子育て幽霊(共通語)

概要

沖縄のある所に菓子屋の婆さんがいた。この婆さんの菓子屋へ夜の日が暮れるころ、必ず同じ時間に大変きれいな女が菓子を買いにやって来るので、この婆さんは大変不思議に思っていた。銭は受け取るのだが、銭入れの箱にこの婆さんが入れて、翌日見たら紙銭がまるくなっている。「これは銭ではないが不思議なものだ。このようなものが入っているのだが、どこからこのようなものが入り込んだのだろう。」と取って置いた。その翌日、三日、四日とこのようなことが六日間続いたので、「これは不思議だ。どこからこのような紙の銭が出て来るのだろうか。例の女ではないだろうか。」と考え、夜になると隣りに遊びに来る青年に、「こんなことがあるのだが、あんたたちは不思議でないか。」と言うと、「それは、不思議だ。」「今日もその女は来るはずだから、この女がどこに帰るのか行方をあんたたちは後を追って見てくれ。」「へえ、それは面白い。そんならみんなでその後を追いかけよう。」とその夜待っていると、女はやって来た。菓子を買って出て行ったので、その婆さんは目くばせをした。この青年たちは、後から追って行くと女は村へは行かずに野原へと行った。女は薄の中をはやくどんどん歩いて行き、一人で墓の中へ入ってしまった。「ああ、これは生きた人間ではなく死んだ人だ。これは幽霊だ。」とそこに戻って、こうこうだったとその婆さんに話をすると、「ああ、この墓の家では一週間前に嫁が死んだが、その人の魂でないか。」と言ったら、その夫が聞いて、「それが事実なら不思議だ。」と墓の口を開けてみると、妊娠して出産の月になって死んだらしく、墓の中には赤ちゃんがいて、その赤ちゃんに食べさせるために、女の幽霊は菓子を買っていたらしい。
①沖縄‥‥沖縄本島のこと。②紙銭‥‥打ち紙のことで、あの世のお金とされている。人が亡くなったときやお盆の祖霊送りのときなどにその紙を燃やす。

再生時間:4:45

民話詳細DATA

レコード番号 47O200100
CD番号 47O20C007
決定題名 子育て幽霊(共通語)
話者がつけた題名
話者名 与那国清介
話者名かな よなぐにせいかい
生年月日 19011102
性別
出身地 沖縄県八重山郡竹富町字竹富
記録日 19760805
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 竹富町字竹富T34A01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 菓子屋,紙銭,墓,妊娠,赤ちゃん
梗概(こうがい) 沖縄のある所に菓子屋の婆さんがいた。この婆さんの菓子屋へ夜の日が暮れるころ、必ず同じ時間に大変きれいな女が菓子を買いにやって来るので、この婆さんは大変不思議に思っていた。銭は受け取るのだが、銭入れの箱にこの婆さんが入れて、翌日見たら紙銭がまるくなっている。「これは銭ではないが不思議なものだ。このようなものが入っているのだが、どこからこのようなものが入り込んだのだろう。」と取って置いた。その翌日、三日、四日とこのようなことが六日間続いたので、「これは不思議だ。どこからこのような紙の銭が出て来るのだろうか。例の女ではないだろうか。」と考え、夜になると隣りに遊びに来る青年に、「こんなことがあるのだが、あんたたちは不思議でないか。」と言うと、「それは、不思議だ。」「今日もその女は来るはずだから、この女がどこに帰るのか行方をあんたたちは後を追って見てくれ。」「へえ、それは面白い。そんならみんなでその後を追いかけよう。」とその夜待っていると、女はやって来た。菓子を買って出て行ったので、その婆さんは目くばせをした。この青年たちは、後から追って行くと女は村へは行かずに野原へと行った。女は薄の中をはやくどんどん歩いて行き、一人で墓の中へ入ってしまった。「ああ、これは生きた人間ではなく死んだ人だ。これは幽霊だ。」とそこに戻って、こうこうだったとその婆さんに話をすると、「ああ、この墓の家では一週間前に嫁が死んだが、その人の魂でないか。」と言ったら、その夫が聞いて、「それが事実なら不思議だ。」と墓の口を開けてみると、妊娠して出産の月になって死んだらしく、墓の中には赤ちゃんがいて、その赤ちゃんに食べさせるために、女の幽霊は菓子を買っていたらしい。 ①沖縄‥‥沖縄本島のこと。②紙銭‥‥打ち紙のことで、あの世のお金とされている。人が亡くなったときやお盆の祖霊送りのときなどにその紙を燃やす。
全体の記録時間数 5:50
物語の時間数 4:45
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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