二十日のお月様(方言)

概要

〔方言原話〕 二十日(はちか)ぬ御月様(うちちゅーめー)や、十九日ぬ御月様(うちちゅーめー)やかねー、早(ふぇー)く上(あ)がいんでぃる話い。昔(んかせー)、いりちりーさい、ぬーさいし、金持者(うぇーきんちゅ)んかい使(ちか)っとーる下男達(じにんぬちゃー)や、一月(ちち)に一回(ちゅけーん)なーる、ゆーゆーとぅしゆくいる。ゆーゆーとぅしゆくいんでぃちん、昼(ふぃる)からゆくいんでぃるばーやあらん。夜(ゆる)ぬ十二時から後(あとぅ)、早(ふぇー)くなー寝(に)んじゅんでぃるばーるやしが、うぬ下男達(じにんぬちゃー)や、親(うや)兄弟(ちょーでー)ぬ顔(ちら)見(んー)ぢぶさくとぅ、夜中(ゆなか)ないねー、二十日(はちか)ぬ月(ちちゅー)、夜中(ゆなか)十二時ぬ上(あ)がいーくとぅ、二十日(はちか)ぬ月(ちち)ぬ上(あ)がいねー、夜業(ゆーなびー)やさんぐとぅ、なー各々(めーめー)ぬ家(やー)かい帰(けー)てぃ、家族(やーにんじゅ)ぬ顔(ちら)見(んー)ぢゅん。あんすくとぅ、昼(ふぃる)うてぃうーはまいそーてぃ、家畜(いちむし)ぬ飼食(はみくゎー)すしからぬーからら全部(むる)早(ふぇー)くなー終(う)わやーなかい、行(い)きわるやるんでぃち、うーはまいするばーやしが、十九日ねー、「なー明日(あちゃ)やしがやーやしがや。」そーてぃすくとぅ、たった、難儀(なんじ)なてぃ、だー、うれー、まる一月(ちゅちち)なー、夜業(ゆーなーびー)んぬーんし、難儀(なんじ)しーとぅーしーるすくとぅ、疲(うた)てぃる居(う)しが、月(ちち)ぬ上(あ)がてぃんゆくいんなーらん、月(ちち)ぬまーまんぐらんとぅちーねー、、ゆくらりーしがやーんでぃ思(うむ)とーてぃ、仕事(しぐとぅ)すしが、二十日(はちか)ぬ日(ふぃ)や、なー、今日(ちゅー)や家(やー)かい行(い)かりーるむん、でぃち、うーはまい、朝から昼(ふぃる)、夕方(ゆさんでぃ)んかい、うーあわてぃそーてぃさくとぅ、月(ちち)ぬ上(あ)がいるまでぃねー、今(なま)までぃせーる仕事(しぐとぅー)、夜業(ゆーなーびー)しせーしやかねー、多(うふ)くそーかんあいねー、明日(あちゃー)ぬ暁(あかちちぇー)また、うんでーさりるむんでぃち、はまいるばーやくとぅ、、人間(にんじ)のーうーはまいし、仕事(しぐとぅ)する時(ばー)ねー、時(とぅち)ぬ経(た)ちゅせーわからんくとぅ、あんし、うみちっとぅはまてぃそーるうちに、二十日(はちか)ぬ御月様(うちちゅーめー)ぬ上(あ)がてぃさくとぅ、「あいえーなー、今日(ちゅー)ぬ御月様(うちちゅーめー)や、昨日(ちぬー)ぬ御月様(うちちゅーめー)やか早(ふぇー)く上(あ)がとーん。」でぃち、十九日ぬ御月様(うちちゅーめー)やかねー二十日(はちか)ぬ御月様(うちちゅーめー)や早(ふぇー)く上(あ)がいんでぃ。昔(んかし)ん人(ちゅ)ぬ話い。〔共通語訳〕 二十日の御月様は十九日の御月様より早く昇るというお話。昔は、住み込み奉公などして、金持ちの家庭の下男になりますと、一ヵ月に一日しかゆっくり休む日はなかったのです。ゆっくり休むと言っても、昼から休むということではなく、夜の十二時後、早く寝るという事であるが、その下男達は、親兄弟の顔が見たいので、夜半になると二十日の御月様は夜中の十二時に昇るので、二十日の御月様が昇ると夜業を休んで各人の家に帰り、親や家族の顔を見るのである。だから、昼間の内に精を出し、家畜などに餌をくれたり、その他の仕事も全部早く終わって帰ろうと意気込んで、仕事に精を出すのだが、十九日には、「明日だがなあ、明日だがなあ。」と思いつつ仕事をするので、ますます難儀になり、それもその筈、一ヵ月間、毎日夜業までするので、難儀の仕通しで疲れているが、月が登っても休まれず、月がどこまできたらやすめるのだがと、待ちかねて仕事をしているのだが、二十日の日には、もう今日は家に帰って行けると大張り切りで、朝から昼、そして夕方まで一生懸命になって働くので、月の昇るまでには今までやった仕事、夜業した仕事よりも多くしておかないと明朝になって朝から叱られるからと、おおいに精出して働くのである。人間は一生懸命になって仕事をする時には、時間の過ぎるのがわからなくなり、なお一生懸命仕事をしているうちに、二十日の月が登ったので、「あらあら、今夜の御月様は昨夜の御月様よりも早く登った。」ということで、十九日の御月様よりも二十日の御月様は早く昇るそうだ。昔の人の話。平成9年2月17日 高江洲亮翻字 T3B4

再生時間:2:32

民話詳細DATA

レコード番号 47O170026
CD番号 47O17C003
決定題名 二十日のお月様(方言)
話者がつけた題名 二十日のお月様
話者名 阿波根昌栄
話者名かな あはごんしょうえい
生年月日 19210309
性別
出身地 沖縄県中頭郡北谷町字上勢頭
記録日 19970217
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 T03B05
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話、 俗信
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 『想い出の昔話』
キーワード 二十日月
梗概(こうがい) 〔方言原話〕 二十日(はちか)ぬ御月様(うちちゅーめー)や、十九日ぬ御月様(うちちゅーめー)やかねー、早(ふぇー)く上(あ)がいんでぃる話い。昔(んかせー)、いりちりーさい、ぬーさいし、金持者(うぇーきんちゅ)んかい使(ちか)っとーる下男達(じにんぬちゃー)や、一月(ちち)に一回(ちゅけーん)なーる、ゆーゆーとぅしゆくいる。ゆーゆーとぅしゆくいんでぃちん、昼(ふぃる)からゆくいんでぃるばーやあらん。夜(ゆる)ぬ十二時から後(あとぅ)、早(ふぇー)くなー寝(に)んじゅんでぃるばーるやしが、うぬ下男達(じにんぬちゃー)や、親(うや)兄弟(ちょーでー)ぬ顔(ちら)見(んー)ぢぶさくとぅ、夜中(ゆなか)ないねー、二十日(はちか)ぬ月(ちちゅー)、夜中(ゆなか)十二時ぬ上(あ)がいーくとぅ、二十日(はちか)ぬ月(ちち)ぬ上(あ)がいねー、夜業(ゆーなびー)やさんぐとぅ、なー各々(めーめー)ぬ家(やー)かい帰(けー)てぃ、家族(やーにんじゅ)ぬ顔(ちら)見(んー)ぢゅん。あんすくとぅ、昼(ふぃる)うてぃうーはまいそーてぃ、家畜(いちむし)ぬ飼食(はみくゎー)すしからぬーからら全部(むる)早(ふぇー)くなー終(う)わやーなかい、行(い)きわるやるんでぃち、うーはまいするばーやしが、十九日ねー、「なー明日(あちゃ)やしがやーやしがや。」そーてぃすくとぅ、たった、難儀(なんじ)なてぃ、だー、うれー、まる一月(ちゅちち)なー、夜業(ゆーなーびー)んぬーんし、難儀(なんじ)しーとぅーしーるすくとぅ、疲(うた)てぃる居(う)しが、月(ちち)ぬ上(あ)がてぃんゆくいんなーらん、月(ちち)ぬまーまんぐらんとぅちーねー、、ゆくらりーしがやーんでぃ思(うむ)とーてぃ、仕事(しぐとぅ)すしが、二十日(はちか)ぬ日(ふぃ)や、なー、今日(ちゅー)や家(やー)かい行(い)かりーるむん、でぃち、うーはまい、朝から昼(ふぃる)、夕方(ゆさんでぃ)んかい、うーあわてぃそーてぃさくとぅ、月(ちち)ぬ上(あ)がいるまでぃねー、今(なま)までぃせーる仕事(しぐとぅー)、夜業(ゆーなーびー)しせーしやかねー、多(うふ)くそーかんあいねー、明日(あちゃー)ぬ暁(あかちちぇー)また、うんでーさりるむんでぃち、はまいるばーやくとぅ、、人間(にんじ)のーうーはまいし、仕事(しぐとぅ)する時(ばー)ねー、時(とぅち)ぬ経(た)ちゅせーわからんくとぅ、あんし、うみちっとぅはまてぃそーるうちに、二十日(はちか)ぬ御月様(うちちゅーめー)ぬ上(あ)がてぃさくとぅ、「あいえーなー、今日(ちゅー)ぬ御月様(うちちゅーめー)や、昨日(ちぬー)ぬ御月様(うちちゅーめー)やか早(ふぇー)く上(あ)がとーん。」でぃち、十九日ぬ御月様(うちちゅーめー)やかねー二十日(はちか)ぬ御月様(うちちゅーめー)や早(ふぇー)く上(あ)がいんでぃ。昔(んかし)ん人(ちゅ)ぬ話い。〔共通語訳〕 二十日の御月様は十九日の御月様より早く昇るというお話。昔は、住み込み奉公などして、金持ちの家庭の下男になりますと、一ヵ月に一日しかゆっくり休む日はなかったのです。ゆっくり休むと言っても、昼から休むということではなく、夜の十二時後、早く寝るという事であるが、その下男達は、親兄弟の顔が見たいので、夜半になると二十日の御月様は夜中の十二時に昇るので、二十日の御月様が昇ると夜業を休んで各人の家に帰り、親や家族の顔を見るのである。だから、昼間の内に精を出し、家畜などに餌をくれたり、その他の仕事も全部早く終わって帰ろうと意気込んで、仕事に精を出すのだが、十九日には、「明日だがなあ、明日だがなあ。」と思いつつ仕事をするので、ますます難儀になり、それもその筈、一ヵ月間、毎日夜業までするので、難儀の仕通しで疲れているが、月が登っても休まれず、月がどこまできたらやすめるのだがと、待ちかねて仕事をしているのだが、二十日の日には、もう今日は家に帰って行けると大張り切りで、朝から昼、そして夕方まで一生懸命になって働くので、月の昇るまでには今までやった仕事、夜業した仕事よりも多くしておかないと明朝になって朝から叱られるからと、おおいに精出して働くのである。人間は一生懸命になって仕事をする時には、時間の過ぎるのがわからなくなり、なお一生懸命仕事をしているうちに、二十日の月が登ったので、「あらあら、今夜の御月様は昨夜の御月様よりも早く登った。」ということで、十九日の御月様よりも二十日の御月様は早く昇るそうだ。昔の人の話。平成9年2月17日 高江洲亮翻字 T3B4
全体の記録時間数 2:32
物語の時間数 2:32
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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