名護親方(方言)

概要

〔方言原話〕 くれー、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)ぬ話い。名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)んでぃる人(ちょー)、じこー優(すぐ)りみそーやーに、人(ちゅ)ぬ位(くれー)ぬ、一番うゎーびぬ位(くれー)、聖人(しーじん)ぬ位(くれー)授(いー)みそーちょーしが、くぬ位(くれー)や、神ぬ位(くれー)ぬ下(しちゃ)る聖人(しーじん)ぬ位(くれー)やしが、唐ぬ国んかいめんそーやーなかい、学問(がくむん)うみはまみそーやーなかい、聖人(しーじん)ぬ位(くれー)授(い)てぃめんそーちょーる人(ちゅ)ぬ話いやん。うぬ人(ちゅ)、唐ぬ国うてぃ、話いなかい、「雷(かんない)ぬ子(くゎ)買(こー)り、虎(とぅら)ぬ子(くゎ)買(こー)りー。」ぬ話いや、ゆー、あまくまうてぃ、聞(ち)かりーしが、うれー、学問(がくむん)さがなー、皆(んな)、先生(しんしー)ぬ話い聞(ち)ちょーる時(ばー)に、「雷(かんない)ぬ子(くゎ)買(こー)り。」し、行商人(あちねーさー)があびてぃ歩(あっ)ちゃくとぅ、他(ふか)ぬ人達(ちゅぬちゃー)や、皆(んな)、珍(ふぃるま)さし、雷(かんない)ぬ子(くゎ)んでぃせー、見(んー)ちぇー見(んー)だんでぃ言(いゃー)に、飛(とぅ)び出(んぢ)とーたんでぃしが、名護(なじ)ぬ親方(うぇーかた)、見(んー)ぢーがめんそーらんたんでぃ。あんさくとぅ、先生(しんしー)が、「何故(ぬーんち)、皆(んなー)見(んー)ぢーが行(い)ちゅるむんぬ、やーや、雷(かんない)ぬ子(くゎ)見(んー)ぢーがー行(い)かんある。」んでぃ言(い)みそーちゃくとぅ、「雷(かんない)でぃせー。あれー、動物(いちむせー)あいびらんくとぅ、ありが子(くゎ)んでぃちぇー居(う)いびらん、やくとぅ見(んー)ぢーが行(い)ちゃびらん。」でぃ、言(いゃー)に残(ぬく)とーみせーたんでぃ。あんし、今度(くんどー)うぬ後(あとぅ)、「虎(とぅら)ぬ子(くゎ)買(こー)りー。」しあびてぃ歩(あっ)ちゃくとぅ、他(ふか)ぬ人達(ちゅぬちゃー)や、「なー、虎(とぅら)ぬ子(くゎ)んでぃせー、見(んー)ちゃるぐとぅるある。」んち、皆(んな)、見(んー)ぢーが行(い)かんしが、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)見(んー)ぢーがめんそーち、帰(けー)てぃめんそーちゃくとぅ、先生(しんしー)が、「あんせー、皆(んな)虎(とぅら)ぬ子(くゎ)見(んー)ぢーがー行(い)かんむんぬ、やーや、虎(とぅら)ぬ子(くゎ)、見(ん)ぢが行(いん)だんなー。」んでぃ言(い)みそーちゃくとぅ、「うー、あぬー、沖縄(うちなー)や小国(すーくく)なてぃ、虎(とぅら)ぬーぬんちぇ居(う)いびらん、唐ぬ国広(ふぃる)さぬ、虎(とぅら)ぬ居(う)しが、私(わん)ねー、なーだ虎(とぅら)ぬ子(くゎ)んでぃせー見(んー)ちぇー見(んー)だんなやーなかい、ちゃぐとぅがそーらんち、見(んー)ぢが行(い)ちゃびたん。」でぃち、話いさびたくとぅ、「えー、あぬい。」んでぃ言(い)みせーたんでぃ。くりが、「雷(かんない)ぬ子(くゎ)買(こー)り。ー」虎(とぅら)ぬ子(くゎ)買(こー)りー。」ぬ話いやしが、うぬ後(あとぅ)、あるとぅくまから、使者(ちけー)ぬ来(ち)、「名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)ゆしりみせーるぐとぅ。」んでぃる事(くとぅ)んかいなたくとぅ、うぬ先生(しんしー)や、「とーとー、くれー、当(あ)たい前(めー)ぬとぅからーあらん、じこー上(うぃ)ぬとぅくまーからぬ呼(ゆ)びたてぃちょーくとぅ、返事(ふぃんぜー)立派(りっぱん)し来(くー)よー。」んち、やらしみそーちゃくとぅ、あま行(いん)ぢゃれー、白髪(しらぎ)生(みー)とーみせーる御年寄(うとぅすい)ぬ、「名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)んでぃせー、やーやるい。」んでぃ言(い)みそーちゃくとぅ、「うー。」んち返答(ふぃんとー)うなきてぃさくとぅ、「あんせー、やーや、土(んーちゃ)からる生(ん)まりてぃ、石からる生(ん)まりてぃー。」んでぃち問(とー)みそーちゃくとぅ、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)いふぇー考(かんげ)えみそーやーなかい、「私(わん)ねー石から生(ん)まりーびたん。」んでぃ言(い)みそーちゃくとぅ、「あー、やーや、石からる生(ん)まりてぃ、土(んーちゃ)からんでぃ言(いー)ねー、神ならりーたるむんぬ。」んでぃ言(い)みそーちゃくとぅ、「沖縄(うちなー)や小国(すーくく)るやいびーる。」んち、戻(むどぅ)てぃめんそーちゃくとぅ、御師匠(うししょう)ぬ前(めー)ぬ、「ぬーんでぃ言(い)みせーたが。」んち、問(とー)みそーちゃくとぅ、「やーや、土(んーちゃ)からる生(ん)まりてぃ、石からる生(ん)まりてぃんでぃ言(い)みせーたくとぅ、私(わん)ねー石から生(ん)まりーびたん、ち、御返事(ぐふぃんじ)うなきーびーたん。」でぃち、話いさくとぅ、「やーや、あんせー、うれー良(ゆ)うわかとーる筈(はじ)でーむんぬ、土(んーちゃ)命(ぬち)ぬ親(うや)んでぃせー、私(わー)がん教(ならー)ち、良(ゆ)うわかとーる筈(はじ)でーむんぬ、何故(ぬーんち)やー石から生(ん)まりたんでぃ言(い)ちゃが。」んでぃ、言(い)みそーちゃくとぅ、「沖縄(うちなー)ぬぐとーる小国(すーくく)うてー、神ぬ位(くれー)持(むっ)ちぇー育(すだ)ちぐりさいびーん、やくとぅ、私(わん)ねー、神ぬ位(くれー)や辞退(じてー)さびたん。」でぃ言(い)ちゃくとぅ、「やーや、神ぬ位(くれー)辞退(じてー)せーるむんやれー、神ぬ位(くれー)ぬ下(しちゃ)、聖人(しーじん)やくとぅ、やーや、聖人(しーじん)ぬ位(くれー)いーらさやー。」んち、うぬ後(あとぅ)からー聖人(しーじん)ぬ位(くれー)いーてぃ、名護聖人(なぐしーじん)でぃ、うなきーるぐとぅんかいなとーんでぃ。あんさーに、琉球(りゆちゅー)んかい帰(けー)てぃめんそーち後(あとぅ)、首里御城(すいうーぐしく)ぬ城内(しるうち)うてぃ吟味(ぢんみ)ぬ時(ばー)に、今度(くんどー)、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)とぅ、同等(いーぬぐとぅ)ぬーんてぃ、良(ゆう)知(しっ)ちょーみせーる具志頭親方(ぐしちゃんうぇーかた)んでぃる親方(うぇーかた)ぬめんせーしが、政治面(しーじむち)んかい、大変(じこー)うみはまとーみせーる御方(うかた)やみせーしが、ある時(ばー)ぬ吟味(ぢんみ)に、色々(いるいる)吟味(ぢんみ)しさくとぅ、他(ふか)ぬ方々、具志頭親方(ぐしちゃんうぇーかた)ぬ言(い)みせーる通(とぅー)い、んち、合点(がってぃん)そーみせーしが、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)合点(がってぃん)しみそーらんなたくとぅ、あんせー、ちゃーすが、んでぃる事(くとぅ)んかいなてぃそーしが、昔(んかし)ぬ沖縄(うちなー)うてぃ、くとぅぬしらびうてぃ一人(ちゅい)やてぃん、否(うる)合点(がってぃん)する人(ちゅ)ぬ居(う)いねー、うぬくとー通(とー)らんくとぅ、うぬ是非(じふぃ)正する事(くとぅ)んかいなたくとぅ、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)ぬ側(すば)んかいいちょーみせーる親方(うぇーかた)ぬ、「皆(んな)、合点(がってぃん)そーみせーくとぅ、否(うる)合点(がってぃ)のーやみせーてぃん、頷(んなじ)ちみそーり名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)。」んち、他(ふか)ぬ人(ちゅ)ねー聞(ち)からんぐとぅし頼(たる)だくとぅ、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかたー)頷(んなじ)ちみせーたんでぃ。あんさくとぅ、吟味(ぢんめー)まとまとーるしじやしが、「頷(んなじ)ちみそーり名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)。」今(なま)てぃん、ぬーがな吟味(ぢんみ)ぬ時(ばー)に、いーにーぶいそうてぃ、あぎぶにくーぢょーる人(ちゅ)ぬ居(う)いねー、「頷(んなじ)ちみそーり名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)やさ。」んでぃ言(いゅ)ん。あんしそーしが、また、今度(くんどー)、意見(いちん)ぬ合(あ)はらんどぅあくとぅなー後(あとー)なー、名護(なぐ)ぬ部落(しま)んかい移(うとぅ)さりみそーちさくとぅ、んまうてぃ暮らちょみせーるばーやしが、んまうてぃ、一人(ちゅい)ぬ嫡子ぬ生(ん)まりてぃ、なー、じこーうっさそみせーしが、ようやく立(た)ちゅがやー、歩(あっ)ちゅがやーんでぃるあたいなとーる時(ばー)に、親方(うぇーかた)ぬ前(めー)が書(か)ちぇーみせーる書(か)ち物(むん)なかい、点(てぇん)ぬ抜(ぬ)ぎてぃ、間違(まちが)とーるとぅくまぬ有(あ)しが、親方(うぇーかた)ぬ前(めー)や、うれー気に付(ち)ちみそーらん、うぬまま、台ぬ上(うぃ)んかい置(う)ちぇみせーる時(ばー)に、うぬ一人(ちゅい)嫡子ぬよんなよんな歩(あっ)ち行(いん)ぢゃーに、台(でー)ぬ側(すば)んぢ立(たっ)ち、筆(ふでぃ)取(とぅ)やーなかい、うぬ間違(まちが)とーる所(とぅくま)、けー直(のー)ちゃんでぃ。うり見(んー)ちょーみせーたる親方(うぇーかた)ぬ前(めー)や、「くれー人(ちょー)あらん、神るやる。」んち、心(くくる)んかい、信じとーみせったんでぃ。あんしそーしが、だー、うぬ一人(ちゅい)嫡子(ちゃくせー)幼少(ゆーすー)そーいに、「七才(なっち)成らん間(うぇーま)幼少(ゆーすー)んでぃ言(いゅ)しが、七才(なっち)成れーからー、一人前(ちゅい)とぅし認(みとぅ)みてぃ、龕(がん)んかい乗(ぬ)してぃ葬式(だび)すしが、うり達しらん間(うぇーま)、幼少(ゆーすー)んでぃ言(いゃー)なかい、龕(がん)んかえー乗(ぬ)しらん。」まーちさくとぅ、奥方(あやーめー)、悲哀(あわり)、悲痛(よーり)しみそーち、「あったる一人(ちゅい)嫡子、まーしみてぃねーらんむん、ちゃーあたれーしむが。」んち、泣(な)ち暮(く)らちめんせーたんでぃ。さくとぅ、親方(うぇーかた)ぬ前(めー)や、「あれー、私達(わったー)嫡子(ちゃくせー)あらん、神ぬ私達(わったー)二人(たい)が身体(どう)借(か)やなーかい、くぬ世(ゆ)んかい、姿(しがた)る現(あらは)ちょーみせーる、私達(わったー)二人(たい)が嫡子(ちゃくせー)あらんどー、神るやみせーんどー。」んち、話いそーみせーしが、奥方(あやーめー)や「う、う、う、私達(わったー)一人(ちゅい)嫡子るやいびーる、貴方(うんじょー)一人(ちゅい)嫡子うーなてぃん、悲哀(あわり)、悲痛(よーり)しみそーらに。」んち、くさみちみそーちゃくとぅ、後(あとー)、「りっちゃー、あんせー行(いん)ぢ見(んー)だやー。」んち、うぬ一人(ちゅい)嫡子葬(ほーむ)てーる墓んかいめんそーやなかい、「開(あ)きてぃ、棺箱(くゎんばく)ぬ蓋取(とぅっ)てぃ見(んー)ちゃくとぅ、中(なーか)んかえー、柴木(しばき)ぬ葉(ふぁー)ぬ満杯(みっちゃか)やーなかい、遺骨(くちたま)ねーらんなてぃさくとぅ、奥方(あやーめー)や、「あー、あんどぅやみせーてぃ。」んでぃち、うんにんからー、また、元(むとぅ)ぬいー奥方(あやーめー)なてぃ、一緒(まじゅーん)暮(く)らしみそーちゃんでぃ。うれー、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)七代(しちでー)ぬ精霊(しいー)受(う)きてぃる生(ん)まりそーちゃんでぃる話い。さくとぅ、今度(くんどー)、門口(じょーぐち)ぬ内側(うちばた)んかい、ふぃんぷん作(ちゅく)みそーやーなかい、だー、自分(どぅー)や他(ふか)ぬ人(ちゅ)やかねー、抜(ぬ)ぎ出(んぢ)たる為(たみ)なかい、名護(なぐ)んかいやらさっとーくとぅ、昔(んかせー)なー、枯木(かりき)山原(やんばる)んち、「名護(なぐ)や山原(やんばる)ぬ行(い)ち果(は)てぃがやゆら。」んでぃ言(いゅ)るあたい、疲弊(ふぃび)なとぅくまやしが、んまんかいやらさーに、暮(く)らちょーみせーるばーやしが、屋敷(やしち)ぬ門(じょー)ぬ内側(うちむてぃ)んかい、ふぃんぷん作(ちゅく)みそーち、うぬふぃんぷんぬ手入(てぃーい)りしみせーがなー、「伸(ぬ)ばがんなよーやーふぃんぷん並(なみ)る美(ちゅら)さんどー。」んでぃ、言(い)みせーがなー、手入(てぃーい)りしみせーたんでぃ。あま、くま、高く立ち上(あ)がとーる木(きー)ぬ枝(ゆだー)全部(むる)鋏(はさん)し摘(ち)みやがなー、「並(なみ)る美(ちゅら)さんどー、伸(ぬ)ばがんなよー。」んち、人(ちゅ)んかい物(むぬ)言(いゅ)んねーし、「伸(ぬ)ばがんなよー、伸(ぬ)ばがいねー、切(ち)らりーんどー。」んち、自分(どぅー)ぬ子(くゎ)んかい、物(むぬ)言(いゅ)んねーそーてぃ、うぬふぃんぷん作(ちゅく)みせーたんでぃ、「後(あとぅ)から、村ぬ入口んかいふぃんぷんガジュマルぬ植(うぃ)らってぃ、今(なま)ん立派(りっぱ)に育(すだ)ちょーん。」あんし、暮(く)らちょーみせーしが、今度(くんどー)、村ぬ人達(ちゅぬちゃー)がうしてぇーし、んまんかい物(むん)習(なれー)しーがんち、集(あち)まてぃちゅーしが、うぬ人達(ちゅぬちゃー)んかい、色々(いるいる)話いさがなー、庭んかい雀(くらー)ぐゎー達(たー)が沢山(だちぇーん)集(あち)まてぃちゃーに地(ぢー)ぬ上(うぃー)から、ぬんくぃー拾(ふぃっ)てぃ食(くゎ)いぎーしが、うり見(んー)ぢみそーち前(めー)んかいいちょーる人達(ちゅぬちゃー)んかい、親方(うぇーかた)ぬ前(めー)が、「あー、いぇー、あぬ雀(くらー)ぐゎー達(たー)や、今(なま)話いさぎーしが、後(くし)ぬ田(たー)んかい行(い)ちゃーなかい、田(たー)やなー稲(んに)ぬ赤肌(あかざみち)そーくとぅ、行(い)ちゃーなかい、皆(んな)し食(か)まな、んち、話いさぎーん。」でぃち、うぬ人達(ちゅぬちゃー)んかい話いさくとぅ、うぬ人達(ちゅぬちゃー)や、「ふー雀(くらー)ぐゎーぬん話いさびーみ。」んでぃ言(い)ちゃくとぅ、親方(うぇーかた)ぬ前(めー)や、「んー、あったーん話いそーんどー。」んち、話いしみそーちゃくとぅ、「ちゃーしわかみせーが。」んち、人達(ちゅぬちゃー)が問(とー)たくとぅ、親方(うぇーかた)ぬ前(めー)や、「だーだー、待(まっ)ちょーれー。」んでぃ言(い)みそーやーなかい、「硯(しじり)んかいする摺(し)てーる墨筆(しめーふでぃ)んかいみっちゃき含(くく)ままさーに、うぬ筆(ふでぃ)、雀(くらー)ぐゎー達(たー)んかい向(ん)かてぃ振(ふ)たくとぅ、墨(しめー)うぬ飛(とぅ)び立(た)ちゅる雀(くらー)ぐゎー達(たー)ぬ喉(ぬーでぃー)から、頬面(ほーじら)んかいむる引(ふぃ)っ付(ち)かてぃさくとぅ、親方(うぇーかた)ぬ前(めー)が、「とー、うぬ雀(くらー)ぐゎー達(たー)や、喉(ぬーでぃー)から頬面(ほーじら)んかい墨(しみ)引(ふぃ)っ付(ち)きてぃくとぅ、行(い)ちゃーに、見(んー)ち見(んー)でー、あまんかい墨(しみ)ぬたっちかとーる雀(くらー)ぐゎー達(たー)が、行(いん)ぢょーる筈(はじ)どー。」んち、話いしみそーちゃくとぅ、皆(んな)、「でぃっちゃーあんせー。」んち、行(いん)ぢ、見(んー)ちゃくとぅ、言(いゅ)んねー、すんねー、喉(ぬーでぃー)から、頬面(ふーじら)んかい摺(し)てーるぬたっちかとーる雀(くらー)ぐゎー達(たー)が行(い)ぢょーたんでぃ。うんにんから、うぬ雀(くらー)ぐゎー達(たー)ぬ子(くゎ)、孫(んまが)や、喉(ぬーでぃー)ん、頬面(ふーじら)ん墨(しみ)ぬたっちきとーる雀(くらー)ぐゎーが生(ん)まりとーんでぃ。あんし、また、うぬ子(くゎ)、孫(んまが)ぬ雀(くらー)ぐゎー達(たー)や今(なま)までぃん、喉(ぬーでぃー)から頬面(ふーじら)んかい墨(しみ)ぬたっちきとーん。うぬ後(あとぅ)、沖縄語(うちなーぐち)ぬいろは歌作(ちゅく)みそーち、い、や、「意見(いちん)ゆしぐとぅや、身ぬ上(うぃ)ぬたから、耳ぬ根(に)ゆあきて、肝(ちむ)にとみり。」ろ、や、「櫓(ろ)かじ定(さだ)みてど、船(ふに)んはらしゆる、寸法(しんぷ)はじらすな、肝(ちむ)ぬ手綱(たんな)。」んち、いろはにし、五十音ぬ歌作(ちゅく)てぃそーみせーしが、また、「静(しじ)かなりすみり、常(ちに)に身が心(くくる)、波立たん水(みじ)どぅ、影(かぎ)や写(うち)る。」んち、波ぬ立たんありはる、影(かーがー)や写(うてぃー)んどー、自分(どぅー)ぬ心(くくろー)、自分(どぅー)くる写(うとぅ)ち見(んー)だはる良(ゆ)たさ、わっさーわかいんどー、良(ゆ)う、慎(ちちし)みよー、んでぃる歌やしが、また、反対に、具志頭親方(ぐしちゃんうぇーかた)や、「謗(すし)り褒(ふ)みらりや、世(ゆ)ぬ中ぬなれー、沙汰んねん者(むん)ぬぬ役立ちが。」んでぃち、大変(じこー)意地強い(ちゅー)さる歌作(ちゅく)とーみせーし、あんし、うぬ後(あとぅ)、親方(うぇーかた)し、皆(んな)ぬ人達(ちゅぬちゃー)んかい、「やがてぃ、那覇(なーふぁ)から名護(なぐ)までぃ、村ん、町ん続(ちぢ)ち、名護(なごー)都(みやく)ないんどー。」んでぃ言(い)みせーたんでぃしが、今(なま)ねーなー、那覇(なーふぁ)から名護(なぐ)までぃ、あしとぅぬかーじ町ん、村ん、続(ちぢ)ちょーん、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)ぬ言(い)みせーたんでぃせー、本当(ふんとー)やんでぃ思(うむ)とーん。また、くれー、私達(わったー)大工(でーく)ぬ話いやしが、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)ぬ、家(やー)建築(ぶしん)しみそーちゃくとぅ、他(ふか)ぬ家(やー)建築(ぶしん)ねー、十時、三時ぬ茶わき出(んぢ)ゆい、きんぢーん有(あ)しが、くぬ家(やー)や、ぬーんねーらんなてぃさくとぅ大工(でーく)やくさみちゃーに、床柱(とぅくばーや)逆立てぃし、知らんふーなーそーたんでぃしが、くーすびーぬ日(ふぃ)なたくとぅ、賃金(ふぃーまー)払(はら)てぃぬ後(あとぅ)、御馳走(くゎっちー)ぬ御膳(うじ)ぬんかいや、銭(じん)肴(ざかな)ぬ出(んぢ)てぃさくとぅ、親方(うぇーかた)ぬ前(めー)が、「くれー、今(なま)までぃぬ茶わきとぅ、きんぢーぬ代金(でー)やくとぅ、持(むっ)ち行(いん)ぢゃーに、妻(とぅぢ)、子供達(くゎぬちゃー)んかい使(ちかー)し。」んでぃ言(い)みそーちゃくとぅ、うぬ大工(でーく)や御祝(うゆえー)ぬ終(う)わいがたーなたくとぅ、手斧(てぃーん)持(むっ)ち出(んぢ)やーなかい、手斧(てぃーん)舞(もー)いさーに、間違とーるふーなーさーに、床柱(とぅくばしら)んかい、傷(きじ)付(ち)きやーなかい、「取(とぅ)い替(けー)いびーくとぅ。」んち、後(あとぅ)から取(とぅ)い替(けー)たんでぃる話いやん。うぬ後(あとぅ)名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)ぬまーしみそーち、初七日(はちなんか)なてぃさくとぅ、白位牌(しるいーふぇー)ぬ側(すば)んかい、なー一(てぃー)ち白位牌(しるいーふぇー)ぬ並(なら)でぃさくとぅ、七日(なんか)うさぎーんでぃそーみせーる人達(ちゅぬちゃー)や、まーが本当(ふんとー)やらわからんなてぃさくとぅ、一人(ちゅい)ぬ者(むん)ぬ、「頷(んなぢ)ちみそーり、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)。」んでぃ言(い)ちゃくとぅ、一(てぃー)ちぬ位牌(いーふぇー)ぬ頷(んなぢ)ちたんでぃ。うり取(とぅ)捕(かち)みやーに、しみたくとぅ、狐(ちち)なてぃ、側(すば)んかいいちょーてぃ、親方(うぇーかた)んかいうさぎーる御馳走(くゎっちー)盗まんでぃそーるばーやしが、うんにんに、「頷(んなぢ)ちみそーり、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)。」んでぃ言(い)ちゃくとぅ、頷(んなぢ)ちゅたんでぃる話い。うりから後(あとぅ)、具志頭親方(ぐしちゃんうぇーかた)ん唐(とー)んかい留学(るーがく)しめんそーち、なー、沖縄(うちなー)んかい帰(けー)てぃめんせーんでぃる時(ばー)に、「私(わん)にんかいん、聖人(しーじん)ぬ位(くれー)授(くぃ)てぃくぃみそーらんがやー。」んち、師匠んかい御願(うにげー)さくとぅ、御師匠(うししょう)ぬ前(めー)や、「やーがなーま、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)ぬたきぶぬんかえー及(うゆ)ばらんくとぅ、やーや、文若(ぶんじゃく)ぬ位(くれー)やさ。」んでぃ言(い)みそーち、具志頭親方(ぐしちゃんうぇーかた)文若(ぶんじゃく)ぬ位(くれー)授(いー)てぃめんそーちゃんでぃ。〔共通語訳〕 これは名護親方(なごうぇーかた)の話。名護の親方を言われるお方は、非常に偉いお方であって、人の位の最高位、聖人の位を授けられた方ですが、この位は神の位の次が聖人の位ですが、唐の国に参られて、、学問を熱心に勉強なされ、その功績を讃えられて聖人の位を授けられて参った方の話である。その方が唐の国での話。「雷の子買いませんか、虎の子買いませんか。」の話は有名で方々で聞かれますが、その話は親方がみんなと一緒に先生の話を聞いて勉強している時に、「雷の子買いませんかあ。」と言って、物売りの声が聞こえますと、他の人達はみんな珍しがって、「雷の子を見たことがない。」と言って飛び出して行きましたが、名護親方は見に行かれませんでした。そうすると、先生が、「何故、みんなは見に行くのに君は雷の子を見に行かないか。」と言われますと、「雷というのは動物ではありませんので、雷には子供はおりません、だから見に行きません。」と申し上げて残っておられたそうです。すると今度はその後、「虎の子買いませんかあ。」と呼びながら物売りが通りますと、他の人達は、「もう、虎の子は見たことがあるから。」と、見に行きませんでしたが、名護親方は見に行かれました。そうして帰ってくると先生が、「他のみんなは見に行かないのに、なんで君は見に行ったのか。」と尋ねますと、親方は、「はあ、あのう、沖縄は小国ですから虎などはおりませんが、唐の国は広くて、虎もおります。私は未だ虎の子を見たことがありませんので、どのような恰好をしているのかと思って見に行きました。」と申し上げますと、「ああ、なるほど、そうであったか。」と言われたそうです。これが、「雷の子買いませんか、虎の子買いませんか。」の話ですが、その後、あるところから使者が来て、「名護親方、参るように。」との事でした。するとその先生は、「おおおお、これは普通のところからのお使いではない。非常に上位のところからの呼び出しがきているから、返答は間違いのないように立派にして来なさい。」と教えて行かせました。あそこに行きますと、白髪を生やしたお年寄りが、「名護の親方というのはあなたですか。」と言われますので、「はい。」と返事致しますと、「それではあなた土から生まれたのですか、石から生まれたのですか。」と問いますので、名護の親方は少しお考えになられてから、「私は石から生まれました。」と申し上げますと、そのお年寄りは、「ああ、あなた石から生まれたのか、土から生まれたを言えば神になられたのにねえ。」と言われますと、名護の親方は、「沖縄は小国でございます。」と申し上げて戻って参りますと、先生が、「向こうでは何と申されたか。」と問いますので、「あなた土から生まれたのか、石から生まれたのかと申されましたので、私は石から生まれましたとご返事申し上げました。」と話しますと、「あなたはその事は良く承知している筈なのに、土は命の親ということは私が教えて良くわかっている筈なのに、何故あなた石から生まれたとご返事申し上げたのか。」と申されますので、「沖縄のような小国では神の位を持っては育ちにくいのです。だから私は神の位を辞退いたしました。」と申し上げますと、「あなたは神の位を辞退するのであれば、神の位の次は聖人だからあなたには聖人の位を授けよう。」と言われて、その後は聖人の位も授かり、名護聖人と申し上げるようになったとの事である。そして琉球に帰って参られて後、首里城(しゅりじょう)の城内でいろいろな会議に参加している時に、今度は名護親方と同等に物事を良く知っておられる具志頭親方(ぐしちゃんうぇーかた)という親方がおられますが、政治面に大変精通されているお方ですが、ある時に会議にいろいろ吟味しますと、他の方々は皆、具志頭親方の意見に賛成しているのですが、名護の親方は不賛成なされたのです。さあ、それではどうするかということになったのですが、昔の沖縄の議会の方式は、一つの議案の審議において、一人でも不賛成がいるとその議案は通らないので、その是非を正すことになりましたので、名護親方の側に座っておられた親方が、「皆は賛成しておられます、不賛成でしょうが、頷いて下さい名護の親方。」と、他人には聞こえないように頼みますと、名護の親方は頷かれたのです。それで審議がまとまったのですが、「頷いて下さい名護の親方。」今でも何かの審議の時に居眠りでもしていて、陸の舟を漕いでいる人がいると、「頷きなさい、名護の親方だ。」と言うそうなんだが、今後は意見が合わなくなったので、もう後は、名護の部落に移されましたので、そこで暮らしておられるのですが、そこで長男が生まれますととても喜ばれたのです。その子がようやく立ち上がって歩き初めの頃の時に、名護の親方が書台で書き物をなさってそのまま置いてありますと、書き物に点が抜けて間違ってるところがあるのですが、親方は気が付いていませんで、そのまま台の上に置いておきますと、一人嫡子がゆっくりゆっくり歩いて行って、台の側に立ち筆を取ってその間違えているところを直したのです。それを見ていた親方は、「これは、人ではなくて神様だ。」と心の中に信じておられたという。そうしているうちにその一人嫡子は、幼少の頃、「数え年、七才にならない間は幼少と言うが、七才になると一人前と認められて、龕に乗せて葬式するが、七才にならない子供は龕にお乗せないで葬式をする。」に死亡しますと、奥方は非常に悲しまれ、悲嘆悲痛されて、「可愛い一人嫡子を失ってしまってもうどうしたらよいか。」と、毎日泣き暮らしてますので、名護の親方は奥方に、「あの子供は私達の嫡子ではなくて、神様が私達二人に身体を借りて、この世に姿を現されたのであって、私達二人の嫡子ではないよ、神様でいらっしゃったのだよ。」と申して聞かせましたが、奥方は聞き入れず、「いいえ、私達の嫡子でございます。あなたは一人嫡子を死亡させても、悲嘆悲痛なさいませんか。」と怒られましたので、最後には、「それでは行って見ようね。」とその一人嫡子を葬ってある墓に行って、墓を開き棺箱の蓋を取ってみると、その棺箱の中には柴木の葉が一杯詰まっていて遺骨はありませんので、奥方はそれを見て、「ああ、そうでございましたか。」と納得されて、その時からまた、元の良い奥方になられて一緒に暮らされたそうです。それは、名護の親方は、七代の精霊を受けてお生まれになったというお話である。すると今度は、門の内側に目隠し垣を作って、自分は他人よりも抜き出たために名護に移されているから、昔は枯木山原(かりきやんばる)と言われ、「名護は山原(やんばる)の最後だろうか。」と言われるくらい疲弊したところだが、そこに行かされて暮らしておられたのであるが、そこで屋敷の門の内側に目隠し垣を作られたのである。そして、その目隠し垣の手入れをなさりながら、「伸び上がるなよ目隠し垣、並が美しいんだよ。」と声掛けながら手入れをなされたそうである。あそこ、そこの高く立ち上がった木の枝を、みんな鋏で摘み枝しながら、「並が美しいんだよ、伸び上がるなよ。」とまるで人間に話して聞かせるように、「伸び上がるなよ、伸び上がったら切られるよ。」と、自分の子供にでも言い聞かせるように話したら、その目隠し垣を作られたそうである。後から村の入口に目隠しがじゅまるが植えられ、今も立派に育っている。」そのような暮らしをなさっていると、今後は周囲の人達はお慕いして物事を習いに集まるようになって、その人達にいろいろ話したら庭に雀んも集団が飛んできて、地上からいろいろ餌を拾って食べているが、それを見て前に座って話を聞いている人達に、名護の親方は、「おお、おお、あの雀達は会話し合っているが、後ろの方の田んぼに行って、向こうの田の稲はもう色づいているから、行ってみんなで食べようと話し合っている。」と、その人達に話しますと、その人達は、「ほう、雀でも話し合いますか。」と申しますと、「ううん、彼らも話し合うよ。」と話されますので、その人達は、「いかにしてそのような事がわかりますか。」と、その人達は尋ねますと、親方は、「そうだ、少し待ちなさい。」と言われて、書台の硯に摺ってある墨を筆に十分含ませて、その筆を庭の雀達目掛けて振ると、驚いて飛び立つ雀達の頬から喉にかけて付着しますと、親方が、「そうれ、その雀達は喉から頬面にかけて墨が付着しているから、行って見てごらん、あそこに墨の付いた雀達が行っている筈だよ。」と話されますと、集まっていた人達は皆、「よし、それでは。」と言うので行って見ると、言うに違わず、喉から頬面にかけて真っ黒く摺った墨の付いた雀達がいたのです。そして、その雀達の子、孫には、喉を頬面に墨の付着したのが生まれるようになり、また、その子孫は今でも喉と頬面に墨が付着しているのです。その後、沖縄方言でのいろは歌を作られて、「い」は、「意見(いちん)ゆしぐとぅや、身ぬ上(うぃ)ぬたから、耳ぬ根(に)ゆあきて、肝(ちむ)にとみり。」「ろ」は、「櫓(ろ)かじ定(さだ)みてど、船(ふに)んはらしゆる、寸法(しんぷ)はじらすな、肝(ちむ)ぬ手綱(たんな)。」などと、沖縄の方言での五十音の歌を作られました。また、その他に、「静(しじ)かなりすみり、常(ちに)に身が心(くくる)、波立たん水(みじ)どぅ、影(かぎ)や写(うち)る。」と、波の立たない時に影は写るもの、自分の心は自分で写してみないと善し悪しはわからないから、よくよく慎みなさいよ、との歌ですが、また、反対に具志頭親方は、「謗(すし)り褒(ふ)みらりや、世(ゆ)ぬ中ぬなれー、沙汰んねん者(むん)ぬぬ役立ちが。」と、大変意地の強い歌を作っておられる。そしてその後、親方は皆の人達に、「やがて那覇(なは)から名護(なご)まで村や町が続き、名護は都になるよ。」と言われたそうですが、今はもう、那覇から名護まで一足ごとに町も村も続いていて、名護の親方の言われたのは本当の事だったと思っている。またこれは、私達の棟梁の話だが、親方が自分の家を建設なさる時に、他の家屋建築の時には、十時休み、三時休みにはお茶受もでるし、近親招待もあるが、この家は何もないので棟梁が怒ってしまって、床柱を逆さまに立て、知らぬ顔していたそうですが、工事が仕上がって、その仕上がり祝いの時に、賃金などの支払いを済まして後、お祝いになると、御馳走お膳には銭肴が出ていて、親方が、「これは今までのお茶受と近親招待の代金だから、持って帰って妻や子供に使わしなさい。」と言われましたので、その棟梁はお祝いが終わりそうになった時に、手斧を持ち出して、手斧の舞を舞い始めて間違ったふりをして床柱に傷を付けて、「後で取り替えますから。」と申し上げ、後で取り替えたという話である。その後、名護の親方が死亡なされて後、初七日の日になると、白い位牌の側にもう一つ白い位牌が並んで座っていますので、七日の御馳走をあげようとしている人達は、どこが本当の位牌かわからなくなって困っていると、一人の人が、「頷きなさい名護の親方。」と言いますと、一つの位牌が頷きましたので、それを捕らえてみると狐になり、側に座っていて、親方にあげる御馳走を盗もうとしていたのですが、その時に昔の首里城での一件を思い出して、その人は、「頷きなさい名護の親方。」と言いますと頷いたという話。それから、具志頭親方も唐に留学に参られて、もう沖縄に帰るという時になってから、「私にも聖人の位をお授けになってください。」と、師匠にお願いいたしますと、その師匠様は、「あなたはまだまだ名護親方の偉徳高位に及びませんから、あなたは文若(ぶんじゃく)の位を授けます。」と言われて、具志頭親方は文若の位を授かって帰って来られたそうです。平成9年2月17日 高江洲亮翻字 T4A1

再生時間:16:32

民話詳細DATA

レコード番号 47O170029
CD番号 47O17C004
決定題名 名護親方(方言)
話者がつけた題名 名護親方(程順則)
話者名 阿波根昌栄
話者名かな あはごんしょうえい
生年月日 19210309
性別
出身地 沖縄県中頭郡北谷町字上勢頭
記録日 19970217
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 T04A01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話、 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 『想い出の昔話』
キーワード 名護親方,程順則,雷の子虎の子,土生まれ石生まれ,具志頭親方,ヒンプン,雀,逆さ床柱
梗概(こうがい) 〔方言原話〕 くれー、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)ぬ話い。名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)んでぃる人(ちょー)、じこー優(すぐ)りみそーやーに、人(ちゅ)ぬ位(くれー)ぬ、一番うゎーびぬ位(くれー)、聖人(しーじん)ぬ位(くれー)授(いー)みそーちょーしが、くぬ位(くれー)や、神ぬ位(くれー)ぬ下(しちゃ)る聖人(しーじん)ぬ位(くれー)やしが、唐ぬ国んかいめんそーやーなかい、学問(がくむん)うみはまみそーやーなかい、聖人(しーじん)ぬ位(くれー)授(い)てぃめんそーちょーる人(ちゅ)ぬ話いやん。うぬ人(ちゅ)、唐ぬ国うてぃ、話いなかい、「雷(かんない)ぬ子(くゎ)買(こー)り、虎(とぅら)ぬ子(くゎ)買(こー)りー。」ぬ話いや、ゆー、あまくまうてぃ、聞(ち)かりーしが、うれー、学問(がくむん)さがなー、皆(んな)、先生(しんしー)ぬ話い聞(ち)ちょーる時(ばー)に、「雷(かんない)ぬ子(くゎ)買(こー)り。」し、行商人(あちねーさー)があびてぃ歩(あっ)ちゃくとぅ、他(ふか)ぬ人達(ちゅぬちゃー)や、皆(んな)、珍(ふぃるま)さし、雷(かんない)ぬ子(くゎ)んでぃせー、見(んー)ちぇー見(んー)だんでぃ言(いゃー)に、飛(とぅ)び出(んぢ)とーたんでぃしが、名護(なじ)ぬ親方(うぇーかた)、見(んー)ぢーがめんそーらんたんでぃ。あんさくとぅ、先生(しんしー)が、「何故(ぬーんち)、皆(んなー)見(んー)ぢーが行(い)ちゅるむんぬ、やーや、雷(かんない)ぬ子(くゎ)見(んー)ぢーがー行(い)かんある。」んでぃ言(い)みそーちゃくとぅ、「雷(かんない)でぃせー。あれー、動物(いちむせー)あいびらんくとぅ、ありが子(くゎ)んでぃちぇー居(う)いびらん、やくとぅ見(んー)ぢーが行(い)ちゃびらん。」でぃ、言(いゃー)に残(ぬく)とーみせーたんでぃ。あんし、今度(くんどー)うぬ後(あとぅ)、「虎(とぅら)ぬ子(くゎ)買(こー)りー。」しあびてぃ歩(あっ)ちゃくとぅ、他(ふか)ぬ人達(ちゅぬちゃー)や、「なー、虎(とぅら)ぬ子(くゎ)んでぃせー、見(んー)ちゃるぐとぅるある。」んち、皆(んな)、見(んー)ぢーが行(い)かんしが、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)見(んー)ぢーがめんそーち、帰(けー)てぃめんそーちゃくとぅ、先生(しんしー)が、「あんせー、皆(んな)虎(とぅら)ぬ子(くゎ)見(んー)ぢーがー行(い)かんむんぬ、やーや、虎(とぅら)ぬ子(くゎ)、見(ん)ぢが行(いん)だんなー。」んでぃ言(い)みそーちゃくとぅ、「うー、あぬー、沖縄(うちなー)や小国(すーくく)なてぃ、虎(とぅら)ぬーぬんちぇ居(う)いびらん、唐ぬ国広(ふぃる)さぬ、虎(とぅら)ぬ居(う)しが、私(わん)ねー、なーだ虎(とぅら)ぬ子(くゎ)んでぃせー見(んー)ちぇー見(んー)だんなやーなかい、ちゃぐとぅがそーらんち、見(んー)ぢが行(い)ちゃびたん。」でぃち、話いさびたくとぅ、「えー、あぬい。」んでぃ言(い)みせーたんでぃ。くりが、「雷(かんない)ぬ子(くゎ)買(こー)り。ー」虎(とぅら)ぬ子(くゎ)買(こー)りー。」ぬ話いやしが、うぬ後(あとぅ)、あるとぅくまから、使者(ちけー)ぬ来(ち)、「名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)ゆしりみせーるぐとぅ。」んでぃる事(くとぅ)んかいなたくとぅ、うぬ先生(しんしー)や、「とーとー、くれー、当(あ)たい前(めー)ぬとぅからーあらん、じこー上(うぃ)ぬとぅくまーからぬ呼(ゆ)びたてぃちょーくとぅ、返事(ふぃんぜー)立派(りっぱん)し来(くー)よー。」んち、やらしみそーちゃくとぅ、あま行(いん)ぢゃれー、白髪(しらぎ)生(みー)とーみせーる御年寄(うとぅすい)ぬ、「名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)んでぃせー、やーやるい。」んでぃ言(い)みそーちゃくとぅ、「うー。」んち返答(ふぃんとー)うなきてぃさくとぅ、「あんせー、やーや、土(んーちゃ)からる生(ん)まりてぃ、石からる生(ん)まりてぃー。」んでぃち問(とー)みそーちゃくとぅ、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)いふぇー考(かんげ)えみそーやーなかい、「私(わん)ねー石から生(ん)まりーびたん。」んでぃ言(い)みそーちゃくとぅ、「あー、やーや、石からる生(ん)まりてぃ、土(んーちゃ)からんでぃ言(いー)ねー、神ならりーたるむんぬ。」んでぃ言(い)みそーちゃくとぅ、「沖縄(うちなー)や小国(すーくく)るやいびーる。」んち、戻(むどぅ)てぃめんそーちゃくとぅ、御師匠(うししょう)ぬ前(めー)ぬ、「ぬーんでぃ言(い)みせーたが。」んち、問(とー)みそーちゃくとぅ、「やーや、土(んーちゃ)からる生(ん)まりてぃ、石からる生(ん)まりてぃんでぃ言(い)みせーたくとぅ、私(わん)ねー石から生(ん)まりーびたん、ち、御返事(ぐふぃんじ)うなきーびーたん。」でぃち、話いさくとぅ、「やーや、あんせー、うれー良(ゆ)うわかとーる筈(はじ)でーむんぬ、土(んーちゃ)命(ぬち)ぬ親(うや)んでぃせー、私(わー)がん教(ならー)ち、良(ゆ)うわかとーる筈(はじ)でーむんぬ、何故(ぬーんち)やー石から生(ん)まりたんでぃ言(い)ちゃが。」んでぃ、言(い)みそーちゃくとぅ、「沖縄(うちなー)ぬぐとーる小国(すーくく)うてー、神ぬ位(くれー)持(むっ)ちぇー育(すだ)ちぐりさいびーん、やくとぅ、私(わん)ねー、神ぬ位(くれー)や辞退(じてー)さびたん。」でぃ言(い)ちゃくとぅ、「やーや、神ぬ位(くれー)辞退(じてー)せーるむんやれー、神ぬ位(くれー)ぬ下(しちゃ)、聖人(しーじん)やくとぅ、やーや、聖人(しーじん)ぬ位(くれー)いーらさやー。」んち、うぬ後(あとぅ)からー聖人(しーじん)ぬ位(くれー)いーてぃ、名護聖人(なぐしーじん)でぃ、うなきーるぐとぅんかいなとーんでぃ。あんさーに、琉球(りゆちゅー)んかい帰(けー)てぃめんそーち後(あとぅ)、首里御城(すいうーぐしく)ぬ城内(しるうち)うてぃ吟味(ぢんみ)ぬ時(ばー)に、今度(くんどー)、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)とぅ、同等(いーぬぐとぅ)ぬーんてぃ、良(ゆう)知(しっ)ちょーみせーる具志頭親方(ぐしちゃんうぇーかた)んでぃる親方(うぇーかた)ぬめんせーしが、政治面(しーじむち)んかい、大変(じこー)うみはまとーみせーる御方(うかた)やみせーしが、ある時(ばー)ぬ吟味(ぢんみ)に、色々(いるいる)吟味(ぢんみ)しさくとぅ、他(ふか)ぬ方々、具志頭親方(ぐしちゃんうぇーかた)ぬ言(い)みせーる通(とぅー)い、んち、合点(がってぃん)そーみせーしが、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)合点(がってぃん)しみそーらんなたくとぅ、あんせー、ちゃーすが、んでぃる事(くとぅ)んかいなてぃそーしが、昔(んかし)ぬ沖縄(うちなー)うてぃ、くとぅぬしらびうてぃ一人(ちゅい)やてぃん、否(うる)合点(がってぃん)する人(ちゅ)ぬ居(う)いねー、うぬくとー通(とー)らんくとぅ、うぬ是非(じふぃ)正する事(くとぅ)んかいなたくとぅ、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)ぬ側(すば)んかいいちょーみせーる親方(うぇーかた)ぬ、「皆(んな)、合点(がってぃん)そーみせーくとぅ、否(うる)合点(がってぃ)のーやみせーてぃん、頷(んなじ)ちみそーり名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)。」んち、他(ふか)ぬ人(ちゅ)ねー聞(ち)からんぐとぅし頼(たる)だくとぅ、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかたー)頷(んなじ)ちみせーたんでぃ。あんさくとぅ、吟味(ぢんめー)まとまとーるしじやしが、「頷(んなじ)ちみそーり名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)。」今(なま)てぃん、ぬーがな吟味(ぢんみ)ぬ時(ばー)に、いーにーぶいそうてぃ、あぎぶにくーぢょーる人(ちゅ)ぬ居(う)いねー、「頷(んなじ)ちみそーり名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)やさ。」んでぃ言(いゅ)ん。あんしそーしが、また、今度(くんどー)、意見(いちん)ぬ合(あ)はらんどぅあくとぅなー後(あとー)なー、名護(なぐ)ぬ部落(しま)んかい移(うとぅ)さりみそーちさくとぅ、んまうてぃ暮らちょみせーるばーやしが、んまうてぃ、一人(ちゅい)ぬ嫡子ぬ生(ん)まりてぃ、なー、じこーうっさそみせーしが、ようやく立(た)ちゅがやー、歩(あっ)ちゅがやーんでぃるあたいなとーる時(ばー)に、親方(うぇーかた)ぬ前(めー)が書(か)ちぇーみせーる書(か)ち物(むん)なかい、点(てぇん)ぬ抜(ぬ)ぎてぃ、間違(まちが)とーるとぅくまぬ有(あ)しが、親方(うぇーかた)ぬ前(めー)や、うれー気に付(ち)ちみそーらん、うぬまま、台ぬ上(うぃ)んかい置(う)ちぇみせーる時(ばー)に、うぬ一人(ちゅい)嫡子ぬよんなよんな歩(あっ)ち行(いん)ぢゃーに、台(でー)ぬ側(すば)んぢ立(たっ)ち、筆(ふでぃ)取(とぅ)やーなかい、うぬ間違(まちが)とーる所(とぅくま)、けー直(のー)ちゃんでぃ。うり見(んー)ちょーみせーたる親方(うぇーかた)ぬ前(めー)や、「くれー人(ちょー)あらん、神るやる。」んち、心(くくる)んかい、信じとーみせったんでぃ。あんしそーしが、だー、うぬ一人(ちゅい)嫡子(ちゃくせー)幼少(ゆーすー)そーいに、「七才(なっち)成らん間(うぇーま)幼少(ゆーすー)んでぃ言(いゅ)しが、七才(なっち)成れーからー、一人前(ちゅい)とぅし認(みとぅ)みてぃ、龕(がん)んかい乗(ぬ)してぃ葬式(だび)すしが、うり達しらん間(うぇーま)、幼少(ゆーすー)んでぃ言(いゃー)なかい、龕(がん)んかえー乗(ぬ)しらん。」まーちさくとぅ、奥方(あやーめー)、悲哀(あわり)、悲痛(よーり)しみそーち、「あったる一人(ちゅい)嫡子、まーしみてぃねーらんむん、ちゃーあたれーしむが。」んち、泣(な)ち暮(く)らちめんせーたんでぃ。さくとぅ、親方(うぇーかた)ぬ前(めー)や、「あれー、私達(わったー)嫡子(ちゃくせー)あらん、神ぬ私達(わったー)二人(たい)が身体(どう)借(か)やなーかい、くぬ世(ゆ)んかい、姿(しがた)る現(あらは)ちょーみせーる、私達(わったー)二人(たい)が嫡子(ちゃくせー)あらんどー、神るやみせーんどー。」んち、話いそーみせーしが、奥方(あやーめー)や「う、う、う、私達(わったー)一人(ちゅい)嫡子るやいびーる、貴方(うんじょー)一人(ちゅい)嫡子うーなてぃん、悲哀(あわり)、悲痛(よーり)しみそーらに。」んち、くさみちみそーちゃくとぅ、後(あとー)、「りっちゃー、あんせー行(いん)ぢ見(んー)だやー。」んち、うぬ一人(ちゅい)嫡子葬(ほーむ)てーる墓んかいめんそーやなかい、「開(あ)きてぃ、棺箱(くゎんばく)ぬ蓋取(とぅっ)てぃ見(んー)ちゃくとぅ、中(なーか)んかえー、柴木(しばき)ぬ葉(ふぁー)ぬ満杯(みっちゃか)やーなかい、遺骨(くちたま)ねーらんなてぃさくとぅ、奥方(あやーめー)や、「あー、あんどぅやみせーてぃ。」んでぃち、うんにんからー、また、元(むとぅ)ぬいー奥方(あやーめー)なてぃ、一緒(まじゅーん)暮(く)らしみそーちゃんでぃ。うれー、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)七代(しちでー)ぬ精霊(しいー)受(う)きてぃる生(ん)まりそーちゃんでぃる話い。さくとぅ、今度(くんどー)、門口(じょーぐち)ぬ内側(うちばた)んかい、ふぃんぷん作(ちゅく)みそーやーなかい、だー、自分(どぅー)や他(ふか)ぬ人(ちゅ)やかねー、抜(ぬ)ぎ出(んぢ)たる為(たみ)なかい、名護(なぐ)んかいやらさっとーくとぅ、昔(んかせー)なー、枯木(かりき)山原(やんばる)んち、「名護(なぐ)や山原(やんばる)ぬ行(い)ち果(は)てぃがやゆら。」んでぃ言(いゅ)るあたい、疲弊(ふぃび)なとぅくまやしが、んまんかいやらさーに、暮(く)らちょーみせーるばーやしが、屋敷(やしち)ぬ門(じょー)ぬ内側(うちむてぃ)んかい、ふぃんぷん作(ちゅく)みそーち、うぬふぃんぷんぬ手入(てぃーい)りしみせーがなー、「伸(ぬ)ばがんなよーやーふぃんぷん並(なみ)る美(ちゅら)さんどー。」んでぃ、言(い)みせーがなー、手入(てぃーい)りしみせーたんでぃ。あま、くま、高く立ち上(あ)がとーる木(きー)ぬ枝(ゆだー)全部(むる)鋏(はさん)し摘(ち)みやがなー、「並(なみ)る美(ちゅら)さんどー、伸(ぬ)ばがんなよー。」んち、人(ちゅ)んかい物(むぬ)言(いゅ)んねーし、「伸(ぬ)ばがんなよー、伸(ぬ)ばがいねー、切(ち)らりーんどー。」んち、自分(どぅー)ぬ子(くゎ)んかい、物(むぬ)言(いゅ)んねーそーてぃ、うぬふぃんぷん作(ちゅく)みせーたんでぃ、「後(あとぅ)から、村ぬ入口んかいふぃんぷんガジュマルぬ植(うぃ)らってぃ、今(なま)ん立派(りっぱ)に育(すだ)ちょーん。」あんし、暮(く)らちょーみせーしが、今度(くんどー)、村ぬ人達(ちゅぬちゃー)がうしてぇーし、んまんかい物(むん)習(なれー)しーがんち、集(あち)まてぃちゅーしが、うぬ人達(ちゅぬちゃー)んかい、色々(いるいる)話いさがなー、庭んかい雀(くらー)ぐゎー達(たー)が沢山(だちぇーん)集(あち)まてぃちゃーに地(ぢー)ぬ上(うぃー)から、ぬんくぃー拾(ふぃっ)てぃ食(くゎ)いぎーしが、うり見(んー)ぢみそーち前(めー)んかいいちょーる人達(ちゅぬちゃー)んかい、親方(うぇーかた)ぬ前(めー)が、「あー、いぇー、あぬ雀(くらー)ぐゎー達(たー)や、今(なま)話いさぎーしが、後(くし)ぬ田(たー)んかい行(い)ちゃーなかい、田(たー)やなー稲(んに)ぬ赤肌(あかざみち)そーくとぅ、行(い)ちゃーなかい、皆(んな)し食(か)まな、んち、話いさぎーん。」でぃち、うぬ人達(ちゅぬちゃー)んかい話いさくとぅ、うぬ人達(ちゅぬちゃー)や、「ふー雀(くらー)ぐゎーぬん話いさびーみ。」んでぃ言(い)ちゃくとぅ、親方(うぇーかた)ぬ前(めー)や、「んー、あったーん話いそーんどー。」んち、話いしみそーちゃくとぅ、「ちゃーしわかみせーが。」んち、人達(ちゅぬちゃー)が問(とー)たくとぅ、親方(うぇーかた)ぬ前(めー)や、「だーだー、待(まっ)ちょーれー。」んでぃ言(い)みそーやーなかい、「硯(しじり)んかいする摺(し)てーる墨筆(しめーふでぃ)んかいみっちゃき含(くく)ままさーに、うぬ筆(ふでぃ)、雀(くらー)ぐゎー達(たー)んかい向(ん)かてぃ振(ふ)たくとぅ、墨(しめー)うぬ飛(とぅ)び立(た)ちゅる雀(くらー)ぐゎー達(たー)ぬ喉(ぬーでぃー)から、頬面(ほーじら)んかいむる引(ふぃ)っ付(ち)かてぃさくとぅ、親方(うぇーかた)ぬ前(めー)が、「とー、うぬ雀(くらー)ぐゎー達(たー)や、喉(ぬーでぃー)から頬面(ほーじら)んかい墨(しみ)引(ふぃ)っ付(ち)きてぃくとぅ、行(い)ちゃーに、見(んー)ち見(んー)でー、あまんかい墨(しみ)ぬたっちかとーる雀(くらー)ぐゎー達(たー)が、行(いん)ぢょーる筈(はじ)どー。」んち、話いしみそーちゃくとぅ、皆(んな)、「でぃっちゃーあんせー。」んち、行(いん)ぢ、見(んー)ちゃくとぅ、言(いゅ)んねー、すんねー、喉(ぬーでぃー)から、頬面(ふーじら)んかい摺(し)てーるぬたっちかとーる雀(くらー)ぐゎー達(たー)が行(い)ぢょーたんでぃ。うんにんから、うぬ雀(くらー)ぐゎー達(たー)ぬ子(くゎ)、孫(んまが)や、喉(ぬーでぃー)ん、頬面(ふーじら)ん墨(しみ)ぬたっちきとーる雀(くらー)ぐゎーが生(ん)まりとーんでぃ。あんし、また、うぬ子(くゎ)、孫(んまが)ぬ雀(くらー)ぐゎー達(たー)や今(なま)までぃん、喉(ぬーでぃー)から頬面(ふーじら)んかい墨(しみ)ぬたっちきとーん。うぬ後(あとぅ)、沖縄語(うちなーぐち)ぬいろは歌作(ちゅく)みそーち、い、や、「意見(いちん)ゆしぐとぅや、身ぬ上(うぃ)ぬたから、耳ぬ根(に)ゆあきて、肝(ちむ)にとみり。」ろ、や、「櫓(ろ)かじ定(さだ)みてど、船(ふに)んはらしゆる、寸法(しんぷ)はじらすな、肝(ちむ)ぬ手綱(たんな)。」んち、いろはにし、五十音ぬ歌作(ちゅく)てぃそーみせーしが、また、「静(しじ)かなりすみり、常(ちに)に身が心(くくる)、波立たん水(みじ)どぅ、影(かぎ)や写(うち)る。」んち、波ぬ立たんありはる、影(かーがー)や写(うてぃー)んどー、自分(どぅー)ぬ心(くくろー)、自分(どぅー)くる写(うとぅ)ち見(んー)だはる良(ゆ)たさ、わっさーわかいんどー、良(ゆ)う、慎(ちちし)みよー、んでぃる歌やしが、また、反対に、具志頭親方(ぐしちゃんうぇーかた)や、「謗(すし)り褒(ふ)みらりや、世(ゆ)ぬ中ぬなれー、沙汰んねん者(むん)ぬぬ役立ちが。」んでぃち、大変(じこー)意地強い(ちゅー)さる歌作(ちゅく)とーみせーし、あんし、うぬ後(あとぅ)、親方(うぇーかた)し、皆(んな)ぬ人達(ちゅぬちゃー)んかい、「やがてぃ、那覇(なーふぁ)から名護(なぐ)までぃ、村ん、町ん続(ちぢ)ち、名護(なごー)都(みやく)ないんどー。」んでぃ言(い)みせーたんでぃしが、今(なま)ねーなー、那覇(なーふぁ)から名護(なぐ)までぃ、あしとぅぬかーじ町ん、村ん、続(ちぢ)ちょーん、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)ぬ言(い)みせーたんでぃせー、本当(ふんとー)やんでぃ思(うむ)とーん。また、くれー、私達(わったー)大工(でーく)ぬ話いやしが、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)ぬ、家(やー)建築(ぶしん)しみそーちゃくとぅ、他(ふか)ぬ家(やー)建築(ぶしん)ねー、十時、三時ぬ茶わき出(んぢ)ゆい、きんぢーん有(あ)しが、くぬ家(やー)や、ぬーんねーらんなてぃさくとぅ大工(でーく)やくさみちゃーに、床柱(とぅくばーや)逆立てぃし、知らんふーなーそーたんでぃしが、くーすびーぬ日(ふぃ)なたくとぅ、賃金(ふぃーまー)払(はら)てぃぬ後(あとぅ)、御馳走(くゎっちー)ぬ御膳(うじ)ぬんかいや、銭(じん)肴(ざかな)ぬ出(んぢ)てぃさくとぅ、親方(うぇーかた)ぬ前(めー)が、「くれー、今(なま)までぃぬ茶わきとぅ、きんぢーぬ代金(でー)やくとぅ、持(むっ)ち行(いん)ぢゃーに、妻(とぅぢ)、子供達(くゎぬちゃー)んかい使(ちかー)し。」んでぃ言(い)みそーちゃくとぅ、うぬ大工(でーく)や御祝(うゆえー)ぬ終(う)わいがたーなたくとぅ、手斧(てぃーん)持(むっ)ち出(んぢ)やーなかい、手斧(てぃーん)舞(もー)いさーに、間違とーるふーなーさーに、床柱(とぅくばしら)んかい、傷(きじ)付(ち)きやーなかい、「取(とぅ)い替(けー)いびーくとぅ。」んち、後(あとぅ)から取(とぅ)い替(けー)たんでぃる話いやん。うぬ後(あとぅ)名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)ぬまーしみそーち、初七日(はちなんか)なてぃさくとぅ、白位牌(しるいーふぇー)ぬ側(すば)んかい、なー一(てぃー)ち白位牌(しるいーふぇー)ぬ並(なら)でぃさくとぅ、七日(なんか)うさぎーんでぃそーみせーる人達(ちゅぬちゃー)や、まーが本当(ふんとー)やらわからんなてぃさくとぅ、一人(ちゅい)ぬ者(むん)ぬ、「頷(んなぢ)ちみそーり、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)。」んでぃ言(い)ちゃくとぅ、一(てぃー)ちぬ位牌(いーふぇー)ぬ頷(んなぢ)ちたんでぃ。うり取(とぅ)捕(かち)みやーに、しみたくとぅ、狐(ちち)なてぃ、側(すば)んかいいちょーてぃ、親方(うぇーかた)んかいうさぎーる御馳走(くゎっちー)盗まんでぃそーるばーやしが、うんにんに、「頷(んなぢ)ちみそーり、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)。」んでぃ言(い)ちゃくとぅ、頷(んなぢ)ちゅたんでぃる話い。うりから後(あとぅ)、具志頭親方(ぐしちゃんうぇーかた)ん唐(とー)んかい留学(るーがく)しめんそーち、なー、沖縄(うちなー)んかい帰(けー)てぃめんせーんでぃる時(ばー)に、「私(わん)にんかいん、聖人(しーじん)ぬ位(くれー)授(くぃ)てぃくぃみそーらんがやー。」んち、師匠んかい御願(うにげー)さくとぅ、御師匠(うししょう)ぬ前(めー)や、「やーがなーま、名護(なぐ)ぬ親方(うぇーかた)ぬたきぶぬんかえー及(うゆ)ばらんくとぅ、やーや、文若(ぶんじゃく)ぬ位(くれー)やさ。」んでぃ言(い)みそーち、具志頭親方(ぐしちゃんうぇーかた)文若(ぶんじゃく)ぬ位(くれー)授(いー)てぃめんそーちゃんでぃ。〔共通語訳〕 これは名護親方(なごうぇーかた)の話。名護の親方を言われるお方は、非常に偉いお方であって、人の位の最高位、聖人の位を授けられた方ですが、この位は神の位の次が聖人の位ですが、唐の国に参られて、、学問を熱心に勉強なされ、その功績を讃えられて聖人の位を授けられて参った方の話である。その方が唐の国での話。「雷の子買いませんか、虎の子買いませんか。」の話は有名で方々で聞かれますが、その話は親方がみんなと一緒に先生の話を聞いて勉強している時に、「雷の子買いませんかあ。」と言って、物売りの声が聞こえますと、他の人達はみんな珍しがって、「雷の子を見たことがない。」と言って飛び出して行きましたが、名護親方は見に行かれませんでした。そうすると、先生が、「何故、みんなは見に行くのに君は雷の子を見に行かないか。」と言われますと、「雷というのは動物ではありませんので、雷には子供はおりません、だから見に行きません。」と申し上げて残っておられたそうです。すると今度はその後、「虎の子買いませんかあ。」と呼びながら物売りが通りますと、他の人達は、「もう、虎の子は見たことがあるから。」と、見に行きませんでしたが、名護親方は見に行かれました。そうして帰ってくると先生が、「他のみんなは見に行かないのに、なんで君は見に行ったのか。」と尋ねますと、親方は、「はあ、あのう、沖縄は小国ですから虎などはおりませんが、唐の国は広くて、虎もおります。私は未だ虎の子を見たことがありませんので、どのような恰好をしているのかと思って見に行きました。」と申し上げますと、「ああ、なるほど、そうであったか。」と言われたそうです。これが、「雷の子買いませんか、虎の子買いませんか。」の話ですが、その後、あるところから使者が来て、「名護親方、参るように。」との事でした。するとその先生は、「おおおお、これは普通のところからのお使いではない。非常に上位のところからの呼び出しがきているから、返答は間違いのないように立派にして来なさい。」と教えて行かせました。あそこに行きますと、白髪を生やしたお年寄りが、「名護の親方というのはあなたですか。」と言われますので、「はい。」と返事致しますと、「それではあなた土から生まれたのですか、石から生まれたのですか。」と問いますので、名護の親方は少しお考えになられてから、「私は石から生まれました。」と申し上げますと、そのお年寄りは、「ああ、あなた石から生まれたのか、土から生まれたを言えば神になられたのにねえ。」と言われますと、名護の親方は、「沖縄は小国でございます。」と申し上げて戻って参りますと、先生が、「向こうでは何と申されたか。」と問いますので、「あなた土から生まれたのか、石から生まれたのかと申されましたので、私は石から生まれましたとご返事申し上げました。」と話しますと、「あなたはその事は良く承知している筈なのに、土は命の親ということは私が教えて良くわかっている筈なのに、何故あなた石から生まれたとご返事申し上げたのか。」と申されますので、「沖縄のような小国では神の位を持っては育ちにくいのです。だから私は神の位を辞退いたしました。」と申し上げますと、「あなたは神の位を辞退するのであれば、神の位の次は聖人だからあなたには聖人の位を授けよう。」と言われて、その後は聖人の位も授かり、名護聖人と申し上げるようになったとの事である。そして琉球に帰って参られて後、首里城(しゅりじょう)の城内でいろいろな会議に参加している時に、今度は名護親方と同等に物事を良く知っておられる具志頭親方(ぐしちゃんうぇーかた)という親方がおられますが、政治面に大変精通されているお方ですが、ある時に会議にいろいろ吟味しますと、他の方々は皆、具志頭親方の意見に賛成しているのですが、名護の親方は不賛成なされたのです。さあ、それではどうするかということになったのですが、昔の沖縄の議会の方式は、一つの議案の審議において、一人でも不賛成がいるとその議案は通らないので、その是非を正すことになりましたので、名護親方の側に座っておられた親方が、「皆は賛成しておられます、不賛成でしょうが、頷いて下さい名護の親方。」と、他人には聞こえないように頼みますと、名護の親方は頷かれたのです。それで審議がまとまったのですが、「頷いて下さい名護の親方。」今でも何かの審議の時に居眠りでもしていて、陸の舟を漕いでいる人がいると、「頷きなさい、名護の親方だ。」と言うそうなんだが、今後は意見が合わなくなったので、もう後は、名護の部落に移されましたので、そこで暮らしておられるのですが、そこで長男が生まれますととても喜ばれたのです。その子がようやく立ち上がって歩き初めの頃の時に、名護の親方が書台で書き物をなさってそのまま置いてありますと、書き物に点が抜けて間違ってるところがあるのですが、親方は気が付いていませんで、そのまま台の上に置いておきますと、一人嫡子がゆっくりゆっくり歩いて行って、台の側に立ち筆を取ってその間違えているところを直したのです。それを見ていた親方は、「これは、人ではなくて神様だ。」と心の中に信じておられたという。そうしているうちにその一人嫡子は、幼少の頃、「数え年、七才にならない間は幼少と言うが、七才になると一人前と認められて、龕に乗せて葬式するが、七才にならない子供は龕にお乗せないで葬式をする。」に死亡しますと、奥方は非常に悲しまれ、悲嘆悲痛されて、「可愛い一人嫡子を失ってしまってもうどうしたらよいか。」と、毎日泣き暮らしてますので、名護の親方は奥方に、「あの子供は私達の嫡子ではなくて、神様が私達二人に身体を借りて、この世に姿を現されたのであって、私達二人の嫡子ではないよ、神様でいらっしゃったのだよ。」と申して聞かせましたが、奥方は聞き入れず、「いいえ、私達の嫡子でございます。あなたは一人嫡子を死亡させても、悲嘆悲痛なさいませんか。」と怒られましたので、最後には、「それでは行って見ようね。」とその一人嫡子を葬ってある墓に行って、墓を開き棺箱の蓋を取ってみると、その棺箱の中には柴木の葉が一杯詰まっていて遺骨はありませんので、奥方はそれを見て、「ああ、そうでございましたか。」と納得されて、その時からまた、元の良い奥方になられて一緒に暮らされたそうです。それは、名護の親方は、七代の精霊を受けてお生まれになったというお話である。すると今度は、門の内側に目隠し垣を作って、自分は他人よりも抜き出たために名護に移されているから、昔は枯木山原(かりきやんばる)と言われ、「名護は山原(やんばる)の最後だろうか。」と言われるくらい疲弊したところだが、そこに行かされて暮らしておられたのであるが、そこで屋敷の門の内側に目隠し垣を作られたのである。そして、その目隠し垣の手入れをなさりながら、「伸び上がるなよ目隠し垣、並が美しいんだよ。」と声掛けながら手入れをなされたそうである。あそこ、そこの高く立ち上がった木の枝を、みんな鋏で摘み枝しながら、「並が美しいんだよ、伸び上がるなよ。」とまるで人間に話して聞かせるように、「伸び上がるなよ、伸び上がったら切られるよ。」と、自分の子供にでも言い聞かせるように話したら、その目隠し垣を作られたそうである。後から村の入口に目隠しがじゅまるが植えられ、今も立派に育っている。」そのような暮らしをなさっていると、今後は周囲の人達はお慕いして物事を習いに集まるようになって、その人達にいろいろ話したら庭に雀んも集団が飛んできて、地上からいろいろ餌を拾って食べているが、それを見て前に座って話を聞いている人達に、名護の親方は、「おお、おお、あの雀達は会話し合っているが、後ろの方の田んぼに行って、向こうの田の稲はもう色づいているから、行ってみんなで食べようと話し合っている。」と、その人達に話しますと、その人達は、「ほう、雀でも話し合いますか。」と申しますと、「ううん、彼らも話し合うよ。」と話されますので、その人達は、「いかにしてそのような事がわかりますか。」と、その人達は尋ねますと、親方は、「そうだ、少し待ちなさい。」と言われて、書台の硯に摺ってある墨を筆に十分含ませて、その筆を庭の雀達目掛けて振ると、驚いて飛び立つ雀達の頬から喉にかけて付着しますと、親方が、「そうれ、その雀達は喉から頬面にかけて墨が付着しているから、行って見てごらん、あそこに墨の付いた雀達が行っている筈だよ。」と話されますと、集まっていた人達は皆、「よし、それでは。」と言うので行って見ると、言うに違わず、喉から頬面にかけて真っ黒く摺った墨の付いた雀達がいたのです。そして、その雀達の子、孫には、喉を頬面に墨の付着したのが生まれるようになり、また、その子孫は今でも喉と頬面に墨が付着しているのです。その後、沖縄方言でのいろは歌を作られて、「い」は、「意見(いちん)ゆしぐとぅや、身ぬ上(うぃ)ぬたから、耳ぬ根(に)ゆあきて、肝(ちむ)にとみり。」「ろ」は、「櫓(ろ)かじ定(さだ)みてど、船(ふに)んはらしゆる、寸法(しんぷ)はじらすな、肝(ちむ)ぬ手綱(たんな)。」などと、沖縄の方言での五十音の歌を作られました。また、その他に、「静(しじ)かなりすみり、常(ちに)に身が心(くくる)、波立たん水(みじ)どぅ、影(かぎ)や写(うち)る。」と、波の立たない時に影は写るもの、自分の心は自分で写してみないと善し悪しはわからないから、よくよく慎みなさいよ、との歌ですが、また、反対に具志頭親方は、「謗(すし)り褒(ふ)みらりや、世(ゆ)ぬ中ぬなれー、沙汰んねん者(むん)ぬぬ役立ちが。」と、大変意地の強い歌を作っておられる。そしてその後、親方は皆の人達に、「やがて那覇(なは)から名護(なご)まで村や町が続き、名護は都になるよ。」と言われたそうですが、今はもう、那覇から名護まで一足ごとに町も村も続いていて、名護の親方の言われたのは本当の事だったと思っている。またこれは、私達の棟梁の話だが、親方が自分の家を建設なさる時に、他の家屋建築の時には、十時休み、三時休みにはお茶受もでるし、近親招待もあるが、この家は何もないので棟梁が怒ってしまって、床柱を逆さまに立て、知らぬ顔していたそうですが、工事が仕上がって、その仕上がり祝いの時に、賃金などの支払いを済まして後、お祝いになると、御馳走お膳には銭肴が出ていて、親方が、「これは今までのお茶受と近親招待の代金だから、持って帰って妻や子供に使わしなさい。」と言われましたので、その棟梁はお祝いが終わりそうになった時に、手斧を持ち出して、手斧の舞を舞い始めて間違ったふりをして床柱に傷を付けて、「後で取り替えますから。」と申し上げ、後で取り替えたという話である。その後、名護の親方が死亡なされて後、初七日の日になると、白い位牌の側にもう一つ白い位牌が並んで座っていますので、七日の御馳走をあげようとしている人達は、どこが本当の位牌かわからなくなって困っていると、一人の人が、「頷きなさい名護の親方。」と言いますと、一つの位牌が頷きましたので、それを捕らえてみると狐になり、側に座っていて、親方にあげる御馳走を盗もうとしていたのですが、その時に昔の首里城での一件を思い出して、その人は、「頷きなさい名護の親方。」と言いますと頷いたという話。それから、具志頭親方も唐に留学に参られて、もう沖縄に帰るという時になってから、「私にも聖人の位をお授けになってください。」と、師匠にお願いいたしますと、その師匠様は、「あなたはまだまだ名護親方の偉徳高位に及びませんから、あなたは文若(ぶんじゃく)の位を授けます。」と言われて、具志頭親方は文若の位を授かって帰って来られたそうです。平成9年2月17日 高江洲亮翻字 T4A1
全体の記録時間数 16:32
物語の時間数 16:32
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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