦巻くから、こっちの兄さんともう一人の人が一緒に乗った舟は、そんなのに巻き込まれたらしいよ。それで、その小舟が海の中に巻き込まれて行ったんだけどね、一人のおじさんはふっと浮いてからすっと助けたらしいが、もう一人のこのお兄さんはね、浮いて来ない。もう一週間探したけど、その人は出て来ないで船はぷんと浮いたらしいですね。それで、この人はとうとう見つからないで、骨もないからみんな石ころ持って来たお葬式をしたらしいですね。そしたらね、母もね、「はあ、あのときチンチナーが鳴いたから、不幸があったんだ。」と言っていたのが、私は、未だにそれが忘れられなくてね。
・ポンポン船‥‥蒸気船のこと。蒸気機関の動力で運転するふね。汽船。

再生時間:3:23

民話詳細DATA

レコード番号 47O200319
CD番号 47O20C019
決定題名 不吉な雲雀(共通語)
話者がつけた題名
話者名 細原千代
話者名かな ほそはらちよ
生年月日 19200124
性別
出身地 沖縄県八重山郡竹富町字竹富
記録日 19950910
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 竹富町字竹富T26A06
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 世間話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 沖国大国文学科平成8度卒業論文 竹富島の民話 p33
キーワード 船の事故
梗概(こうがい) 雲雀もね、野原でばっかり鳴いて、部落の方へ鳴いて来なかったんですよ。で、この部落の上にこう鳴いて来るとね、不幸があると言ったんですよ。それがとってもよく当たっておったんです。私の家はすぐあそこなんですがね。私が高校一年ぐらいのときだったでしょうか。昼ね、ちょっとお母さんと一緒に横になって、お母さんの白髪を取っとったらね、向こうからチンチン、チンチンと鳴いて雲雀が来たんですよ。  そしたら、家のすぐ、ちょうどこの裏の方になるんですがね、そこの上をずうっと飛んでね、向こうに飛んで行ったんですよ。そしたら、家のお母さんが、「気持ち悪いね、何でこっちにこれが飛んで来てるか。」と言うから、「お母さん、何でこれが飛んだらいけないの。」って言って、私が聞いたら、お母さんは、「あれが飛んで来ると、不吉なのさ。」と言っているうちに雲雀がね、西のあっちの家の方に飛んで行くさ。そしたら、一週間しないうちにね、そこの西の家のお兄さんが、今生きていたら、八十ぐらいになってる人でしょうかね。あの人がね、急に港で、舟の事故で亡くなっちゃったの。昔、あの竹富の港の方にね、汽船が来ると、汽船はこっちの岸には着けないから、その汽船と港との間はね、こんな小さい船で運んでね、島に荷物下ろしたりしていたみたいです。それで、内地からの湖南丸だったかな、あんなのが入って来たから、こっちの兄さんが、そこに行って、荷下ろしをしていたら、その船が沖縄の方に出て行くらしいですね。船が出て行く時には、もうすーとスクリュウというんですか、これがフャーと回るんですよ。そんで、こ の兄さんは、その汽船の後ろの方で、荷下ろしの小さい舟に乗ってた乗ってたみたいですね。この小さい汽船のポンポン船でもよ、出て行くときにスクリュウがフャーと回ると水は渦巻くから、こっちの兄さんともう一人の人が一緒に乗った舟は、そんなのに巻き込まれたらしいよ。それで、その小舟が海の中に巻き込まれて行ったんだけどね、一人のおじさんはふっと浮いてからすっと助けたらしいが、もう一人のこのお兄さんはね、浮いて来ない。もう一週間探したけど、その人は出て来ないで船はぷんと浮いたらしいですね。それで、この人はとうとう見つからないで、骨もないからみんな石ころ持って来たお葬式をしたらしいですね。そしたらね、母もね、「はあ、あのときチンチナーが鳴いたから、不幸があったんだ。」と言っていたのが、私は、未だにそれが忘れられなくてね。 ・ポンポン船‥‥蒸気船のこと。蒸気機関の動力で運転するふね。汽船。
全体の記録時間数 3:39
物語の時間数 3:23
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

トップに戻る

TOP