十二支の始まり(方言)

概要

〔方言原話〕 子(にー)、丑(うし)、寅(とぅろー)ぬ話い。くれー、かーまかーま大昔(うーんかし)ぬ話いやしが、昔(んかし)なーだくぬ世(ゆー)んかい人(ちゅ)、人間(にんじん)ぬ生(ん)まりてー居(う)らん、動物(いちむし)とぅ木草(きーくさ)びけー育(すだ)ちょーる時(ばー)ねー、うぬ動物達(いちむしぬちゃー)や皆(んな)一(てぃー)ちぬ言葉(くとぅば)さーに話しーし暮らちょーたんでぃしが、うぬ動物達(いちむしぬちゃー)や、だあ、大将(てーそー)ないしが居(う)らんどぅあくとぅ彼方(あま)いぢん、此方(くま)いぢんむるがっぱい、ふぃっぱい、喧嘩(おーえー)、闘争(むんどー)ぬ果てーねーらんなたくとぅ天(てぃん)ぬ神様ぬうりんーじみそーやーなかい、「くったーや大将(てーそー)なてぃ治(うさ)みーる動物(いちむし)ぬ居(う)らんぬる、あにんかにんする筈(はじ)やくとぅ。」んち考(かんげー)みそーやーなかい、地上(ぢー)んかい降(う)りてぃめんそーやーなかい、動物達(いちむしぬちゃー)皆(んな)集まりよーしさくとぅ、天(てぃん)ぬ神様ぬ、「とー、君達(いったー)やなー彼方(あま)うてぃがっぱい、此方(くま)うてぃひっぱい、むる喧嘩(おーえー)、闘争(むんどー)ぬ果てーねーらんくとぅ、んまんかい大将(てーそー)ないし、一人(ちゅい)なー一人(ちゅい)なー決(き)みてぃ置(う)ちゅくとぅ、あんさはー君達(いったー)や喧嘩(おーえー)、闘争(むんどー)さんぐとぅ、仲良(なかゆー)しーよーやくとぅ私(わー)が皆(んな)集(あち)まりよー番付(ばんぢき)すんどーしーねー。しぐ皆(んな)早(ふぇー)くなー早(ふぇー)くなーし、番付(ばんぢき)すっとぅくまんかい集(あち)まりよー、私(わー)が一番、二番し決(き)みてぃ取(とぅ)らさーに、十二番までー毎年(めーにん)一年(いちにん)巡(みぐ)るーし、交代交代(かわるーがわるー)さーに、くぬ国ぬ王様なすくとぅやー。」んでぃちさくとぅ、動物達(いちむしぬちゃー)や、「あいえーなー、あんせー、私(わん)にんうぬ十二番ぬ内んかい入(いー)ねー、何時(いち)がなーくぬ国ぬ大将(てーそー)、王様ならりーるむん良事(うーぐとぅ)そーん。」でぃち、皆(んな)うっさくゎったーしうんにんねー家(やー)かい帰(けー)てぃ行(ん)ぢょーよるばーやしが、うんにんからいふぇーねーらぐとぅ、天(てぃん)ぬ神様ぬ、「番付(ばんぢき)すくとぅ集(あち)りよー。」し、ふりみそーちゃくとぅ、一人(ちゅい)ん残(ぬく)らん、私(わん)から、私(わん)からしーしぐまる駆(が)きし、番付(ばんぢき)すっとぅくまんかい急(いす)ぢょーるばーやしが、昼寝(ふぃるにんじ)そーたる猫(まやー)んたましぬぎてぃ飛(とぅ)び起(う)きやーに、いっさんばーえーし、追(うー)てぃ行(ん)ぢょーるばーやしが、途中(みちなかー)うってぃ、なー、私(わん)ねー、何番びけーなとーがやーんち前(めー)見(んー)ちゃくとぅ、牛(うせー)一番、牛からわだくとぅ自分(どぅー)や十二番、「自分(どぅー)やか後(あとぅ)からちゅせー誰(たー)ん居(う)らんくとぅ、よんなーよんなー歩(あっ)ちん、十二番ぬ内んかい入(いー)るんせー、私(わん)にん何時(いち)がなー、国ぬ王様、大将(てーそー)らなりーせー、私(わー)ん年(とぅし)有い、私(わー)年日(とぅしびー)ん有せー。」んち、なー、うんにんからーよんなーよんなー歩(あっ)ち、うぬ番付(ばんぢき)すっとぅくまんかい追(う)とーるばー。あんさーに、なー、やがてぃ、うぬ番付(ばんぢき)すっとぅくまんかい着(ち)ちゅんでぃちさくとぅ、うぬ角(ちぬ)とぅ耳(みっ)とぅぬたばさんかい隠(くゎっくぃ)とーたる小鼠(うぇんちゅぐゎー)があったに飛(とぅ)びんぢてぃ、しぐ牛ぬ鼻先(はなぶっくゎ)から前(めー)んかい飛(うっとぅ)ぬいぢゃくとぅ、今(なま)までぃ一番なとーたる牛(うせー)二番なてぃさくとぅ、後(あとぅ)からしりしりし追(うー)てぃちゅーたる猫(まやー)や十三番なたくとぅ、なー、番ぬ内ねー入(い)らんなやーなかい、猫(まやー)年(どぅせー)ねーらんなてぃ、誕生日(んまりびー)んねーらんなてぃさくとぅ、くさみち、ぷーぷーかーかーさせー猫(まやー)、「かんねーるやな小鼠(うぇんちゅぐゎー)がゆーくーし、んまんかい飛(とぅ)んじらんむんやれー、私(わん)までぃ十二番やくとぅ、猫年(まやーどぅし)ん、誕生日(んまりびー)ん有たるむん、なー、むるねーらん。」でぃちしぐくさみち、ぷーぷーかーかーそーるしじやくとぅ、猫(まやー)や鼠(うぇんちゅ)見(んー)じーねー、「くぬひゃやな小鼠(うぇんちゅぐゎー)ぬゆーくーしーくゎてぃるひゃー私(わん)ねー、私年(わいとぅし)ん、誕生日(んまりびー)んねーらんなとーる。」んち、しぐ取(とぅっ)捕(かち)みやーなかい、喰’(くぇー)殺(くる)ち、全部(むる)うちくゎってぃとぅらすんでぃ。あんし後(あとぅ)から、人(ちゅ)、人間(にんじん)ぬ生(ん)まりてぃさくとぅ、「やーやぬーんでぃる動物(いちむし)ぬ王(おー)掛(か)きとーる時(ばー)に生(ん)まりたが。」んでぃ、言(いー)ねー、「私(わん)ねー丑年(うしどぅし)、私(わん)ねー午年(んまどぅし)、私(わん)ねー申年(さるどぅし)。」んでぃ言(いゅ)るぐとぅなとーたんでぃしが、今(なま)ねーなー、たった言葉(くとぅば)ん訛りてぃ、「やーや、ぬーぬ人(ちゅ)が。」んでぃ言(いー)ねー、「私(わん)ねー申(さる)ぬ人(ちゅ)、私(わん)ねー酉(とぅい)ぬ人(ちゅ)、私(わん)ねー戌(いん)ぬ人(ちゅ)。」んでぃ言(いゅ)るぐとぅなとーんでぃ。あんしやしが、子供達(わらばーたー)が夕飯(ゆーばん)ぬでーかまがちーやてぃん、テーブル前(めー)なちょーてぃ、側(すば)ぬ人(ちゅ)ぬ彼方(あま)見(みー)、此方(くま)見(みー)そーる時(ばー)に、知らんふーなーぐゎーさーに、御箸(うめーし)さーに、他人(ちゅ)ぬ碗(まかい)から、まーさんでぃ思(うむ)いし、取(とぅ)やーにしぐ自分(どぅー)ぬ口んかい入(いっ)てぃ、ぱくみかちうち食(か)むん、言(いー)るんせー、みーはい盗人(ぬすどぅ)する時(ばー)やしが、うんぐとぅしーねー、うり見(んー)ちょーたる年寄達(とぅすぃんちゃー)や、「ありあり、うんぐとぅしがちまいないねー、しぐ猫年(まやーどぅし)なさりーんどー。」んでぃ言(いゅ)ん、ぬーがどぅんやれー、「猫年(まやーどぅし)ないねー誕生(とぅしび)祝(すーじ)んねーらんなやーに、誕生(とぅしび)祝(すーじ)有(あ)いねー十三祝(ゆーえー)ぬーぬんち、他(ふか)ぬ動物(いちむし)ぬ生年(んまりどぅし)やる人達(ちゅぬちゃー)や、しぐ友達(どぅしぬちゃー)から祝物(なーぎむぬ)いーらりーしが、なー、猫年(まやーどぅし)ないねー、十三祝(ゆーえー)ぬーんねーらんどぅあくとぅ、なー、祝物(なーぎむぬ)んいーららんどー。」んでぃ言(いー)ねー、「あぎじゃびよー。」んでぃち、うんにんから、猫年(まやーどぅし)なさりーがすらんでぃち、がちまいや治(のー)いんでぃ、やしが今頃(なまぐる)ぬ猫(まやー)や、食物(くぇーむぬ)んまんでぃるうくとぅ、御馳走(くゎっちー)びけー食(か)まーに、鼠(うぇん)ちょー捕(とぅ)らんなてぃさくとぅ、たった太(くぇー)てぃ、豚(うゎー)ぬぐとぅなてぃ、以前(ふぇーく)猫(まやー)ぬどぅがっさる時(じぶ)のーはまてぃ鼠(うぇんちゅ)捕(とぅ)てぃ食(くゎ)てぃ、しぐ手(てぃー)んかい唾(ちんぺー)ぐゎーなしてぃ、顔(ちら)ん洗てぃ、ちゅらすがいしる歩(あっ)ちゅたしが、今(なま)ぬ猫(まやー)やなー、顔(ちら)ん洗(あらー)ん、垢(ふぃんぐ)だらかーるそーくとぅ、ふぃんがー猫(まやー)なてぃ、人(ちゅ)ぬ見(んー)だん時(ばー)ねー、しぐ碗(まかい)からんぬーん、肉片(ししぐりー)んぬーん盗ん食(ぐぇー)すくとぅ、ちゅらーく豚(うゎー)ぬぐとぅ太(くぇー)てぃ、ふぃんがー猫(まやー)、がちまやーんなとーしが、あーなーかーまー昔(んかせー)ちゃーふかうってぃ鼠(うぇんちゅ)んぬーん捕(とぅ)いんでぃさーに、足(ふぃさ)ぬ汚(ゆぐ)りとーいねー、拭(すっ)てぃる入(いー)たしが、、あんさーに、猫(まやー)や、雨(あみ)とぅ水(みぜ)うとぅる物(むん)やくとぅ、水溜(みじた)まいぐゎーんでぃーんかい足(ふぃさ)突(ちっ)込(く)みーねー振い捨(し)てぃ、捨(し)てぃしる家(やー)んかいん入(いー)たしが、今(なま)ぬ猫(まやー)や外(ふか)んかい鼠(うぇんちゅ)捕(とぅ)いがんんぢらん、ちゃーいーんうてぃ、昼寝(ふぃるにんじ)るそーくとぅ、食物(むのー)食(くゎっ)てぃ寝(にんじ)、寝(にんじ)るそーくとぅ豚(うゎー)ぬぐとぅくぇーやーなかい、夜(ゆる)ん昼ん、寝(にんじ)るそーる。あんすくとぅ、天(てぃん)ぬ神様以前(めー)からうりわてぃがめんせーたら、くりんでー王様なしーねー、くりが自分一人(どぅーちゅい)し、がちまいさーなかい、、餓鬼猫(がちまやー)、ふぃんがー猫(まやー)なやーなかい、毎日(めーにち)寝(にん)てぃる暮らする筈(はじ)、夜(ゆる)ん昼ん寝(にんじ)るすくとぅ、くれー王なちぇーならんでぃち、あんしが王様(おうさまー)なさんたら、猫年(まやーどぅせー)ねーらんあらんでぃ思(うむ)とーん、くりが子(にー)丑(うし)寅(とぅらー)ぬ始まいとぅ何故(ぬーんち)猫年(まやーどぅし)ぬねーらんがんでぃる話い。〔共通語訳〕 子、丑、寅(干支)の話し、此れはずっとずっと大昔の話しだが、此の世に未だ人間が誕しておらず、動物達と、木や草だけが生育していた時代の事であるが、其の時は、動物達は、皆、一の言葉で話し合って暮していたそうだが其の動物達には、未だ大將になるのが居なかったので、彼方に行っては突当り、此方に行っては張掻いたりして喧嘩や闘争が果しなく続いていました。すると、天の神様が其れを御覧になって、此れ達は大將になって治める動物が居ないから此の様な事になる筈だから、と、考えられて、地上に降りて来られて、動物達に、全員集合の号令をかけられました。すると、動物達は何事だろうと思って全員集まりますと、天の神様が「もう君達は、彼方に行っては突当り、此方に行っては引掻常時、喧嘩や闘争の果て、が無いから、其処に、大將になる者を一人、一人決めておくから、其うしたら君達は喧嘩や闘争をしないで仲良暮しなさい。それで私が、全員集合、番付するようと、号令する時には皆我先にと、走って集りなさい。そして、私が一番、二番と順番を決めて、十二番迄は毎年、一年交代で、代る代る皆の国の王様にしてやるから」と、話されましたので、其の動物達は「ああそうか、それでは、私も其の十二番の内に入れば何時かは、此の国の大將、王様になれるんだ、此れは良い取決めだ」と話し合って、喜び勇んで其の時は皆自分の家(巣)に帰って行ったのです。それから少し経って天の神様が「番付けするぞー、全員集合せよ」と号令されましたので動物達は、一人残らず、我れ先にと駆出して、番付する処に急ぎました、すると、昼寝をしていた猫も吃驚して飛起て、一目散に疾走して皆の後を追って行きました。そして其の途中で、もう私は何番目位だろうと思って前を見ますと、牛が一番前で、それから数えて自分は十二番目になっており「自分の後からついて来る者も居ないので、ゆっくりゆっくり歩いて行っても十二番の内に入れたら、私も何時かは、此の国の王様になれるんだ。私の年も、私の誕生日もあるんだ」と、其の時からは、ゆっくりゆっくり歩いて、番付けする処について行きよるのです。そして、もう軈、其の番付けする処に到着しそうになった時、牛の角と耳の合中に隠れて居た小鼠が急に飛出して来て、牛の鼻の先から前に飛出したのです。すると、今迄一番だった牛は二番になり、くらりと追って来た猫は十三番になり、もう番の内に入らなくなり、猫年は無くなり、猫年の誕生日も無くなりますと、怒ってぶーぶーをーをーと、唸っているのは猫です、此の様な悪賢い小鼠が悪知恵を使って飛出さなければ、私迄は十三番だから猫年も、猫年の誕生日も有ったのに、もう皆無くなってしまったといって、とても怒って、ぶーぶーをーをーと唸っているのですから、猫は鼠を見ると、此奴、悪い小鼠、此奴が欲深な事をしなければ、私の年も、猫年の誕生日も有ったのに、もう皆無くなってしまった、と怒って取捕えて噛殺して食べてしまう様になったのです。そして、其の後、人間が誕生する様になると「君は何と言動物が王様の時に生れたか」と言うと「私は丑、私は午、私は申の年に生れた」と言ったそうですが、其の後言葉が訛り、「君は何の人か」と聞きますと、「私は申の人、私は酉の人、私は戌の人」と言う様になったそうです。ですが、子供達が夕食でも食べながら、食台を前にして、側の人が何か話ながら 外見している時に、知らん顔で  お箸で他人のお碗から美味と思う物を素早く取って、自分の口に入れて、ぱくりと食べてしまう。すなはち、目抜盗人になる事だが、其の様な事をすると、其れを見ていた年寄達は「あらあら、まーその様な餓鬼猫になると、すぐ猫年にされるよ」と言います。何故かと言いますと「猫年にされると、誕生祝もなくなり、誕生祝が有ると、十三祝等他の動物生れの人は、すぐ、誕生祝になると、友達から、祝品も貰えるが猫年になると、十三祝も無くなるので、祝品も何も貰えなくなるよ」と言はれると、「ああ、それはいやだ」と言って、其の時からは猫年にされるかと思って、餓鬼猫の似は治るとの事だが、今頃の猫は食物が豊富になって、御馳走ばかり食べ、鼠を取ろうとはせず、遊んでばかりいるので次第に太り出し、しまいには豚の様になり、以前の猫はとても身軽で、其の時は盛に鼠を取って食べていたが、当時は手に唾を付けて顔も洗い奇麗にして歩きよったが、今は顔も洗わず、垢に汚れて、垢汚猫になり、人が見ない時には手でお碗から速早く肉片等を盗食ので豚の様に太り、垢汚猫、餓鬼猫になりさがっているが、昔は常時外で鼠を取っているので足が汚ている時は拭いて入って来よった。それで、猫は、雨と水が一番怖い物なので、水溜等に足を突込むと振り捨、捨してから家に入りよったのだが、今の猫は外に鼠を取りにも出ないで、常時椽側で昼寝をして、食ては寝、食ては寝しているので、豚の様に太り、夜も昼寝をしている、そんなだから、天の神様は以前から其の事を御存知であられて、此れを王様したら、此れは自分一人で餓鬼猫になり餓鬼猫、垢汚猫になり、毎日寝て暮すにちがいない、一夜も昼寝をするのだから、此れを王様にしてはいけないと思はれて、それで王様にしなかったのか、それで猫年が無いのかと思っている、此れが、子、丑、寅の始まりと、猫年が何故無いか、と、言う話。平成9年2月17日 高江洲亮・赤嶺素花女翻字 T1B2

再生時間:8:07

民話詳細DATA

レコード番号 47O170005
CD番号 47O17C001
決定題名 十二支の始まり(方言)
話者がつけた題名 十二支の始まり
話者名 阿波根昌栄
話者名かな あはごんしょうえい
生年月日 19210309
性別
出身地 沖縄県中頭郡北谷町字上勢頭
記録日 19970217
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 T01B02
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 動物昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 『想い出の昔話』
キーワード 十二支,神様,鼠,猫
梗概(こうがい) 〔方言原話〕 子(にー)、丑(うし)、寅(とぅろー)ぬ話い。くれー、かーまかーま大昔(うーんかし)ぬ話いやしが、昔(んかし)なーだくぬ世(ゆー)んかい人(ちゅ)、人間(にんじん)ぬ生(ん)まりてー居(う)らん、動物(いちむし)とぅ木草(きーくさ)びけー育(すだ)ちょーる時(ばー)ねー、うぬ動物達(いちむしぬちゃー)や皆(んな)一(てぃー)ちぬ言葉(くとぅば)さーに話しーし暮らちょーたんでぃしが、うぬ動物達(いちむしぬちゃー)や、だあ、大将(てーそー)ないしが居(う)らんどぅあくとぅ彼方(あま)いぢん、此方(くま)いぢんむるがっぱい、ふぃっぱい、喧嘩(おーえー)、闘争(むんどー)ぬ果てーねーらんなたくとぅ天(てぃん)ぬ神様ぬうりんーじみそーやーなかい、「くったーや大将(てーそー)なてぃ治(うさ)みーる動物(いちむし)ぬ居(う)らんぬる、あにんかにんする筈(はじ)やくとぅ。」んち考(かんげー)みそーやーなかい、地上(ぢー)んかい降(う)りてぃめんそーやーなかい、動物達(いちむしぬちゃー)皆(んな)集まりよーしさくとぅ、天(てぃん)ぬ神様ぬ、「とー、君達(いったー)やなー彼方(あま)うてぃがっぱい、此方(くま)うてぃひっぱい、むる喧嘩(おーえー)、闘争(むんどー)ぬ果てーねーらんくとぅ、んまんかい大将(てーそー)ないし、一人(ちゅい)なー一人(ちゅい)なー決(き)みてぃ置(う)ちゅくとぅ、あんさはー君達(いったー)や喧嘩(おーえー)、闘争(むんどー)さんぐとぅ、仲良(なかゆー)しーよーやくとぅ私(わー)が皆(んな)集(あち)まりよー番付(ばんぢき)すんどーしーねー。しぐ皆(んな)早(ふぇー)くなー早(ふぇー)くなーし、番付(ばんぢき)すっとぅくまんかい集(あち)まりよー、私(わー)が一番、二番し決(き)みてぃ取(とぅ)らさーに、十二番までー毎年(めーにん)一年(いちにん)巡(みぐ)るーし、交代交代(かわるーがわるー)さーに、くぬ国ぬ王様なすくとぅやー。」んでぃちさくとぅ、動物達(いちむしぬちゃー)や、「あいえーなー、あんせー、私(わん)にんうぬ十二番ぬ内んかい入(いー)ねー、何時(いち)がなーくぬ国ぬ大将(てーそー)、王様ならりーるむん良事(うーぐとぅ)そーん。」でぃち、皆(んな)うっさくゎったーしうんにんねー家(やー)かい帰(けー)てぃ行(ん)ぢょーよるばーやしが、うんにんからいふぇーねーらぐとぅ、天(てぃん)ぬ神様ぬ、「番付(ばんぢき)すくとぅ集(あち)りよー。」し、ふりみそーちゃくとぅ、一人(ちゅい)ん残(ぬく)らん、私(わん)から、私(わん)からしーしぐまる駆(が)きし、番付(ばんぢき)すっとぅくまんかい急(いす)ぢょーるばーやしが、昼寝(ふぃるにんじ)そーたる猫(まやー)んたましぬぎてぃ飛(とぅ)び起(う)きやーに、いっさんばーえーし、追(うー)てぃ行(ん)ぢょーるばーやしが、途中(みちなかー)うってぃ、なー、私(わん)ねー、何番びけーなとーがやーんち前(めー)見(んー)ちゃくとぅ、牛(うせー)一番、牛からわだくとぅ自分(どぅー)や十二番、「自分(どぅー)やか後(あとぅ)からちゅせー誰(たー)ん居(う)らんくとぅ、よんなーよんなー歩(あっ)ちん、十二番ぬ内んかい入(いー)るんせー、私(わん)にん何時(いち)がなー、国ぬ王様、大将(てーそー)らなりーせー、私(わー)ん年(とぅし)有い、私(わー)年日(とぅしびー)ん有せー。」んち、なー、うんにんからーよんなーよんなー歩(あっ)ち、うぬ番付(ばんぢき)すっとぅくまんかい追(う)とーるばー。あんさーに、なー、やがてぃ、うぬ番付(ばんぢき)すっとぅくまんかい着(ち)ちゅんでぃちさくとぅ、うぬ角(ちぬ)とぅ耳(みっ)とぅぬたばさんかい隠(くゎっくぃ)とーたる小鼠(うぇんちゅぐゎー)があったに飛(とぅ)びんぢてぃ、しぐ牛ぬ鼻先(はなぶっくゎ)から前(めー)んかい飛(うっとぅ)ぬいぢゃくとぅ、今(なま)までぃ一番なとーたる牛(うせー)二番なてぃさくとぅ、後(あとぅ)からしりしりし追(うー)てぃちゅーたる猫(まやー)や十三番なたくとぅ、なー、番ぬ内ねー入(い)らんなやーなかい、猫(まやー)年(どぅせー)ねーらんなてぃ、誕生日(んまりびー)んねーらんなてぃさくとぅ、くさみち、ぷーぷーかーかーさせー猫(まやー)、「かんねーるやな小鼠(うぇんちゅぐゎー)がゆーくーし、んまんかい飛(とぅ)んじらんむんやれー、私(わん)までぃ十二番やくとぅ、猫年(まやーどぅし)ん、誕生日(んまりびー)ん有たるむん、なー、むるねーらん。」でぃちしぐくさみち、ぷーぷーかーかーそーるしじやくとぅ、猫(まやー)や鼠(うぇんちゅ)見(んー)じーねー、「くぬひゃやな小鼠(うぇんちゅぐゎー)ぬゆーくーしーくゎてぃるひゃー私(わん)ねー、私年(わいとぅし)ん、誕生日(んまりびー)んねーらんなとーる。」んち、しぐ取(とぅっ)捕(かち)みやーなかい、喰’(くぇー)殺(くる)ち、全部(むる)うちくゎってぃとぅらすんでぃ。あんし後(あとぅ)から、人(ちゅ)、人間(にんじん)ぬ生(ん)まりてぃさくとぅ、「やーやぬーんでぃる動物(いちむし)ぬ王(おー)掛(か)きとーる時(ばー)に生(ん)まりたが。」んでぃ、言(いー)ねー、「私(わん)ねー丑年(うしどぅし)、私(わん)ねー午年(んまどぅし)、私(わん)ねー申年(さるどぅし)。」んでぃ言(いゅ)るぐとぅなとーたんでぃしが、今(なま)ねーなー、たった言葉(くとぅば)ん訛りてぃ、「やーや、ぬーぬ人(ちゅ)が。」んでぃ言(いー)ねー、「私(わん)ねー申(さる)ぬ人(ちゅ)、私(わん)ねー酉(とぅい)ぬ人(ちゅ)、私(わん)ねー戌(いん)ぬ人(ちゅ)。」んでぃ言(いゅ)るぐとぅなとーんでぃ。あんしやしが、子供達(わらばーたー)が夕飯(ゆーばん)ぬでーかまがちーやてぃん、テーブル前(めー)なちょーてぃ、側(すば)ぬ人(ちゅ)ぬ彼方(あま)見(みー)、此方(くま)見(みー)そーる時(ばー)に、知らんふーなーぐゎーさーに、御箸(うめーし)さーに、他人(ちゅ)ぬ碗(まかい)から、まーさんでぃ思(うむ)いし、取(とぅ)やーにしぐ自分(どぅー)ぬ口んかい入(いっ)てぃ、ぱくみかちうち食(か)むん、言(いー)るんせー、みーはい盗人(ぬすどぅ)する時(ばー)やしが、うんぐとぅしーねー、うり見(んー)ちょーたる年寄達(とぅすぃんちゃー)や、「ありあり、うんぐとぅしがちまいないねー、しぐ猫年(まやーどぅし)なさりーんどー。」んでぃ言(いゅ)ん、ぬーがどぅんやれー、「猫年(まやーどぅし)ないねー誕生(とぅしび)祝(すーじ)んねーらんなやーに、誕生(とぅしび)祝(すーじ)有(あ)いねー十三祝(ゆーえー)ぬーぬんち、他(ふか)ぬ動物(いちむし)ぬ生年(んまりどぅし)やる人達(ちゅぬちゃー)や、しぐ友達(どぅしぬちゃー)から祝物(なーぎむぬ)いーらりーしが、なー、猫年(まやーどぅし)ないねー、十三祝(ゆーえー)ぬーんねーらんどぅあくとぅ、なー、祝物(なーぎむぬ)んいーららんどー。」んでぃ言(いー)ねー、「あぎじゃびよー。」んでぃち、うんにんから、猫年(まやーどぅし)なさりーがすらんでぃち、がちまいや治(のー)いんでぃ、やしが今頃(なまぐる)ぬ猫(まやー)や、食物(くぇーむぬ)んまんでぃるうくとぅ、御馳走(くゎっちー)びけー食(か)まーに、鼠(うぇん)ちょー捕(とぅ)らんなてぃさくとぅ、たった太(くぇー)てぃ、豚(うゎー)ぬぐとぅなてぃ、以前(ふぇーく)猫(まやー)ぬどぅがっさる時(じぶ)のーはまてぃ鼠(うぇんちゅ)捕(とぅ)てぃ食(くゎ)てぃ、しぐ手(てぃー)んかい唾(ちんぺー)ぐゎーなしてぃ、顔(ちら)ん洗てぃ、ちゅらすがいしる歩(あっ)ちゅたしが、今(なま)ぬ猫(まやー)やなー、顔(ちら)ん洗(あらー)ん、垢(ふぃんぐ)だらかーるそーくとぅ、ふぃんがー猫(まやー)なてぃ、人(ちゅ)ぬ見(んー)だん時(ばー)ねー、しぐ碗(まかい)からんぬーん、肉片(ししぐりー)んぬーん盗ん食(ぐぇー)すくとぅ、ちゅらーく豚(うゎー)ぬぐとぅ太(くぇー)てぃ、ふぃんがー猫(まやー)、がちまやーんなとーしが、あーなーかーまー昔(んかせー)ちゃーふかうってぃ鼠(うぇんちゅ)んぬーん捕(とぅ)いんでぃさーに、足(ふぃさ)ぬ汚(ゆぐ)りとーいねー、拭(すっ)てぃる入(いー)たしが、、あんさーに、猫(まやー)や、雨(あみ)とぅ水(みぜ)うとぅる物(むん)やくとぅ、水溜(みじた)まいぐゎーんでぃーんかい足(ふぃさ)突(ちっ)込(く)みーねー振い捨(し)てぃ、捨(し)てぃしる家(やー)んかいん入(いー)たしが、今(なま)ぬ猫(まやー)や外(ふか)んかい鼠(うぇんちゅ)捕(とぅ)いがんんぢらん、ちゃーいーんうてぃ、昼寝(ふぃるにんじ)るそーくとぅ、食物(むのー)食(くゎっ)てぃ寝(にんじ)、寝(にんじ)るそーくとぅ豚(うゎー)ぬぐとぅくぇーやーなかい、夜(ゆる)ん昼ん、寝(にんじ)るそーる。あんすくとぅ、天(てぃん)ぬ神様以前(めー)からうりわてぃがめんせーたら、くりんでー王様なしーねー、くりが自分一人(どぅーちゅい)し、がちまいさーなかい、、餓鬼猫(がちまやー)、ふぃんがー猫(まやー)なやーなかい、毎日(めーにち)寝(にん)てぃる暮らする筈(はじ)、夜(ゆる)ん昼ん寝(にんじ)るすくとぅ、くれー王なちぇーならんでぃち、あんしが王様(おうさまー)なさんたら、猫年(まやーどぅせー)ねーらんあらんでぃ思(うむ)とーん、くりが子(にー)丑(うし)寅(とぅらー)ぬ始まいとぅ何故(ぬーんち)猫年(まやーどぅし)ぬねーらんがんでぃる話い。〔共通語訳〕 子、丑、寅(干支)の話し、此れはずっとずっと大昔の話しだが、此の世に未だ人間が誕しておらず、動物達と、木や草だけが生育していた時代の事であるが、其の時は、動物達は、皆、一の言葉で話し合って暮していたそうだが其の動物達には、未だ大將になるのが居なかったので、彼方に行っては突当り、此方に行っては張掻いたりして喧嘩や闘争が果しなく続いていました。すると、天の神様が其れを御覧になって、此れ達は大將になって治める動物が居ないから此の様な事になる筈だから、と、考えられて、地上に降りて来られて、動物達に、全員集合の号令をかけられました。すると、動物達は何事だろうと思って全員集まりますと、天の神様が「もう君達は、彼方に行っては突当り、此方に行っては引掻常時、喧嘩や闘争の果て、が無いから、其処に、大將になる者を一人、一人決めておくから、其うしたら君達は喧嘩や闘争をしないで仲良暮しなさい。それで私が、全員集合、番付するようと、号令する時には皆我先にと、走って集りなさい。そして、私が一番、二番と順番を決めて、十二番迄は毎年、一年交代で、代る代る皆の国の王様にしてやるから」と、話されましたので、其の動物達は「ああそうか、それでは、私も其の十二番の内に入れば何時かは、此の国の大將、王様になれるんだ、此れは良い取決めだ」と話し合って、喜び勇んで其の時は皆自分の家(巣)に帰って行ったのです。それから少し経って天の神様が「番付けするぞー、全員集合せよ」と号令されましたので動物達は、一人残らず、我れ先にと駆出して、番付する処に急ぎました、すると、昼寝をしていた猫も吃驚して飛起て、一目散に疾走して皆の後を追って行きました。そして其の途中で、もう私は何番目位だろうと思って前を見ますと、牛が一番前で、それから数えて自分は十二番目になっており「自分の後からついて来る者も居ないので、ゆっくりゆっくり歩いて行っても十二番の内に入れたら、私も何時かは、此の国の王様になれるんだ。私の年も、私の誕生日もあるんだ」と、其の時からは、ゆっくりゆっくり歩いて、番付けする処について行きよるのです。そして、もう軈、其の番付けする処に到着しそうになった時、牛の角と耳の合中に隠れて居た小鼠が急に飛出して来て、牛の鼻の先から前に飛出したのです。すると、今迄一番だった牛は二番になり、くらりと追って来た猫は十三番になり、もう番の内に入らなくなり、猫年は無くなり、猫年の誕生日も無くなりますと、怒ってぶーぶーをーをーと、唸っているのは猫です、此の様な悪賢い小鼠が悪知恵を使って飛出さなければ、私迄は十三番だから猫年も、猫年の誕生日も有ったのに、もう皆無くなってしまったといって、とても怒って、ぶーぶーをーをーと唸っているのですから、猫は鼠を見ると、此奴、悪い小鼠、此奴が欲深な事をしなければ、私の年も、猫年の誕生日も有ったのに、もう皆無くなってしまった、と怒って取捕えて噛殺して食べてしまう様になったのです。そして、其の後、人間が誕生する様になると「君は何と言動物が王様の時に生れたか」と言うと「私は丑、私は午、私は申の年に生れた」と言ったそうですが、其の後言葉が訛り、「君は何の人か」と聞きますと、「私は申の人、私は酉の人、私は戌の人」と言う様になったそうです。ですが、子供達が夕食でも食べながら、食台を前にして、側の人が何か話ながら 外見している時に、知らん顔で  お箸で他人のお碗から美味と思う物を素早く取って、自分の口に入れて、ぱくりと食べてしまう。すなはち、目抜盗人になる事だが、其の様な事をすると、其れを見ていた年寄達は「あらあら、まーその様な餓鬼猫になると、すぐ猫年にされるよ」と言います。何故かと言いますと「猫年にされると、誕生祝もなくなり、誕生祝が有ると、十三祝等他の動物生れの人は、すぐ、誕生祝になると、友達から、祝品も貰えるが猫年になると、十三祝も無くなるので、祝品も何も貰えなくなるよ」と言はれると、「ああ、それはいやだ」と言って、其の時からは猫年にされるかと思って、餓鬼猫の似は治るとの事だが、今頃の猫は食物が豊富になって、御馳走ばかり食べ、鼠を取ろうとはせず、遊んでばかりいるので次第に太り出し、しまいには豚の様になり、以前の猫はとても身軽で、其の時は盛に鼠を取って食べていたが、当時は手に唾を付けて顔も洗い奇麗にして歩きよったが、今は顔も洗わず、垢に汚れて、垢汚猫になり、人が見ない時には手でお碗から速早く肉片等を盗食ので豚の様に太り、垢汚猫、餓鬼猫になりさがっているが、昔は常時外で鼠を取っているので足が汚ている時は拭いて入って来よった。それで、猫は、雨と水が一番怖い物なので、水溜等に足を突込むと振り捨、捨してから家に入りよったのだが、今の猫は外に鼠を取りにも出ないで、常時椽側で昼寝をして、食ては寝、食ては寝しているので、豚の様に太り、夜も昼寝をしている、そんなだから、天の神様は以前から其の事を御存知であられて、此れを王様したら、此れは自分一人で餓鬼猫になり餓鬼猫、垢汚猫になり、毎日寝て暮すにちがいない、一夜も昼寝をするのだから、此れを王様にしてはいけないと思はれて、それで王様にしなかったのか、それで猫年が無いのかと思っている、此れが、子、丑、寅の始まりと、猫年が何故無いか、と、言う話。平成9年2月17日 高江洲亮・赤嶺素花女翻字 T1B2
全体の記録時間数 8:07
物語の時間数 8:07
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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