昔、黒島の人で西表島に稲作りに行って、家に帰る途中で、もう高い波があって、舟も壊れてしまって流れてたところ、海の中を木の枝が流れて来たので、それに乗ってずうっと向こうのパイ波照間というところまで流されたそうだ。それで、亀なんかの身を食べたり、その島に何か作って食べておって、長らく暮らしているうちに、夢を見たところが、「お前を助けに船が向かって来るから、必ず明日の朝早く海岸に来なさい。」ということで、その夢を何回も見たので、夢の中とは思っておるけれども、翌朝、もう海岸に来たら、鱶が海岸の浦に来ておったので、「これは珍しいね。」と思って、そのフカの後ろに乗ったら、ぐうっと落ちないで黒島まで来て、黒島の南の方に自然に連れてきて、鱶はその人をそこに置いていったので、ある人が潮干狩に行って、その人を見たら、長らくなるので髪の毛がなくて、髪もたあくさん伸ばしているから、潮干狩に行っていた人は、ようやく分かって、「人間とは思われない。神様がおったと思ったけど。あんただったのか。」と言って、その家に連れて来たそうです。
それが首里城まで聞こえて、首里城に呼ばれて、首里城の王様にも会ってまた黒島に帰って来ると、そのうちに、ある人がフカを石垣から捕ってきたから、それをおかずにと思って奥さんが家の外に置いてあったそうです。そしたら、この人は、「鱶は、命の恩人だから食うのは絶対禁じる。」と言って、それからは、鱶は食べなかったそうです。
・多良間真牛‥‥黒島に生まれたとされ、黒島ではよく伝わっているお話である。
| レコード番号 | 47O200177 |
|---|---|
| CD番号 | 47O20C010 |
| 決定題名 | 多良間真牛(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 大山功 |
| 話者名かな | おおさんこう |
| 生年月日 | 18921025 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡竹富町字竹富 |
| 記録日 | 19750807 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 竹富町字竹富T41B1 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | むかし |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 沖国大国文学科平成8度卒業論文 竹富島の民話 p68 |
| キーワード | 西表島,黒島,パイ波照間,鱶 |
| 梗概(こうがい) | 昔、黒島の人で西表島に稲作りに行って、家に帰る途中で、もう高い波があって、舟も壊れてしまって流れてたところ、海の中を木の枝が流れて来たので、それに乗ってずうっと向こうのパイ波照間というところまで流されたそうだ。それで、亀なんかの身を食べたり、その島に何か作って食べておって、長らく暮らしているうちに、夢を見たところが、「お前を助けに船が向かって来るから、必ず明日の朝早く海岸に来なさい。」ということで、その夢を何回も見たので、夢の中とは思っておるけれども、翌朝、もう海岸に来たら、鱶が海岸の浦に来ておったので、「これは珍しいね。」と思って、そのフカの後ろに乗ったら、ぐうっと落ちないで黒島まで来て、黒島の南の方に自然に連れてきて、鱶はその人をそこに置いていったので、ある人が潮干狩に行って、その人を見たら、長らくなるので髪の毛がなくて、髪もたあくさん伸ばしているから、潮干狩に行っていた人は、ようやく分かって、「人間とは思われない。神様がおったと思ったけど。あんただったのか。」と言って、その家に連れて来たそうです。 それが首里城まで聞こえて、首里城に呼ばれて、首里城の王様にも会ってまた黒島に帰って来ると、そのうちに、ある人がフカを石垣から捕ってきたから、それをおかずにと思って奥さんが家の外に置いてあったそうです。そしたら、この人は、「鱶は、命の恩人だから食うのは絶対禁じる。」と言って、それからは、鱶は食べなかったそうです。 ・多良間真牛‥‥黒島に生まれたとされ、黒島ではよく伝わっているお話である。 |
| 全体の記録時間数 | 3:52 |
| 物語の時間数 | 3:30 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |