龍宮の神が病気されたそうですね。それで、龍宮には、ミーバイジというのがおるが、あれが龍宮の医者
だから、呼んだそうです。それで、ミーバイジを呼んでね、見せたところが、「猿の肝が薬です。」と言う
。それで、「その猿の肝どうして取るか。」と言うてですね、まあ龍宮の海のおる連中はみんなそうして非
常に相談したそうですな。そうやって相談したところが、「まあ、あれをどうにか騙して龍宮に連れてきて、龍宮で殺してあれの心臓をとる他にはない。」ということに協議がまとまったそうですね。それで、「それじゃ、猿を騙して連れに、誰が陸に行くか。」っていうことになったら、「もうどうしても亀じゃないといけない。亀は陸にも海にも行けるから。」と言ったら、「それじゃ、亀を連れてこい。」と、亀を呼んだそうですな。それで、亀を呼んできて、「こうこうだから、あなたは陸に行って、猿を見つけたら、龍宮では、龍宮の祭りをやろうとして、踊り狂言も仕組んでいる。そしてご馳走もたくさん作ってある。陸からはあなた一人を呼ぶことにしてある。そういう話で、猿を連れてこい。」と言ったら、それでもう亀は、龍宮の神の命令だから、それを断りようもならないのでね、まあ仕方なく陸に行って猿に会ったそうです。猿に会って、「龍宮にはこうこういう祭りがあって、非常にこう踊り狂言なんか、非常に仕組んでいる。陸からはただあなた一人をお招きして来いという命令で、自分はあんたを連れにきた。」て、言うたらしいんですね。猿は喜んでよ、「それじゃあ行こう。」と言うて、すぐ浜に降りて行って、亀に乗ったそうだな。
そしてもうずうっと行くうちに、蛸に会った。それでその蛸の言うには、「ああ、これはかわいそうだ。おい、今日は、龍宮に祭りがあるっていうが、龍宮の神の病気のためにあなたは、あなたを騙して、あなたを龍宮で殺して、あなたの肝肝を取ろうとしているんだよ。かわいそうにあなたは、今日はもう死ぬんだよ。」蛸がよ、そう言うたそうだ。そう言うたら、まあその猿はもう利口なもんでね、「あそうか、それじゃ私が家におったときにそう話せば、自分の肝はすぐにあなたに持たせたのに。私は、肝を家に置いてあって、今は持っておらんよ。しかし、龍宮の神のことだから、戻って行って、肝を持たそう。そして私も一緒に持って、龍宮に見舞いに行こう。」と言うたそうだ。言うたらまあ、その亀は本当と思ってね、また同じ道を辿って陸に着いた。陸に着いたら、その猿は亀から降りてですね、「お前は私を騙したから許しておかない。」ということでね、石を持ってきてその亀をこのとんとんとんとんとんと叩いたそうです。そしたらところが、亀の肌は綺麗に光っておったものが、そのときに叩かれて、今のようになったって。それで、叩かれて亀はもうもう血も出るし、死にそうになって、非常に泣きながら、龍宮に戻って行ったらしい。
龍宮に戻って行ったら、そういうことであったと龍宮の神に話したから、「そいじゃ、その蛸を許しておかんから、蛸を呼んでこい。」と言うてな、蛸を呼ばした。連れて来たらね、「お前を許してはおかない。」と言うてね、その蛸をすぐ棒を持って来てね、もう叩いて。叩いたらもう蛸の骨が粉々にきゅうっつって、抜けてしまった。それで、蛸には骨がない。それで、そのハリセンボンがね、側におって、その様子見ておったそうだ。蛸はもう骨が出て死そうになってているもんだから、非常にかわいそうに思ってね、「ああ残念だ。残念だ。私の一番良かった友達が、こうなったのか。」と言ってね、泣いたそうですよ。龍宮の神はまたそれを見て、「こいつも蛸の友達だから許してはおかん。」と言うてね、その蛸の骨のある分はみんな取って捨てたのをハリセンボンに全部かぶせたから、それが針のようになって着いたから、それからは、ハリセンボンと名前が付いた。そういう話がある。
・ミーバイジ‥‥ミーバイのこと。竹富島ではミーバイジュとも言う。
| レコード番号 | 47O200032 |
|---|---|
| CD番号 | 47O20C003 |
| 決定題名 | 猿の生肝(歌 方言) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 生盛康安 |
| 話者名かな | せいもりこうあん |
| 生年月日 | 18960818 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡竹富町字竹富 |
| 記録日 | 19750807 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 竹富町字竹富T38A03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 動物昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 沖国大国文学科平成8年度卒業論文 竹富島の民話 p108 |
| キーワード | 龍宮の神,ミーバイジ,亀,蛸,ハリセンボ |
| 梗概(こうがい) | 龍宮の神が病気されたそうですね。それで、龍宮には、ミーバイジというのがおるが、あれが龍宮の医者 だから、呼んだそうです。それで、ミーバイジを呼んでね、見せたところが、「猿の肝が薬です。」と言う 。それで、「その猿の肝どうして取るか。」と言うてですね、まあ龍宮の海のおる連中はみんなそうして非 常に相談したそうですな。そうやって相談したところが、「まあ、あれをどうにか騙して龍宮に連れてきて、龍宮で殺してあれの心臓をとる他にはない。」ということに協議がまとまったそうですね。それで、「それじゃ、猿を騙して連れに、誰が陸に行くか。」っていうことになったら、「もうどうしても亀じゃないといけない。亀は陸にも海にも行けるから。」と言ったら、「それじゃ、亀を連れてこい。」と、亀を呼んだそうですな。それで、亀を呼んできて、「こうこうだから、あなたは陸に行って、猿を見つけたら、龍宮では、龍宮の祭りをやろうとして、踊り狂言も仕組んでいる。そしてご馳走もたくさん作ってある。陸からはあなた一人を呼ぶことにしてある。そういう話で、猿を連れてこい。」と言ったら、それでもう亀は、龍宮の神の命令だから、それを断りようもならないのでね、まあ仕方なく陸に行って猿に会ったそうです。猿に会って、「龍宮にはこうこういう祭りがあって、非常にこう踊り狂言なんか、非常に仕組んでいる。陸からはただあなた一人をお招きして来いという命令で、自分はあんたを連れにきた。」て、言うたらしいんですね。猿は喜んでよ、「それじゃあ行こう。」と言うて、すぐ浜に降りて行って、亀に乗ったそうだな。 そしてもうずうっと行くうちに、蛸に会った。それでその蛸の言うには、「ああ、これはかわいそうだ。おい、今日は、龍宮に祭りがあるっていうが、龍宮の神の病気のためにあなたは、あなたを騙して、あなたを龍宮で殺して、あなたの肝肝を取ろうとしているんだよ。かわいそうにあなたは、今日はもう死ぬんだよ。」蛸がよ、そう言うたそうだ。そう言うたら、まあその猿はもう利口なもんでね、「あそうか、それじゃ私が家におったときにそう話せば、自分の肝はすぐにあなたに持たせたのに。私は、肝を家に置いてあって、今は持っておらんよ。しかし、龍宮の神のことだから、戻って行って、肝を持たそう。そして私も一緒に持って、龍宮に見舞いに行こう。」と言うたそうだ。言うたらまあ、その亀は本当と思ってね、また同じ道を辿って陸に着いた。陸に着いたら、その猿は亀から降りてですね、「お前は私を騙したから許しておかない。」ということでね、石を持ってきてその亀をこのとんとんとんとんとんと叩いたそうです。そしたらところが、亀の肌は綺麗に光っておったものが、そのときに叩かれて、今のようになったって。それで、叩かれて亀はもうもう血も出るし、死にそうになって、非常に泣きながら、龍宮に戻って行ったらしい。 龍宮に戻って行ったら、そういうことであったと龍宮の神に話したから、「そいじゃ、その蛸を許しておかんから、蛸を呼んでこい。」と言うてな、蛸を呼ばした。連れて来たらね、「お前を許してはおかない。」と言うてね、その蛸をすぐ棒を持って来てね、もう叩いて。叩いたらもう蛸の骨が粉々にきゅうっつって、抜けてしまった。それで、蛸には骨がない。それで、そのハリセンボンがね、側におって、その様子見ておったそうだ。蛸はもう骨が出て死そうになってているもんだから、非常にかわいそうに思ってね、「ああ残念だ。残念だ。私の一番良かった友達が、こうなったのか。」と言ってね、泣いたそうですよ。龍宮の神はまたそれを見て、「こいつも蛸の友達だから許してはおかん。」と言うてね、その蛸の骨のある分はみんな取って捨てたのをハリセンボンに全部かぶせたから、それが針のようになって着いたから、それからは、ハリセンボンと名前が付いた。そういう話がある。 ・ミーバイジ‥‥ミーバイのこと。竹富島ではミーバイジュとも言う。 |
| 全体の記録時間数 | 6:55 |
| 物語の時間数 | 6:00 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |