この砂辺にはですね、新垣小という屋号の家がありますね。その家の方にですね、赤力、黒力というこの非常に力がある兄弟がいたんだよ。赤力は、田舎ですといろいろ顔が赤く物凄い力があるということで、黒力は顔が浅黒いと言うんですかな。だからたぶんこれは表現としては物凄いたくましい顔じゃないかなあと思いますけどね。そして、その兄弟は、今の喜友名小屋取という所でですね、畑仕事していたそうですよ。そしてたら、そこに御茶当真五郎というあの首里の王様に仕えている武士がですね、嘉手納の野国野里(ぬぐんぬじゃと)から、コンクヮーン、コンクヮーンと鐘太鼓を叩いて、旗を先頭にして各部落を廻って棒術とか力試しして力勝負していたっていうんですよ。そして、この砂辺に来てですね、そしたらたまたまその親子が畑、畑仕事してるのを会ったわけさ。「砂辺のほうには赤力、黒力とゆう非常に親孝行の力持ちが居て畑仕事しているっていうが、どこにいるか教えて下さい。」って聞いたそうです。そしたら、その親がですね、「わったーでやいびーる〔私達ですよ〕。」と言ったので、そしたら、「、ああそうか、君達か。」ということで、「自分は首里からよ、あっちこっちまわって武術を教えたり力試しをしにこうしてまわっているけど、ぜひそっちの力を見さしてくれ。」ってお爺さんに言うたって。その当時、首里から来る人達はもう首里の王様から色々教えられた神の手ていうのがあるでしょう。武士なんかも全部神の手を持っていて恐れ多いから、中々承知しなかったら、御茶当真五郎というのは非常に心がいい人で色々諭してね、ぜひさせてくれと頼むから、そしたら、その親は、「ちょっと待ってくれ。」と言って、兄弟を離してですね、「御茶当真五郎は神様から指導を受けた神ぬ手という手を持っているから、それを外してやる。」と言って、親は田舎の人で百姓ですから、牛の糞を煙管に詰めてですね、「どうぞこれ砂辺の煙草ですから召し上がって下さい。」って御茶当真五郎にあげたそうですよ。そしたら、御茶当真五郎が一服吸って、「ありがとうざいました、お爺さん。」て返したって。そしたらこの親がですね、「とう、今はもう神の手は外れているから誰がやっても大丈夫だよ。」と弟の黒力から勝
負をさせたそうですね。そしてそこで相撲をやったらもうそれが全然勝負がつかなくてですね。そうするうちに各隣村から、多くの方々が見に来てですね、もう全部取り囲んでいたそうですよ。そして日が落ちるまで、勝負がつかなくて、その親がお爺さんがですね、足をぽっぽっと叩いて、「お前は、僕が教えたその手を忘れたのか。」と言って、足とパタっとやったそうですよ。その拍子に黒力が勝ったと。ですけど、当時の侍としては、田舎の百姓に負けたら大変ですよね。ですけど、この御茶当真五郎っていうのは、非常にできた人でですね、「もうありがとうございました。もう一回修行してやり直そう。」と言うことで、お供を引き連れて首里の方に引き上げたと言う話が有るんですよ。
| レコード番号 | 47O419177 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C472 |
| 決定題名 | 新垣赤力黒力と御茶当真五郎(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 与儀正仁 |
| 話者名かな | よぎせいじん |
| 生年月日 | 19321112 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 北谷町宇砂辺 |
| 記録日 | 19961813 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 北谷町T24A12 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 砂辺,新垣小,赤力,黒力,兄弟 |
| 梗概(こうがい) | この砂辺にはですね、新垣小という屋号の家がありますね。その家の方にですね、赤力、黒力というこの非常に力がある兄弟がいたんだよ。赤力は、田舎ですといろいろ顔が赤く物凄い力があるということで、黒力は顔が浅黒いと言うんですかな。だからたぶんこれは表現としては物凄いたくましい顔じゃないかなあと思いますけどね。そして、その兄弟は、今の喜友名小屋取という所でですね、畑仕事していたそうですよ。そしてたら、そこに御茶当真五郎というあの首里の王様に仕えている武士がですね、嘉手納の野国野里(ぬぐんぬじゃと)から、コンクヮーン、コンクヮーンと鐘太鼓を叩いて、旗を先頭にして各部落を廻って棒術とか力試しして力勝負していたっていうんですよ。そして、この砂辺に来てですね、そしたらたまたまその親子が畑、畑仕事してるのを会ったわけさ。「砂辺のほうには赤力、黒力とゆう非常に親孝行の力持ちが居て畑仕事しているっていうが、どこにいるか教えて下さい。」って聞いたそうです。そしたら、その親がですね、「わったーでやいびーる〔私達ですよ〕。」と言ったので、そしたら、「、ああそうか、君達か。」ということで、「自分は首里からよ、あっちこっちまわって武術を教えたり力試しをしにこうしてまわっているけど、ぜひそっちの力を見さしてくれ。」ってお爺さんに言うたって。その当時、首里から来る人達はもう首里の王様から色々教えられた神の手ていうのがあるでしょう。武士なんかも全部神の手を持っていて恐れ多いから、中々承知しなかったら、御茶当真五郎というのは非常に心がいい人で色々諭してね、ぜひさせてくれと頼むから、そしたら、その親は、「ちょっと待ってくれ。」と言って、兄弟を離してですね、「御茶当真五郎は神様から指導を受けた神ぬ手という手を持っているから、それを外してやる。」と言って、親は田舎の人で百姓ですから、牛の糞を煙管に詰めてですね、「どうぞこれ砂辺の煙草ですから召し上がって下さい。」って御茶当真五郎にあげたそうですよ。そしたら、御茶当真五郎が一服吸って、「ありがとうざいました、お爺さん。」て返したって。そしたらこの親がですね、「とう、今はもう神の手は外れているから誰がやっても大丈夫だよ。」と弟の黒力から勝 負をさせたそうですね。そしてそこで相撲をやったらもうそれが全然勝負がつかなくてですね。そうするうちに各隣村から、多くの方々が見に来てですね、もう全部取り囲んでいたそうですよ。そして日が落ちるまで、勝負がつかなくて、その親がお爺さんがですね、足をぽっぽっと叩いて、「お前は、僕が教えたその手を忘れたのか。」と言って、足とパタっとやったそうですよ。その拍子に黒力が勝ったと。ですけど、当時の侍としては、田舎の百姓に負けたら大変ですよね。ですけど、この御茶当真五郎っていうのは、非常にできた人でですね、「もうありがとうございました。もう一回修行してやり直そう。」と言うことで、お供を引き連れて首里の方に引き上げたと言う話が有るんですよ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:50 |
| 物語の時間数 | 4:48 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |