遠い畑でね、牛が死んでおったらしいんですよね。もうやっぱりこういうことになると烏は空いっぱいなりながら騒ぐでしょう。だから、烏は、もうもう見つけた烏が先に行って、取るんじゃなくて、もう烏がびっくりして向こうでわいわい騒いでいて、その後、もう若い者はどんどん、どんどん集中して飛んで行くらしい。で、老烏は、ゆっくり後で行こうと思ってね、この年取った老烏(ウイガラシー)はね、頭がいいから、烏の若者に、「ええ、おい、この角だけは牛の角は一番美味しいものがあるんだから、あんたら、これはもう牛の角だけは、つっ突いて食べてはいかんよ。残しておきなさいよ。」と言ったら、もう若造らは知らんもんだから、「牛の角にね、いいのあるらしいよ。」というふうに、だんだん伝えたらしいんですよね。
それで先に着いた若い烏が、「この角の中に何かいいのがあるんだな。これから先に食べよう。」と思ってから、みんな牛の角にたかって、何回も自分の嘴でつんつんしたけど、けれどなかなか角っていうのは折れないから、ただ一生懸命頑張っておった。そうして、若い烏がばたばたばたばたしておる間に、もう大きい年取った烏が悠々として、ぱーと飛んで来て、牛の目ん玉をばらっとって食べて、「目ん玉から取って食べたから、後はあんたら食べなさい。」と言ったそうだ。だから、その時になって、若い烏達は騙されたと勘づいて、「年取った烏にはもうやっぱり適わない。」と言ったらしい。
それで、烏だけでなく人間でも未経験者は年寄りにはかなわないというそのいわれを教えるために、「やっぱり年取った者には適わない。」と、いう言葉が出たらしいんです。烏は、目ん玉が一番もう美味しいって、動物の物はすぐ目ん玉から取るらしいんですね。烏はですね、山羊の子であろうと何だろうとね、すぐ目ん玉をつつくわけですよ。だから、子山羊が出来た時も、やっぱり囲って大事にせんと、すぐ烏に目ん玉が取られる。もう烏に取っては一番この目ん玉がもう大好物の美味しいものです。ぐーっと嘴で突いて、つっと取れるはずだから、取りやすいんでしょうね。烏にはそんな悪知恵があるから、やっぱりねえ、我々が昔は畑に弁当持って行ってもちょっと離れたら、烏がね、弁当を全部持って行きよったよ。
| レコード番号 | 47O200296 |
|---|---|
| CD番号 | 47O20C017 |
| 決定題名 | 老烏の知恵(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 赤山喜介 |
| 話者名かな | あかやまきすけ |
| 生年月日 | 19190420 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡竹富町字竹富 |
| 記録日 | 19950322 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 竹富町字竹富T07A10 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 動物昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 沖国大国文学科平成8度卒業論文 竹富島の民話 p92 |
| キーワード | 牛の角,目,かなわない,弁当 |
| 梗概(こうがい) | 遠い畑でね、牛が死んでおったらしいんですよね。もうやっぱりこういうことになると烏は空いっぱいなりながら騒ぐでしょう。だから、烏は、もうもう見つけた烏が先に行って、取るんじゃなくて、もう烏がびっくりして向こうでわいわい騒いでいて、その後、もう若い者はどんどん、どんどん集中して飛んで行くらしい。で、老烏は、ゆっくり後で行こうと思ってね、この年取った老烏(ウイガラシー)はね、頭がいいから、烏の若者に、「ええ、おい、この角だけは牛の角は一番美味しいものがあるんだから、あんたら、これはもう牛の角だけは、つっ突いて食べてはいかんよ。残しておきなさいよ。」と言ったら、もう若造らは知らんもんだから、「牛の角にね、いいのあるらしいよ。」というふうに、だんだん伝えたらしいんですよね。 それで先に着いた若い烏が、「この角の中に何かいいのがあるんだな。これから先に食べよう。」と思ってから、みんな牛の角にたかって、何回も自分の嘴でつんつんしたけど、けれどなかなか角っていうのは折れないから、ただ一生懸命頑張っておった。そうして、若い烏がばたばたばたばたしておる間に、もう大きい年取った烏が悠々として、ぱーと飛んで来て、牛の目ん玉をばらっとって食べて、「目ん玉から取って食べたから、後はあんたら食べなさい。」と言ったそうだ。だから、その時になって、若い烏達は騙されたと勘づいて、「年取った烏にはもうやっぱり適わない。」と言ったらしい。 それで、烏だけでなく人間でも未経験者は年寄りにはかなわないというそのいわれを教えるために、「やっぱり年取った者には適わない。」と、いう言葉が出たらしいんです。烏は、目ん玉が一番もう美味しいって、動物の物はすぐ目ん玉から取るらしいんですね。烏はですね、山羊の子であろうと何だろうとね、すぐ目ん玉をつつくわけですよ。だから、子山羊が出来た時も、やっぱり囲って大事にせんと、すぐ烏に目ん玉が取られる。もう烏に取っては一番この目ん玉がもう大好物の美味しいものです。ぐーっと嘴で突いて、つっと取れるはずだから、取りやすいんでしょうね。烏にはそんな悪知恵があるから、やっぱりねえ、我々が昔は畑に弁当持って行ってもちょっと離れたら、烏がね、弁当を全部持って行きよったよ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:38 |
| 物語の時間数 | 3:23 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |