〔方言原話〕 くれえー、校長瑞慶覧ぬ朝公兄さんが、稲嶺(んなみ)ぬ盛昌叔父さんからちちゃんでぃる話(はな)しいやしが。昔(んかし)、じこーゆうー当たいる三世相(せんぢんそー)ぬうたんでぃ。あんし、うまんかい、一人(ちゅい)ぬ人(ちゅ)ぬ運勢判断(うんくら)しいが、んぢゃくとぅ、うぬ三世相(せんぢんそー)ぬ、「貴方(うんぢゅ)が命(ぬちぇー)、何月何日(いちぬいっか)までぃるあくとぅ、うぬうぇーかー身体(からた)大切(てぇーしち)にし暮らちいきよう。」んち、ならーさったんでぃ。あんさくとぅ、うぬ人(ちょー)、「えーあんやいびいみ。」んち、家(やー)かいけえーてぃちゃーに、うぬ日(ふぃー)なたくとぅ、うぬ日(ふぃ)なてぃん、まーん病むんでぃちんねえーらん、ぬーんねえーらんなてぃさくとぅ、うぬ人(ちょー)、「あーあ、くぬ三世相(せんぢんそー)ぬ言ゅせー嘘(ゆくし)るやる。まーんやみんさん。ぬーんさんむぬ、今日(ちゅー)死亡(けーまー)すんでぃちんあがやー。」んでぃちそういねー、夕方(ゆさんでぃ)なてぃ、雨(あみ)ぐゎーんチラチラ降てぃさくとぅ、友達(どぅし)ぬ家(やー)んかい行ちゃーに、命(ぬち)ぬすーじしわるないる、今日(ちゅー)んりっぱんすぐちょーるむんでぃち、酒(さき)ぐゎーんむっち行ちぃーねえー、隣(とぅない)ぬ部落(しま)るやくとぅ、うぬ隣(とぅない)ぬ部落(しま)とぅぬ境(さけー)んかえー、一本橋(てぃーちゅーばし)ぐゎーぬあてぃ、うりくぃーてぃる隣(とぅない)ぬ部落(しま)んかえー行ちゅくとぅ、うぬ一本橋(てぃーちゅーばし)ぐゎくぃーゆんでぃち、あっちゃくとぅ、雨(あみ)ぬ降やーなかい、んでぃとぉーくとぅなんどぅるさぬ、ちゅらーく、うぬ一本橋(てぃーちゅーばし)ぐゎーくんはんだかさーに、酒(さき)んむっちょーるまま、川(かーら)ぐゎーんかいけーうてぃてぃ、うまうてぃ死亡(けーま)ちゃんでぃ。あんし、三世相(せんぢんそー)ぬならーちゃしるましがやー、ならさんたしるましがやーんでぃる事(くとぅ)やしが。人(ちゅ)、人間(にんじのー)生まりーる時(ばー)に、定みらっとぉーる。くぇーちゅーやか他(ふか)ねえー、生からんでぃる話(はな)しいやんでぃ。三世相(せんぢんそー)ぬ話(はな)しい。〔共通語訳〕 これは、校長瑞慶覧の朝公(ちょうこう)兄さんが、稲嶺の盛昌叔父さんから聞いたという話であるが。昔、大変よく当たる、三世相(さんぢんそう)がいたそうだ。そして、そこに一人の人が運勢判断しに行ったところ、その三世相(さんぢんそう)がいうには、「貴方の命は、何月の何日までしかありませんから、その間は身体を大切にして暮らしていきなさい。」と教えましたので、その人は、「ああそうですか。」と言って家に帰ってきましたが、さてその日になりますと、その日になってもどこも痛くもないし、何事も無かったのです。するとその人は、「ああ、あの三世相(さんぢんそう)が言ったのは嘘だったのだ。どこも痛くもないし、何事も無いのに、今日死亡するという事があるものか。」と思っていると、夕方になり小雨がチラチラ降ってきたので、友達の家に行って、これはもう命拾いのお祝いをしようと思い、今日も立派に過ごせたからと、酒も持っていったのですが、友達の家は隣の部落ですが、その隣の部落との境には一本橋があって、それを越えて隣の部落に行くので、その一本橋を渡ろうとして歩きますと、雨が降って濡れていてよく滑りますので、思わず足を滑らせてその一本橋を踏み外し、酒も持ったまま小川に転落して、そこで亡くなったそうです。それで、三世相(さんぢんそう)が教えたのが良かったか、教えないのが良かったのかという事ですが、人、人間は、生まれる時に定められている食扶持より他には生きられない、という昔の話です。三世相(さんぢんそう)の話でした。識名隆人翻字 T5B4
| レコード番号 | 47O170044 |
|---|---|
| CD番号 | 47O17C005 |
| 決定題名 | 三世相(方言) |
| 話者がつけた題名 | 三世相(サンヂンソー) |
| 話者名 | 阿波根昌栄 |
| 話者名かな | あはごんしょうえい |
| 生年月日 | 19210309 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県中頭郡北谷町字上勢頭 |
| 記録日 | 19970217 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | T05B05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話、 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 瑞慶覧の朝公兄さんから |
| 文字化資料 | 『想い出の昔話』 |
| キーワード | 三世相,水難,橋 |
| 梗概(こうがい) | 〔方言原話〕 くれえー、校長瑞慶覧ぬ朝公兄さんが、稲嶺(んなみ)ぬ盛昌叔父さんからちちゃんでぃる話(はな)しいやしが。昔(んかし)、じこーゆうー当たいる三世相(せんぢんそー)ぬうたんでぃ。あんし、うまんかい、一人(ちゅい)ぬ人(ちゅ)ぬ運勢判断(うんくら)しいが、んぢゃくとぅ、うぬ三世相(せんぢんそー)ぬ、「貴方(うんぢゅ)が命(ぬちぇー)、何月何日(いちぬいっか)までぃるあくとぅ、うぬうぇーかー身体(からた)大切(てぇーしち)にし暮らちいきよう。」んち、ならーさったんでぃ。あんさくとぅ、うぬ人(ちょー)、「えーあんやいびいみ。」んち、家(やー)かいけえーてぃちゃーに、うぬ日(ふぃー)なたくとぅ、うぬ日(ふぃ)なてぃん、まーん病むんでぃちんねえーらん、ぬーんねえーらんなてぃさくとぅ、うぬ人(ちょー)、「あーあ、くぬ三世相(せんぢんそー)ぬ言ゅせー嘘(ゆくし)るやる。まーんやみんさん。ぬーんさんむぬ、今日(ちゅー)死亡(けーまー)すんでぃちんあがやー。」んでぃちそういねー、夕方(ゆさんでぃ)なてぃ、雨(あみ)ぐゎーんチラチラ降てぃさくとぅ、友達(どぅし)ぬ家(やー)んかい行ちゃーに、命(ぬち)ぬすーじしわるないる、今日(ちゅー)んりっぱんすぐちょーるむんでぃち、酒(さき)ぐゎーんむっち行ちぃーねえー、隣(とぅない)ぬ部落(しま)るやくとぅ、うぬ隣(とぅない)ぬ部落(しま)とぅぬ境(さけー)んかえー、一本橋(てぃーちゅーばし)ぐゎーぬあてぃ、うりくぃーてぃる隣(とぅない)ぬ部落(しま)んかえー行ちゅくとぅ、うぬ一本橋(てぃーちゅーばし)ぐゎくぃーゆんでぃち、あっちゃくとぅ、雨(あみ)ぬ降やーなかい、んでぃとぉーくとぅなんどぅるさぬ、ちゅらーく、うぬ一本橋(てぃーちゅーばし)ぐゎーくんはんだかさーに、酒(さき)んむっちょーるまま、川(かーら)ぐゎーんかいけーうてぃてぃ、うまうてぃ死亡(けーま)ちゃんでぃ。あんし、三世相(せんぢんそー)ぬならーちゃしるましがやー、ならさんたしるましがやーんでぃる事(くとぅ)やしが。人(ちゅ)、人間(にんじのー)生まりーる時(ばー)に、定みらっとぉーる。くぇーちゅーやか他(ふか)ねえー、生からんでぃる話(はな)しいやんでぃ。三世相(せんぢんそー)ぬ話(はな)しい。〔共通語訳〕 これは、校長瑞慶覧の朝公(ちょうこう)兄さんが、稲嶺の盛昌叔父さんから聞いたという話であるが。昔、大変よく当たる、三世相(さんぢんそう)がいたそうだ。そして、そこに一人の人が運勢判断しに行ったところ、その三世相(さんぢんそう)がいうには、「貴方の命は、何月の何日までしかありませんから、その間は身体を大切にして暮らしていきなさい。」と教えましたので、その人は、「ああそうですか。」と言って家に帰ってきましたが、さてその日になりますと、その日になってもどこも痛くもないし、何事も無かったのです。するとその人は、「ああ、あの三世相(さんぢんそう)が言ったのは嘘だったのだ。どこも痛くもないし、何事も無いのに、今日死亡するという事があるものか。」と思っていると、夕方になり小雨がチラチラ降ってきたので、友達の家に行って、これはもう命拾いのお祝いをしようと思い、今日も立派に過ごせたからと、酒も持っていったのですが、友達の家は隣の部落ですが、その隣の部落との境には一本橋があって、それを越えて隣の部落に行くので、その一本橋を渡ろうとして歩きますと、雨が降って濡れていてよく滑りますので、思わず足を滑らせてその一本橋を踏み外し、酒も持ったまま小川に転落して、そこで亡くなったそうです。それで、三世相(さんぢんそう)が教えたのが良かったか、教えないのが良かったのかという事ですが、人、人間は、生まれる時に定められている食扶持より他には生きられない、という昔の話です。三世相(さんぢんそう)の話でした。識名隆人翻字 T5B4 |
| 全体の記録時間数 | 1:49 |
| 物語の時間数 | 1:49 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |