〔方言原話〕 龍糞(どぅーふん)でぃせー、万病ぬ薬(くすい)やんでぃしが、うぬ話い。私達(わったー)屋取(やーどぅい)や、野里村(ぬざとぅむら)ぬ家(やー)分(わ)かやーなてぃ、野里(ぬざとぅ)上原(うぃーばる)んでぃ言(いゅ)しが、野里(ぬざとぅ)ぬ東(あがれ)えー、野里原(ぬざとぅばるー)、うりが上側(うゎーら)ぬ平坦地(ちゅらうちかい)なとーん。あんし、野里(ぬざとぅ)ぬ村ぬ南側(ふぇーむてぃ)ねー、野里馬場(ぬざとぅんまうぃ)ぬ有(あ)ん。私達(わったー)祖父(ふぁーふじ)ぬ若(わか)さる時(ばー)に、畑(はたき)うてぃ甘薯(んむ)掘(ふ)いぎーたくとぅ、龍糞(どぅーふん)ぬ焼(や)きーるかじゃさくとぅ、「くれー、確かに龍糞(どぅーふん)ぬ焼(や)きーるかじゃやしが。」んち、鍬(くぇー)道具んはん投(な)ぎてぃ、野里馬場(ぬざとぅんまうぃー)んかい、走(はー)えーし、行(いん)ぢゃくとぅ、んまうてぃ青年達(にーせーたー)が、ぬーがやら、焼(や)ちゃぎーし見(んー)ぢゃーに、「君達(いったー)や何(ぬー)焼(や)ちょーが。」んち問(とー)たくとぅ、「松(まーち)ぬ穴から、松(まーち)ぬ油(あんだー)ぬ流(なが)りとーしが、柔(やふゎ)らさぬ、鎌(いらな)ぬ先(さち)さーに、突(ち)ちちゃー、突(ち)ちちゃーさくとぅ、固(くふゎ)いぎーたん。あんし燃(めー)いる筈(はじ)んち、燃(めー)ちゃくとぅ、臭(くさ)さん、りちさがなー、ゆー燃(めー)いたくとぅ、燃(めー)し面白(ふぃる)さーに、全部(むる)燃(めー)ちゃん。」でぃち、話いさくとぅ、いふぃぐゎー残(ぬく)とーし持(むっ)ちちゃーに、証文箱(すーむんばく)ぬ、引(ふぃ)ち出(んぢゃ)しーんかい入(いっ)てぃ、くれー、万病ぬ薬(くすい)んち、置(う)ちぇーたしが、くぬ戦争(いくさ)に、家(やー)一緒(しーてぃ)、焼(や)きてぃねーらんなとーん。龍糞(どぅーふん)ぬ焼(や)きーねー、強(ちゅー)さる、かじゃぬ有(あ)んでぃ、また、柔(やふゎ)らそーし、鉄(かに)し、突(ち)ちちゃー突(ち)ちちゃーしーねー、固(くふゎ)いんでぃる話い。〔共通語訳〕 龍糞というのは万病の薬だという事だがその話。私達の部落は野里(のざと)の村の分家みたいで、野里上原(のざとうぃーばる)というのだが、野里の東側は野里原で、その上の方の平坦になっているところである。そして、野里の村の南側に野里馬場がある。私達の祖父がまだ若い時に、畑で甘藷を掘っている時に、龍糞の焼ける匂いがしたので、これは確かに龍糞の焼ける臭気だと、鍬などの甘藷堀りの道具を放り投げて、野里馬場に走って行ってみると、そこで青年達が何やら焼いているのを見て、「君達は何を焼いているか。」と問いますと、「松の穴から松脂が流れているが、柔らかいので鍬の先で突いていると、次第に固くなっていった。そして、燃えるだろうと思って燃やしたら、臭いと思いながらも良く燃えるので面白くなり、全部燃やしてしまった。」と話しますので、本の少し残っているのを持って来て、証文などを入れる箱の引出しに入れて、これは万病の薬だとして置いてあったが、この戦争で家と一緒に焼失して、今はもう残っていない。龍糞というのは焼くと強い臭気があって、また、柔らかい時に鎌の先など、鍬で突いていると固くなるという話。平成9年2月17日 高江洲亮翻字 T3B3
| レコード番号 | 47O170025 |
|---|---|
| CD番号 | 47O17C003 |
| 決定題名 | 龍糞(方言) |
| 話者がつけた題名 | 龍糞(どぅーふん) |
| 話者名 | 阿波根昌栄 |
| 話者名かな | あはごんしょうえい |
| 生年月日 | 19210309 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県中頭郡北谷町字上勢頭 |
| 記録日 | 19970217 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | T03B04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 俗信 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 祖父 |
| 文字化資料 | 『想い出の昔話』 |
| キーワード | 龍糞,薬,松脂 |
| 梗概(こうがい) | 〔方言原話〕 龍糞(どぅーふん)でぃせー、万病ぬ薬(くすい)やんでぃしが、うぬ話い。私達(わったー)屋取(やーどぅい)や、野里村(ぬざとぅむら)ぬ家(やー)分(わ)かやーなてぃ、野里(ぬざとぅ)上原(うぃーばる)んでぃ言(いゅ)しが、野里(ぬざとぅ)ぬ東(あがれ)えー、野里原(ぬざとぅばるー)、うりが上側(うゎーら)ぬ平坦地(ちゅらうちかい)なとーん。あんし、野里(ぬざとぅ)ぬ村ぬ南側(ふぇーむてぃ)ねー、野里馬場(ぬざとぅんまうぃ)ぬ有(あ)ん。私達(わったー)祖父(ふぁーふじ)ぬ若(わか)さる時(ばー)に、畑(はたき)うてぃ甘薯(んむ)掘(ふ)いぎーたくとぅ、龍糞(どぅーふん)ぬ焼(や)きーるかじゃさくとぅ、「くれー、確かに龍糞(どぅーふん)ぬ焼(や)きーるかじゃやしが。」んち、鍬(くぇー)道具んはん投(な)ぎてぃ、野里馬場(ぬざとぅんまうぃー)んかい、走(はー)えーし、行(いん)ぢゃくとぅ、んまうてぃ青年達(にーせーたー)が、ぬーがやら、焼(や)ちゃぎーし見(んー)ぢゃーに、「君達(いったー)や何(ぬー)焼(や)ちょーが。」んち問(とー)たくとぅ、「松(まーち)ぬ穴から、松(まーち)ぬ油(あんだー)ぬ流(なが)りとーしが、柔(やふゎ)らさぬ、鎌(いらな)ぬ先(さち)さーに、突(ち)ちちゃー、突(ち)ちちゃーさくとぅ、固(くふゎ)いぎーたん。あんし燃(めー)いる筈(はじ)んち、燃(めー)ちゃくとぅ、臭(くさ)さん、りちさがなー、ゆー燃(めー)いたくとぅ、燃(めー)し面白(ふぃる)さーに、全部(むる)燃(めー)ちゃん。」でぃち、話いさくとぅ、いふぃぐゎー残(ぬく)とーし持(むっ)ちちゃーに、証文箱(すーむんばく)ぬ、引(ふぃ)ち出(んぢゃ)しーんかい入(いっ)てぃ、くれー、万病ぬ薬(くすい)んち、置(う)ちぇーたしが、くぬ戦争(いくさ)に、家(やー)一緒(しーてぃ)、焼(や)きてぃねーらんなとーん。龍糞(どぅーふん)ぬ焼(や)きーねー、強(ちゅー)さる、かじゃぬ有(あ)んでぃ、また、柔(やふゎ)らそーし、鉄(かに)し、突(ち)ちちゃー突(ち)ちちゃーしーねー、固(くふゎ)いんでぃる話い。〔共通語訳〕 龍糞というのは万病の薬だという事だがその話。私達の部落は野里(のざと)の村の分家みたいで、野里上原(のざとうぃーばる)というのだが、野里の東側は野里原で、その上の方の平坦になっているところである。そして、野里の村の南側に野里馬場がある。私達の祖父がまだ若い時に、畑で甘藷を掘っている時に、龍糞の焼ける匂いがしたので、これは確かに龍糞の焼ける臭気だと、鍬などの甘藷堀りの道具を放り投げて、野里馬場に走って行ってみると、そこで青年達が何やら焼いているのを見て、「君達は何を焼いているか。」と問いますと、「松の穴から松脂が流れているが、柔らかいので鍬の先で突いていると、次第に固くなっていった。そして、燃えるだろうと思って燃やしたら、臭いと思いながらも良く燃えるので面白くなり、全部燃やしてしまった。」と話しますので、本の少し残っているのを持って来て、証文などを入れる箱の引出しに入れて、これは万病の薬だとして置いてあったが、この戦争で家と一緒に焼失して、今はもう残っていない。龍糞というのは焼くと強い臭気があって、また、柔らかい時に鎌の先など、鍬で突いていると固くなるという話。平成9年2月17日 高江洲亮翻字 T3B3 |
| 全体の記録時間数 | 1:45 |
| 物語の時間数 | 1:45 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |