まあ昔、これは場所も時代も時もわからんけど、このアーブクが敵討ってきたっての話だけど。これがいきさつは、ある侍の妻が大変きれいな、姿が美しい女がいたということでありますが、この妻を横恋慕している他の侍が、「どんなにしたらこの女を取れるかね。」と考えた。あるとき、思いついたことに、「この侍を他に連れて行って、殺さないといけないな。」と言って、これをだんだん言い含めて、その侍を外に連れて行って、そして、この侍を殺すことになったみたいなんだね。だから、この殺されそうになった侍は、「逃げようとしても逃げられない。死ぬことであるから、こんななら遺言をひとつさせてくれ。」と言ったから、「とぉ、そんなら、いいだろう。」と言ってさせたわけ。そして、この人は道の側の方に行って小便したから、アーブークが立ったみたいなんだね。このアーブークを見てからに、「私の敵はね、お前とってくれよ、アーブークー。」と名前をいって、この人は切り殺されたって。それで、この女を横取りした侍は、その女が三人も子供を生んでから、「もう子供も三人できているから、今から女が敵を打つということはないはず。」と心許していたって。ある日、雨降りのときに、この侍は妻の膝を枕にして、この雨を眺めていたみたいだけど、この雨垂れから落ちる水を見て考えごとしていると、アーブークが立ったから、このアーブークーを見て、「だあ、アーブークが敵を討つことができるか。」と、独り言をしたから、側で妻がこの話を聞いていて、「私の先の男を殺したのは、あなたが犯人であったんだね。」と言ってからに、この侍はこの妻に殺されたって。そういう伝え話。まあ、幼いときに聞いたんだが。だから、あまり無法なこと、いけないことすると自分一代で滅びるってことだから、そうであるねと、今察しているよ。
| レコード番号 | 47O360819 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C029 |
| 決定題名 | アーブク敵討ち(共通語混じり) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 西原裕昌 |
| 話者名かな | にしはらゆうしょう |
| 生年月日 | 19080928 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県西原町字翁長 |
| 記録日 | 19820219 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 西原町字翁長調査2班9班T28B02 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 西原町史 別巻西原の民話P60 |
| キーワード | 敵討ち,仇討ち,妃,妻,敵 |
| 梗概(こうがい) | まあ昔、これは場所も時代も時もわからんけど、このアーブクが敵討ってきたっての話だけど。これがいきさつは、ある侍の妻が大変きれいな、姿が美しい女がいたということでありますが、この妻を横恋慕している他の侍が、「どんなにしたらこの女を取れるかね。」と考えた。あるとき、思いついたことに、「この侍を他に連れて行って、殺さないといけないな。」と言って、これをだんだん言い含めて、その侍を外に連れて行って、そして、この侍を殺すことになったみたいなんだね。だから、この殺されそうになった侍は、「逃げようとしても逃げられない。死ぬことであるから、こんななら遺言をひとつさせてくれ。」と言ったから、「とぉ、そんなら、いいだろう。」と言ってさせたわけ。そして、この人は道の側の方に行って小便したから、アーブークが立ったみたいなんだね。このアーブークを見てからに、「私の敵はね、お前とってくれよ、アーブークー。」と名前をいって、この人は切り殺されたって。それで、この女を横取りした侍は、その女が三人も子供を生んでから、「もう子供も三人できているから、今から女が敵を打つということはないはず。」と心許していたって。ある日、雨降りのときに、この侍は妻の膝を枕にして、この雨を眺めていたみたいだけど、この雨垂れから落ちる水を見て考えごとしていると、アーブークが立ったから、このアーブークーを見て、「だあ、アーブークが敵を討つことができるか。」と、独り言をしたから、側で妻がこの話を聞いていて、「私の先の男を殺したのは、あなたが犯人であったんだね。」と言ってからに、この侍はこの妻に殺されたって。そういう伝え話。まあ、幼いときに聞いたんだが。だから、あまり無法なこと、いけないことすると自分一代で滅びるってことだから、そうであるねと、今察しているよ。 |
| 全体の記録時間数 | 7:04 |
| 物語の時間数 | 6:48 |
| 言語識別 | 混在 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |