これはね、海の話というが、今我々は子供から生まれてきて、後から一人前の成人になって、社会人となるでしょう。海の龍というのもやっぱり、一人前の成人になるような有り様があるわけですね。昔は、それで、もう成人になったといったら、昔は龍宮でもカンピャー結うたらしいですから、そのカンピャー結うた時は、お祝いがあったって。これはこの龍宮のカンピャー取りの話よ。海の動物が、方髻祝(かたしよ)いと言って、もう一人前の魚になったということで、この方髻祝(かたしよ)いのお祝いとして、もう海の動
物をいろいろ寄せて命じて、「お祝いとして、ソーキーイジュ魚は掃除しなさい。またポーライジュは、ポッチャーしなさい。それから、クバラは神饌(クーバン)しなさい。ミジヌイジュは、ミジヴしなさい。イロチ魚は、イーマーと言って飯を炊きなさい。それから、また蛸は、太鼓を打ち、打ち人に分かれなさい。これから、ジーラはもう地人(ジヒトゥ)だから、もう立派に着物もこしらえて、もう地人(ジヒトゥ)やるように準備しなさい。ちゃあんとミーレはやって、またピフカはぴぴぴーという笛吹き人、キナガネがこれも笛吹き人。」と、いろいろと銘々の職を動物集めてきて、命令させて、おるうちに、「またまた一番最初に踊りするのは、青魚(オオイジョン)という青い魚、これは御前風(グジンブ)を踊る人。」と命令して、「さあ、蛸は太鼓を打て。」と、こう命令して、やっているうちに門の傍らから、ヨーラという生き物が首をこうちょっと覗いて見て、もう笑っておったって。「だから、お前は人のお祝いしようとしてるのに、隠れてこんなにのぞいて、人を見て笑っておるか。」と、首をかい掴まえたら、伸びたもんだから、これの首はあんなに長いそうです。もう昔の人は、いろいろな動物の役目を言うて、たくさんもうありますが、簡単にまずこれだけ。
・カンピャー‥‥カンプーとも言う。頭の上で髪の毛を結うこと。・方髻祝い‥‥元服祝いのこと。男子は十歳前後から一五歳になると、頭の上を剃り落とし、小さく結ってカサシとウシダシの簪をさし、帯は大帯をしめ、褌を履く。・ソーキーイジュ魚‥‥未詳。・ポーライジュ‥‥未詳。・ポッチャー‥‥調理人のこと。料理を作りなさい、の意味。・クバラ‥‥未詳。・神饌(クーバン)‥‥料理をお碗に入れること。・ミジヌイジュ‥‥サバのこと。・ミジウ‥‥水を運ぶ係のこと。・イロチ魚‥‥未詳。・イーマー‥‥飯を炊くこと。・ジーラ‥‥白黒の斑点模様の魚で、形は丸く一五センチほどの大きさ。・地人(ジヒトゥ)‥‥地方(じかた)の役という意味。地方とは、舞踊・組踊りなどの音楽を担当する人々のこと。地謡(じうたい)とも称する。・ピフカ‥‥ピュフカーとも言われる。口の長い魚で、全身細長く灰色をしており、四~五〇センチほどの大きさである。・青魚(オオイジョン)‥‥青い魚という意味。・御前風(グジンブ)‥‥ゴゼンフーとも言う。琉歌の一つ。お祝いの席では必ず、最初にこの踊りが踊られる。
| レコード番号 | 47O200049 |
|---|---|
| CD番号 | 47O20C004 |
| 決定題名 | 竜宮の祝い(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 石川亀美屋 |
| 話者名かな | いしかわかみや |
| 生年月日 | 18970325 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡竹富町字竹富 |
| 記録日 | 19750807 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 竹富町字竹富T38B5 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 動物昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 沖国大国文学科平成8度卒業論文 竹富島の民話 p103 |
| キーワード | 成人,龍宮,魚,カンピャー |
| 梗概(こうがい) | これはね、海の話というが、今我々は子供から生まれてきて、後から一人前の成人になって、社会人となるでしょう。海の龍というのもやっぱり、一人前の成人になるような有り様があるわけですね。昔は、それで、もう成人になったといったら、昔は龍宮でもカンピャー結うたらしいですから、そのカンピャー結うた時は、お祝いがあったって。これはこの龍宮のカンピャー取りの話よ。海の動物が、方髻祝(かたしよ)いと言って、もう一人前の魚になったということで、この方髻祝(かたしよ)いのお祝いとして、もう海の動 物をいろいろ寄せて命じて、「お祝いとして、ソーキーイジュ魚は掃除しなさい。またポーライジュは、ポッチャーしなさい。それから、クバラは神饌(クーバン)しなさい。ミジヌイジュは、ミジヴしなさい。イロチ魚は、イーマーと言って飯を炊きなさい。それから、また蛸は、太鼓を打ち、打ち人に分かれなさい。これから、ジーラはもう地人(ジヒトゥ)だから、もう立派に着物もこしらえて、もう地人(ジヒトゥ)やるように準備しなさい。ちゃあんとミーレはやって、またピフカはぴぴぴーという笛吹き人、キナガネがこれも笛吹き人。」と、いろいろと銘々の職を動物集めてきて、命令させて、おるうちに、「またまた一番最初に踊りするのは、青魚(オオイジョン)という青い魚、これは御前風(グジンブ)を踊る人。」と命令して、「さあ、蛸は太鼓を打て。」と、こう命令して、やっているうちに門の傍らから、ヨーラという生き物が首をこうちょっと覗いて見て、もう笑っておったって。「だから、お前は人のお祝いしようとしてるのに、隠れてこんなにのぞいて、人を見て笑っておるか。」と、首をかい掴まえたら、伸びたもんだから、これの首はあんなに長いそうです。もう昔の人は、いろいろな動物の役目を言うて、たくさんもうありますが、簡単にまずこれだけ。 ・カンピャー‥‥カンプーとも言う。頭の上で髪の毛を結うこと。・方髻祝い‥‥元服祝いのこと。男子は十歳前後から一五歳になると、頭の上を剃り落とし、小さく結ってカサシとウシダシの簪をさし、帯は大帯をしめ、褌を履く。・ソーキーイジュ魚‥‥未詳。・ポーライジュ‥‥未詳。・ポッチャー‥‥調理人のこと。料理を作りなさい、の意味。・クバラ‥‥未詳。・神饌(クーバン)‥‥料理をお碗に入れること。・ミジヌイジュ‥‥サバのこと。・ミジウ‥‥水を運ぶ係のこと。・イロチ魚‥‥未詳。・イーマー‥‥飯を炊くこと。・ジーラ‥‥白黒の斑点模様の魚で、形は丸く一五センチほどの大きさ。・地人(ジヒトゥ)‥‥地方(じかた)の役という意味。地方とは、舞踊・組踊りなどの音楽を担当する人々のこと。地謡(じうたい)とも称する。・ピフカ‥‥ピュフカーとも言われる。口の長い魚で、全身細長く灰色をしており、四~五〇センチほどの大きさである。・青魚(オオイジョン)‥‥青い魚という意味。・御前風(グジンブ)‥‥ゴゼンフーとも言う。琉歌の一つ。お祝いの席では必ず、最初にこの踊りが踊られる。 |
| 全体の記録時間数 | 2:42 |
| 物語の時間数 | 2:26 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |