犬の足(シマグチ)

いぬのあし

概要

昔の話だが、あの犬は門番やっとったらしい。それで、「足三つでは門番は不自由であるから、こんなにしていたら勤めは果たすことはできないから。」と言って神様に申し出たみたいさ。そしたから、神様もこれを見てから、「あぁ、なるほど。とぉ、足三つでは歩きにくい。不便なことは当然だから、私がどうにかして考えてあげるさ。」と言うて、神様は他の動物に、「お前たちの足を一つ分けてくれないか。」と、言ったから、「ああ、足一つ取られると不便だから、これはできませんね。」と言って、別の動物たちは全部断ったみたい。それで、神様も困っている場合に、今度はあの御香炉が、御香炉は昔足は四つあったって。「私はね、別の仕事もしない。立っているんだからね、だから足三つでも大丈夫だから足を私の物から、一つは分けてあの犬につけてあげてください。」と、御香炉が願い出したって。そしたら、神様も大変喜んで、さっそく、犬を呼び出して、御香炉から取った足を犬に不足の分補って、四本足にして、これからは、もう、勤めもちゃんとやったって。それからは便利になってですね、犬は自分の役目も十分に果たせるようになって、その足は神様からいただいた物というて大事にしておったらしいですよ。だから、犬が小便する場合はね、片足はもう、石垣か何かに上げてですね、足に小便をかけんように大事にしておったという話であったんですよ。

再生時間:2:05

このお話の動画を見る

クリックすると動画が再生されます。 ※再生パターンは4種類です。

  • 話者の語りで見る

    実際の話者のお話

  • 島言葉で見る

    話者のお話を元にした方言バージョン

  • 共通語で見る

    話者のお話を元にした共通語バージョン

  • 音声記号で見る

    音声記号バージョン

  • この映像の著作権は、沖縄県立博物館・美術館にあります。

    研究および教育普及目的以外での無断使用は固く禁じます。
    コンテンツの複製、利用については、博物館に必ず許可を得てください。

  • アンケートにご協力お願いします。

民話詳細DATA

レコード番号 47O360807
CD番号 47O36C028
決定題名 犬の足(シマグチ)
話者がつけた題名
話者名 西原裕昌
話者名かな にしはらゆうしょう
生年月日 19080928
性別
出身地 沖縄県西原町字翁長
記録日 19820219
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 西原町字翁長調査2班9班T28A02
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 動物昔話
発句(ほっく)
伝承事情 年寄りから聞いた
文字化資料 西原町史 別巻西原の民話P35
キーワード 犬,犬の足,香炉,ウコール
梗概(こうがい) 昔の話だが、あの犬は門番やっとったらしい。それで、「足三つでは門番は不自由であるから、こんなにしていたら勤めは果たすことはできないから。」と言って神様に申し出たみたいさ。そしたから、神様もこれを見てから、「あぁ、なるほど。とぉ、足三つでは歩きにくい。不便なことは当然だから、私がどうにかして考えてあげるさ。」と言うて、神様は他の動物に、「お前たちの足を一つ分けてくれないか。」と、言ったから、「ああ、足一つ取られると不便だから、これはできませんね。」と言って、別の動物たちは全部断ったみたい。それで、神様も困っている場合に、今度はあの御香炉が、御香炉は昔足は四つあったって。「私はね、別の仕事もしない。立っているんだからね、だから足三つでも大丈夫だから足を私の物から、一つは分けてあの犬につけてあげてください。」と、御香炉が願い出したって。そしたら、神様も大変喜んで、さっそく、犬を呼び出して、御香炉から取った足を犬に不足の分補って、四本足にして、これからは、もう、勤めもちゃんとやったって。それからは便利になってですね、犬は自分の役目も十分に果たせるようになって、その足は神様からいただいた物というて大事にしておったらしいですよ。だから、犬が小便する場合はね、片足はもう、石垣か何かに上げてですね、足に小便をかけんように大事にしておったという話であったんですよ。
全体の記録時間数 2:19
物語の時間数 2:05
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

トップに戻る

TOP