細工の仕事(方言)

概要

〔方言原話〕 私達(わったー)や細工(せーく)習(なら)てぃ、鉋自分(どぅー)くる買(こー)てぃ荒鉋(あらがなー)ようやく掛(か)きゆーするあたいないねー、棺箱(くゎんばく)、宝箱(たからばく)んでぃん言(いゅ)しが、うりが、内側(うちがー)寸法教(ならー)さりーん。あんし、うぬ材料(いりぐ)や、五分板(ごぶいた)ぬ、巾一尺、長さ六尺ぬ三枚(さんめー)、また、二分五厘板(にぶごりんいた)、巾一尺、長さ六尺ぬ三枚(さんめー)し丁度(ちょーどぅ)一坪(ちゅちぶ)とぅ、一寸五分角ぬ、長さ六尺、二本(たーち)さーに、全部(むる)作(ちゅく)らりーん。また、釘(くじ)、一寸五分とぅ、八分さーに、半分なーし、半分有(あ)いねー全部(むる)作(ちゅく)らりーん。やしが、うり、間違(ばっぺー)てぃ、切(ち)りやんじーねー。うっさせー作(ちゅく)ららんないくとぅ、うりが作(ちゅく)い方教(ならー)さりーん。沖縄(うちなー)うてー、土葬んでぃ言(いゅ)しが、風葬るやくとぅ、うぬ箱(はく)とぅ、箱(はく)乗(ぬ)しーる台(でー)とぅ、位牌(いーふぇー)、うりから、花置(う)ちゅる盆(ちりでー)までぃ全部(むる)作(ちゅく)らりーん。あんしやしが、箱(はく)ぬ内側(うちわー)寸法や、決(き)まてぃるうくとぅ、うぬ箱(はく)んかいや、定間(じょーま)んでぃ言(いゅ)ん、やしが、膝(ちんし)ぬ高さぬ、入(い)らん人(ちゅ)んかいや、定間(じょーま)外(はん)でぃーんでぃ言(いゅ)くとぅ、棺箱(くゎんばく)作(ちゅく)いねー、うぬ人(ちゅ)、定間(じょーま)外(はん)でぃーみ、外(はん)でぃらに、計算(さんみん)しから、作(ちゅく)りんでぃ言(い)ち、教(ならー)さりーん、ぬーがどぅんやれー、沖縄(うちなー)ぬ人(ちょー)、長(ながー)く寝(に)んしてー、箱(はく)ねー入(い)りらん、膝(ちんし)曲(ま)ぎてぃる箱(はく)んかい、寝(に)んしーくとぅ、膝(ちんし)ぬ高さいねー、箱(はく)ぬ蓋ぬ閉(み)ちららんなやーに、うぬまま墓んかえー入(い)りららんくとぅ、棺箱(くゎんばく)作(ちゅく)いねー、まーちょーる人(ちゅ)ぬ、膝(ちんし)ぬ高さ測(はか)てぃから作(ちゅく)いん。うりから、昔(んかせー)棺箱(くゎんばこー)作(ちゅく)てー置(う)かん、人(ちゅ)ぬまーち後(あとぅ)からる細工(せーく)ぬ作(ちゅく)いくとぅ、そーり事(ぐとぅ)ぬ有(あ)る時(ばー)ねー、早速(しぐ)細工(せーく)ぬ家(やー)んかい行(いん)ぢゃーに頼(たる)むしが、自分(どぅー)ぬ部落(ちゅじゆう)んかい、細工(せーく)ぬ居(う)らん時(ばー)ねー、隣(とぅない)ぬ部落(ちゅじゆう)やらはん、また、うぬ家庭(ちねー)ぬ、親戚達(うぇーかぬちゃー)やらはん頼(たる)でぃ作(ちゅく)らすん。あんし、細工(せーこー)、旧(きわ)ぬ、大晦日(とぅしぬゆるー)ないねー、細工(せーく)道具全部(むる)しだち、夜中(ゆなか)近くないねー、御馳走(くゎっち)ん、夕飯(ゆーば)ぬうさぎてぃ、今年中(くとぅしじゅう)ぬ御礼(れでぃがふー)とぅ、来年(やーん)ぬ御願(うにげー)し、うぬ後(あとぅ)、旧正月(きゆそーぐゎち)二日(ふちか)ぬ初仕事(はちうくしー)までー、道具(どーごー)使(ちかー)ん、細工(せーく)ぬ初仕事(はちうくしー)や旧(きゆ)ぬ正月(そーぐゎち)二日(ふちか)やくとぅ、朝早(ふぇー)くやるか、夜中(ゆなか)すぎにすん、ぬーがどぅんやれー、むしか、うぬ間(うぇーま)にそーり事(ぐとぅ)ぬ有(あ)いねー、道具(どーごー)使(ちか)らんくとぅ、あんしぬーんねーらん時(ばー)ねー、重箱(じゅうばく)んかい御馳走(くゎっちー)詰(ち)みてぃ持(むっ)ち、大工(でーく)ぬ家(やー)んかい行(いん)ぢ、んまうてぃ、板一坪(ちゅちぶ)な鉋(かな)掛(ち)ちから、初仕事(はちうくしー)ぬ祝(すーじ)すしが、うぬ時(ばー)ねー、費用(いりふぇー)弟子(でぃし)持(む)ち、また、旧(きゆ)ぬ五月五日(ぐんぐゎちぐにちー)ねー、一日(ふぃっちー)ゆくてぃ、費用(いりふぇー)大工(でーく)持(む)ち祝(すじ)すん。初仕事(はちうくしー)ねー、弟子達(でぃしぬちゃー)が大工(でーく)んかいぬ御礼(にふぇー)、五月五日(ぐんぐゎちぐにちー)ねー大工(でーく)ぬ弟子達(でぃしぬちゃー)んかいぬ御礼(にふぇー)んでぃる事(くとぅ)やん。〔共通語訳〕 私達は大工を習い始めて、鉋(かんな)を自分で買って、荒鉋くらいは掛けれるようになると、棺箱、宝箱とも言うが、その箱の内側寸法を教えられる。そして、その材料は、厚さ五分、巾一尺、長さ六尺三枚と、厚さ二分五厘、巾一尺、長さ六尺三枚で丁度一坪になる。その他に一寸五分角で長さ六尺の材木二本で全部作ることができる。釘が一寸五分と八分半分づつで三百グラムで仕上がる。だが、もし切り損じると、それだけの材料で全部作ることはできないから、その作り方を教えられる。沖縄では。土葬と言っているが本当は風葬であるから、棺箱とその箱を載せる台と位牌、それから花を置く盆まで全部作られる。そういう事だが、箱の内側寸法は定まっているので、その箱には定間(じょーま)というそうなんだが、膝頭の高い人は入れられないので、定間外れというので、棺箱を作る時にはその人が定間を外れるか外れないか、十分計算して作れと言って教えられる。何故かと言いますと、沖縄の人は、長く寝かして箱に入れるのではなく、膝を曲げて箱に寝かせるので、膝頭が高いと箱の蓋が閉まらなくなってそのまま箱に入れることができないのである。だから、箱を作る時には死亡した人の膝の高さを測って作る。それから、昔は棺箱は作って置かないので、人が死亡した後に大工が作るので、死亡事がある時は早速大工の家に行って頼むのであるが、自分達の部落に大工がいない時には、隣部落かあるいはまた、その家庭の親戚の人達などを頼んで作らすのである。そうして大工は旧の大晦日になると、大工道具を全部手入れして、夜中近くになると御馳走や夕飯をあげて、今年中のお礼と来年のお願いをして、その後、旧正月二日、初仕事までは道具を使わない。大工の初仕事は旧正月二日だから、朝早くか夜半すぎにする。何故かと言えば、もしその間に死亡事がある場合には、道具が使えないからである。そして、仕事もない時には、重箱に御馳走を詰めてそれを持って棟梁の家に行き、そこで板一坪あたり鉋を掛けて、初仕事のお祝いをするが、その時の費用は全部弟子持ちである。そしてまた、旧五月五日には、一日休んで費用は棟梁持ちでお祝いをする。初仕事の時は弟子達が棟梁へのお礼、旧五月五日には棟梁が弟子達へのお礼という事だって。平成9年2月17日 高江洲亮翻字 T3B5

再生時間:3:41

民話詳細DATA

レコード番号 47O170027
CD番号 47O17C003
決定題名 細工の仕事(方言)
話者がつけた題名 細工の仕事(セェークぬしくち)
話者名 阿波根昌栄
話者名かな あはごんしょうえい
生年月日 19210309
性別
出身地 沖縄県中頭郡北谷町字上勢頭
記録日 19970217
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 T03B06
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 民俗
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 『想い出の昔話』
キーワード 棺箱,初仕事(旧正月二日)
梗概(こうがい) 〔方言原話〕 私達(わったー)や細工(せーく)習(なら)てぃ、鉋自分(どぅー)くる買(こー)てぃ荒鉋(あらがなー)ようやく掛(か)きゆーするあたいないねー、棺箱(くゎんばく)、宝箱(たからばく)んでぃん言(いゅ)しが、うりが、内側(うちがー)寸法教(ならー)さりーん。あんし、うぬ材料(いりぐ)や、五分板(ごぶいた)ぬ、巾一尺、長さ六尺ぬ三枚(さんめー)、また、二分五厘板(にぶごりんいた)、巾一尺、長さ六尺ぬ三枚(さんめー)し丁度(ちょーどぅ)一坪(ちゅちぶ)とぅ、一寸五分角ぬ、長さ六尺、二本(たーち)さーに、全部(むる)作(ちゅく)らりーん。また、釘(くじ)、一寸五分とぅ、八分さーに、半分なーし、半分有(あ)いねー全部(むる)作(ちゅく)らりーん。やしが、うり、間違(ばっぺー)てぃ、切(ち)りやんじーねー。うっさせー作(ちゅく)ららんないくとぅ、うりが作(ちゅく)い方教(ならー)さりーん。沖縄(うちなー)うてー、土葬んでぃ言(いゅ)しが、風葬るやくとぅ、うぬ箱(はく)とぅ、箱(はく)乗(ぬ)しーる台(でー)とぅ、位牌(いーふぇー)、うりから、花置(う)ちゅる盆(ちりでー)までぃ全部(むる)作(ちゅく)らりーん。あんしやしが、箱(はく)ぬ内側(うちわー)寸法や、決(き)まてぃるうくとぅ、うぬ箱(はく)んかいや、定間(じょーま)んでぃ言(いゅ)ん、やしが、膝(ちんし)ぬ高さぬ、入(い)らん人(ちゅ)んかいや、定間(じょーま)外(はん)でぃーんでぃ言(いゅ)くとぅ、棺箱(くゎんばく)作(ちゅく)いねー、うぬ人(ちゅ)、定間(じょーま)外(はん)でぃーみ、外(はん)でぃらに、計算(さんみん)しから、作(ちゅく)りんでぃ言(い)ち、教(ならー)さりーん、ぬーがどぅんやれー、沖縄(うちなー)ぬ人(ちょー)、長(ながー)く寝(に)んしてー、箱(はく)ねー入(い)りらん、膝(ちんし)曲(ま)ぎてぃる箱(はく)んかい、寝(に)んしーくとぅ、膝(ちんし)ぬ高さいねー、箱(はく)ぬ蓋ぬ閉(み)ちららんなやーに、うぬまま墓んかえー入(い)りららんくとぅ、棺箱(くゎんばく)作(ちゅく)いねー、まーちょーる人(ちゅ)ぬ、膝(ちんし)ぬ高さ測(はか)てぃから作(ちゅく)いん。うりから、昔(んかせー)棺箱(くゎんばこー)作(ちゅく)てー置(う)かん、人(ちゅ)ぬまーち後(あとぅ)からる細工(せーく)ぬ作(ちゅく)いくとぅ、そーり事(ぐとぅ)ぬ有(あ)る時(ばー)ねー、早速(しぐ)細工(せーく)ぬ家(やー)んかい行(いん)ぢゃーに頼(たる)むしが、自分(どぅー)ぬ部落(ちゅじゆう)んかい、細工(せーく)ぬ居(う)らん時(ばー)ねー、隣(とぅない)ぬ部落(ちゅじゆう)やらはん、また、うぬ家庭(ちねー)ぬ、親戚達(うぇーかぬちゃー)やらはん頼(たる)でぃ作(ちゅく)らすん。あんし、細工(せーこー)、旧(きわ)ぬ、大晦日(とぅしぬゆるー)ないねー、細工(せーく)道具全部(むる)しだち、夜中(ゆなか)近くないねー、御馳走(くゎっち)ん、夕飯(ゆーば)ぬうさぎてぃ、今年中(くとぅしじゅう)ぬ御礼(れでぃがふー)とぅ、来年(やーん)ぬ御願(うにげー)し、うぬ後(あとぅ)、旧正月(きゆそーぐゎち)二日(ふちか)ぬ初仕事(はちうくしー)までー、道具(どーごー)使(ちかー)ん、細工(せーく)ぬ初仕事(はちうくしー)や旧(きゆ)ぬ正月(そーぐゎち)二日(ふちか)やくとぅ、朝早(ふぇー)くやるか、夜中(ゆなか)すぎにすん、ぬーがどぅんやれー、むしか、うぬ間(うぇーま)にそーり事(ぐとぅ)ぬ有(あ)いねー、道具(どーごー)使(ちか)らんくとぅ、あんしぬーんねーらん時(ばー)ねー、重箱(じゅうばく)んかい御馳走(くゎっちー)詰(ち)みてぃ持(むっ)ち、大工(でーく)ぬ家(やー)んかい行(いん)ぢ、んまうてぃ、板一坪(ちゅちぶ)な鉋(かな)掛(ち)ちから、初仕事(はちうくしー)ぬ祝(すーじ)すしが、うぬ時(ばー)ねー、費用(いりふぇー)弟子(でぃし)持(む)ち、また、旧(きゆ)ぬ五月五日(ぐんぐゎちぐにちー)ねー、一日(ふぃっちー)ゆくてぃ、費用(いりふぇー)大工(でーく)持(む)ち祝(すじ)すん。初仕事(はちうくしー)ねー、弟子達(でぃしぬちゃー)が大工(でーく)んかいぬ御礼(にふぇー)、五月五日(ぐんぐゎちぐにちー)ねー大工(でーく)ぬ弟子達(でぃしぬちゃー)んかいぬ御礼(にふぇー)んでぃる事(くとぅ)やん。〔共通語訳〕 私達は大工を習い始めて、鉋(かんな)を自分で買って、荒鉋くらいは掛けれるようになると、棺箱、宝箱とも言うが、その箱の内側寸法を教えられる。そして、その材料は、厚さ五分、巾一尺、長さ六尺三枚と、厚さ二分五厘、巾一尺、長さ六尺三枚で丁度一坪になる。その他に一寸五分角で長さ六尺の材木二本で全部作ることができる。釘が一寸五分と八分半分づつで三百グラムで仕上がる。だが、もし切り損じると、それだけの材料で全部作ることはできないから、その作り方を教えられる。沖縄では。土葬と言っているが本当は風葬であるから、棺箱とその箱を載せる台と位牌、それから花を置く盆まで全部作られる。そういう事だが、箱の内側寸法は定まっているので、その箱には定間(じょーま)というそうなんだが、膝頭の高い人は入れられないので、定間外れというので、棺箱を作る時にはその人が定間を外れるか外れないか、十分計算して作れと言って教えられる。何故かと言いますと、沖縄の人は、長く寝かして箱に入れるのではなく、膝を曲げて箱に寝かせるので、膝頭が高いと箱の蓋が閉まらなくなってそのまま箱に入れることができないのである。だから、箱を作る時には死亡した人の膝の高さを測って作る。それから、昔は棺箱は作って置かないので、人が死亡した後に大工が作るので、死亡事がある時は早速大工の家に行って頼むのであるが、自分達の部落に大工がいない時には、隣部落かあるいはまた、その家庭の親戚の人達などを頼んで作らすのである。そうして大工は旧の大晦日になると、大工道具を全部手入れして、夜中近くになると御馳走や夕飯をあげて、今年中のお礼と来年のお願いをして、その後、旧正月二日、初仕事までは道具を使わない。大工の初仕事は旧正月二日だから、朝早くか夜半すぎにする。何故かと言えば、もしその間に死亡事がある場合には、道具が使えないからである。そして、仕事もない時には、重箱に御馳走を詰めてそれを持って棟梁の家に行き、そこで板一坪あたり鉋を掛けて、初仕事のお祝いをするが、その時の費用は全部弟子持ちである。そしてまた、旧五月五日には、一日休んで費用は棟梁持ちでお祝いをする。初仕事の時は弟子達が棟梁へのお礼、旧五月五日には棟梁が弟子達へのお礼という事だって。平成9年2月17日 高江洲亮翻字 T3B5
全体の記録時間数 3:41
物語の時間数 3:41
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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