大昔、ある部落に、二人の漁師がおったそうです。そして、仲良くして海に潮干狩にと来たところが、まだ干潮にならないので、干潮になるまでと漂流物の流れた木、二人は枕して寝たそうです。眠っておったら、海からニーランという神がいらっしゃって、「おい、私は、この村に二人の子が今晩生まれるから、私と一緒に部落に行って、生まれた子供の位をつけに行こう。」と言ったところが、その寄り木の神は、「私は、今晩、二人の人間が私を枕にしておって行けないから、あんた一人でいらっしゃって下さい。」と頼まれ
たそうです。そしたら、ニーラン神は、「じゃあ、それじゃ私一人行こう。」と言うてね、部落に行ってみたら、二ヶ所でお産があったそうです。そして一人は男、一人は女が生まれたのでね、男にはね、石太鼓の石一個の位をつけ、女には米一升の位をつけて戻って来て、またニーラン神が寄り木の神に、「男には石太鼓の石一個の位、女には米一升の位をつけたよ。」と話したそうだ。
その枕にして寝ておった男同志は、自分の家内が妊娠して、産む時期になっとったと。二人がそうしたところで、「もうそれじゃ、今晩は我らは潮、蛸を捕りには行かないで家に帰ろう。」と言って、帰ったところが、この男の妻は男、一人の家は女の子産んであったらしい。そして、「成長して太くなったら我ら二人の子供を夫婦になそう。」という話がうまくまとまってね、後ではその二人が夫婦になったらしい。
そしたら、もう男の子の方は、もう石太鼓の石一個の位といったから、石太鼓はとても銭は儲けるし、もう女の方は、米一升の位をつけた者だから、あれは米そうとうまで使うのでね、夫婦として、もう非常に裕福な暮らしをやっておった。ところが、あいにくその子供は早く亡くなられていたそうです。なぜあまり早く死んだかねと思ったら、昔ね、竹富では、同じ日にお産をすることをシラウチャーと言って、その家に行ったりすると、命を交換ことになるから、子供が早死にしたりしてあまりよくなかったそうです。そうであったから、竹富では、もう子供の出産の時はね、軒下にシュウレン縄というのを綯ってきて引っ張って人もあまり出入りはさせないようになったそうです。
・ニーラン神‥‥ニーランとは海の彼方という意味。・シラウチャー‥‥同じ夜に生まれた子どものことを竹富島では「しらうちゃあし」と言う。・シュウレン縄‥‥注連縄のこと。
| レコード番号 | 47O200171 |
|---|---|
| CD番号 | 47O20C010 |
| 決定題名 | 寄り木の神とニーラン神(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 大山功 |
| 話者名かな | おおさんこう |
| 生年月日 | 18921025 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡竹富町字竹富 |
| 記録日 | 19750807 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 竹富町字竹富T39B4 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | おおむかし |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 沖国大国文学科平成8度卒業論文 竹富島の民話 p72 |
| キーワード | 漁師,枕,子供,夫婦,シラウチャー,シュウレン縄 |
| 梗概(こうがい) | 大昔、ある部落に、二人の漁師がおったそうです。そして、仲良くして海に潮干狩にと来たところが、まだ干潮にならないので、干潮になるまでと漂流物の流れた木、二人は枕して寝たそうです。眠っておったら、海からニーランという神がいらっしゃって、「おい、私は、この村に二人の子が今晩生まれるから、私と一緒に部落に行って、生まれた子供の位をつけに行こう。」と言ったところが、その寄り木の神は、「私は、今晩、二人の人間が私を枕にしておって行けないから、あんた一人でいらっしゃって下さい。」と頼まれ たそうです。そしたら、ニーラン神は、「じゃあ、それじゃ私一人行こう。」と言うてね、部落に行ってみたら、二ヶ所でお産があったそうです。そして一人は男、一人は女が生まれたのでね、男にはね、石太鼓の石一個の位をつけ、女には米一升の位をつけて戻って来て、またニーラン神が寄り木の神に、「男には石太鼓の石一個の位、女には米一升の位をつけたよ。」と話したそうだ。 その枕にして寝ておった男同志は、自分の家内が妊娠して、産む時期になっとったと。二人がそうしたところで、「もうそれじゃ、今晩は我らは潮、蛸を捕りには行かないで家に帰ろう。」と言って、帰ったところが、この男の妻は男、一人の家は女の子産んであったらしい。そして、「成長して太くなったら我ら二人の子供を夫婦になそう。」という話がうまくまとまってね、後ではその二人が夫婦になったらしい。 そしたら、もう男の子の方は、もう石太鼓の石一個の位といったから、石太鼓はとても銭は儲けるし、もう女の方は、米一升の位をつけた者だから、あれは米そうとうまで使うのでね、夫婦として、もう非常に裕福な暮らしをやっておった。ところが、あいにくその子供は早く亡くなられていたそうです。なぜあまり早く死んだかねと思ったら、昔ね、竹富では、同じ日にお産をすることをシラウチャーと言って、その家に行ったりすると、命を交換ことになるから、子供が早死にしたりしてあまりよくなかったそうです。そうであったから、竹富では、もう子供の出産の時はね、軒下にシュウレン縄というのを綯ってきて引っ張って人もあまり出入りはさせないようになったそうです。 ・ニーラン神‥‥ニーランとは海の彼方という意味。・シラウチャー‥‥同じ夜に生まれた子どものことを竹富島では「しらうちゃあし」と言う。・シュウレン縄‥‥注連縄のこと。 |
| 全体の記録時間数 | 5:01 |
| 物語の時間数 | 4:31 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |