〔方言原話〕 兆候魂(たまがい)んでぃせー、吉事(いーくとぅ)ぬうくりらん前(めー)に、くぬうち、「吉事(いーくとぅ)あんどぉー」また、「凶事(やなくとぅ)ぬうくりーんどぉー」んち、知らしる兆候(しるし)やるばーやしが、うりが当たいる時(ばー)ぬあくとぅふぃるまさん。私達(わったー)叔父(うじゃさー)が、南洋からけーてぃちから、なげーさんぐとぅ、いふぇーたーりまーりし、にんたいうさたいそうる時(ばー)に、山羊原(ふぃざーばる)ぬ、カラフヮングーフーうてぃ、兆候魂(たまがい)ぬあがいし、青年達(にーせーたー)がんーちさくとぅ、方向(ちんぽー)当てぃーんでぃちさーに、竿(そー)ぬ先(さち)んかい、線香(うこー)しんち、火(ふぃー)ちきてぃ、あぎてぃさくとぅ、福地小(ふくちぐゎー)ぬ家(やー)ぬ後(くし)んかい当てぃーそうしが、なー一回(ちゅけーん)なー一回(ちゅけーん)し、何回(いくけーん)しん、うまるやるんちさくとぅ、うぬ方向(ちんぽー)や、私達(わったー)叔父(うじゃさー)がにとぉーる離座(あさぎ)んかいまる当たいしさくとぅ、福地小(ふくちぐゎー)ぬ奥様(あんまー)んいふぇー元気(たーりーまーりー)そういさくとぅ、易判断所(しむちぬやー)んぬーんんぢょーしがわからん。うぬ後(あとぅ)私達(わったー)叔父(うじゃさー)や、ちゃーにんじし、福地小(ふくちぐゎー)ぬ奥様(あんまー)やのーやーなかい、後(あとぅ)私達(わったー)叔父(うじゃさー)や死亡(まー)ちょーしが、うぬ兆候魂(たまがい)んでぃせー青白(むーじるー)そうる火(ふぃー)ぬ丸球(まるたま)ぬ、空中(てぃぬ)んかい高(たかー)く上がいねえー、凶(やな)兆候魂(たまがい)やい、屋敷(やしち)ぬ中(うち)うてぃ、下(しちゃ)んかいちゃっぴんあかがとぉーいねえー、くぬうち祝事(すーじ)ぬある、兆候魂(たまがい)やんでぃ。あんさーに、重病(ちゃーやんめー)かかとぉーる人(ちゅ)ぬういねえー、「兆候魂(たまが)てぇーねえーに。」んでぃ言ゅしが、また、仕事(しぐとぅ)ぬ失敗(やんでぃー)がたーなとぉーしんかいん、兆候魂(たまが)てぇーねえにんでぃん言ゅん。旧(きゅ)ぬ八月十日(はちぐゎちとぅか)ぬ妖怪日(ようかびー)ねー、兆候魂(たまがい)ぬゆー上がいんでぃち、あまくまうてぃあちまとぉーてぃうりんーぢゅん。〔共通語訳〕 兆候魂(たまがい)というのは、吉い事でも凶い事でも、その事の起こる前に、近いうちに、「吉い事があるよ。」または、「凶い事があるよ。」と知らせる為の兆候なのだが、それが当たる場合があるから珍しい。私の叔父が、南洋から帰ってきて、あまり長くしないで、少し不元気になり、寝たり起きたりしている時にだが、山羊原(ふぃーざばる)のカラフヮングーフーという小高い丘で、兆候魂(たまがい)の上がるのを青年達が見たので、方向を当てる為に竿の先に線香を縛りつけて、火をつけて上にあげると、丁度福地小(ふくちぐゎー)の家の後ろ角に当たりましたので、もう一回もう一回と、何回も試してみたが、その所だという事になりましたが、そこは、私達の叔父が寝ている、離れ座敷に当たりました。すると、福地小(ふくちぐゎー)の奥さんも少し不元気なので、心配して易判断所に行って聞いてもわかりません。その後、私の叔父は寝たきりになり、福地小(ふくちぐゎー)の奥さんは治って、後は、とうとう叔父は亡くなったのですが、その兆候魂(たまがい)というのは、青白くて丸い火の玉で、空中に高くあがると凶兆候魂(やなたまがい)であり、屋敷の中で、下の方に広く明るい場合は、近いうちにお祝いがあるという兆候魂(たまがい)だそうである。それで、思い病気にかかっている人がいると、「兆候魂(たまがい)っていないか。」と言うが、また、仕事が失敗しそうになっている時にも、兆候魂(たまがい)っていないかと言う。旧の八月十日は、妖怪日(よーかびー)といって、兆候魂(たまがい)がよくあがる、という事で、あちらこちらに集まってそれを見る。平成9年2月17日 識名隆人翻字 T6A1
| レコード番号 | 47O170049 |
|---|---|
| CD番号 | 47O17C006 |
| 決定題名 | 兆候魂(方言) |
| 話者がつけた題名 | 兆候魂(たまがゐ) |
| 話者名 | 阿波根昌栄 |
| 話者名かな | あはごんしょうえい |
| 生年月日 | 19210309 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県中頭郡北谷町字上勢頭 |
| 記録日 | 19970217 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | T06A05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 俗信 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 『想い出の昔話』 |
| キーワード | 吉凶の兆候,火の玉, |
| 梗概(こうがい) | 〔方言原話〕 兆候魂(たまがい)んでぃせー、吉事(いーくとぅ)ぬうくりらん前(めー)に、くぬうち、「吉事(いーくとぅ)あんどぉー」また、「凶事(やなくとぅ)ぬうくりーんどぉー」んち、知らしる兆候(しるし)やるばーやしが、うりが当たいる時(ばー)ぬあくとぅふぃるまさん。私達(わったー)叔父(うじゃさー)が、南洋からけーてぃちから、なげーさんぐとぅ、いふぇーたーりまーりし、にんたいうさたいそうる時(ばー)に、山羊原(ふぃざーばる)ぬ、カラフヮングーフーうてぃ、兆候魂(たまがい)ぬあがいし、青年達(にーせーたー)がんーちさくとぅ、方向(ちんぽー)当てぃーんでぃちさーに、竿(そー)ぬ先(さち)んかい、線香(うこー)しんち、火(ふぃー)ちきてぃ、あぎてぃさくとぅ、福地小(ふくちぐゎー)ぬ家(やー)ぬ後(くし)んかい当てぃーそうしが、なー一回(ちゅけーん)なー一回(ちゅけーん)し、何回(いくけーん)しん、うまるやるんちさくとぅ、うぬ方向(ちんぽー)や、私達(わったー)叔父(うじゃさー)がにとぉーる離座(あさぎ)んかいまる当たいしさくとぅ、福地小(ふくちぐゎー)ぬ奥様(あんまー)んいふぇー元気(たーりーまーりー)そういさくとぅ、易判断所(しむちぬやー)んぬーんんぢょーしがわからん。うぬ後(あとぅ)私達(わったー)叔父(うじゃさー)や、ちゃーにんじし、福地小(ふくちぐゎー)ぬ奥様(あんまー)やのーやーなかい、後(あとぅ)私達(わったー)叔父(うじゃさー)や死亡(まー)ちょーしが、うぬ兆候魂(たまがい)んでぃせー青白(むーじるー)そうる火(ふぃー)ぬ丸球(まるたま)ぬ、空中(てぃぬ)んかい高(たかー)く上がいねえー、凶(やな)兆候魂(たまがい)やい、屋敷(やしち)ぬ中(うち)うてぃ、下(しちゃ)んかいちゃっぴんあかがとぉーいねえー、くぬうち祝事(すーじ)ぬある、兆候魂(たまがい)やんでぃ。あんさーに、重病(ちゃーやんめー)かかとぉーる人(ちゅ)ぬういねえー、「兆候魂(たまが)てぇーねえーに。」んでぃ言ゅしが、また、仕事(しぐとぅ)ぬ失敗(やんでぃー)がたーなとぉーしんかいん、兆候魂(たまが)てぇーねえにんでぃん言ゅん。旧(きゅ)ぬ八月十日(はちぐゎちとぅか)ぬ妖怪日(ようかびー)ねー、兆候魂(たまがい)ぬゆー上がいんでぃち、あまくまうてぃあちまとぉーてぃうりんーぢゅん。〔共通語訳〕 兆候魂(たまがい)というのは、吉い事でも凶い事でも、その事の起こる前に、近いうちに、「吉い事があるよ。」または、「凶い事があるよ。」と知らせる為の兆候なのだが、それが当たる場合があるから珍しい。私の叔父が、南洋から帰ってきて、あまり長くしないで、少し不元気になり、寝たり起きたりしている時にだが、山羊原(ふぃーざばる)のカラフヮングーフーという小高い丘で、兆候魂(たまがい)の上がるのを青年達が見たので、方向を当てる為に竿の先に線香を縛りつけて、火をつけて上にあげると、丁度福地小(ふくちぐゎー)の家の後ろ角に当たりましたので、もう一回もう一回と、何回も試してみたが、その所だという事になりましたが、そこは、私達の叔父が寝ている、離れ座敷に当たりました。すると、福地小(ふくちぐゎー)の奥さんも少し不元気なので、心配して易判断所に行って聞いてもわかりません。その後、私の叔父は寝たきりになり、福地小(ふくちぐゎー)の奥さんは治って、後は、とうとう叔父は亡くなったのですが、その兆候魂(たまがい)というのは、青白くて丸い火の玉で、空中に高くあがると凶兆候魂(やなたまがい)であり、屋敷の中で、下の方に広く明るい場合は、近いうちにお祝いがあるという兆候魂(たまがい)だそうである。それで、思い病気にかかっている人がいると、「兆候魂(たまがい)っていないか。」と言うが、また、仕事が失敗しそうになっている時にも、兆候魂(たまがい)っていないかと言う。旧の八月十日は、妖怪日(よーかびー)といって、兆候魂(たまがい)がよくあがる、という事で、あちらこちらに集まってそれを見る。平成9年2月17日 識名隆人翻字 T6A1 |
| 全体の記録時間数 | 2:06 |
| 物語の時間数 | 2:06 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |