(尚円王はあっちこっちから逃げまわって山ごもりした。)尚円王は山ごもりをして人目をさけて山の中に住んでいた。そうしたら嘉手苅のイリーという屋号の家の主人が山の中に薪とりに行った時に、その人(尚円)を見かけて「この人は普通の人ではない。」といって芋を取ってきた時、一番おいしい所をその人の所に持っていき、いつもそうしていた。(中山家の話は、この家の娘を嫁にもらってという話がある。)尚円王はそれから長い間百姓をしていて首里とか那覇に、馬に荷物をつんで売りに行っていた。そうしたら宗元寺の所で、その人の後からオランタンという王様の行列についているかさがいつもついてきていた。そして安里の、安里の比屋という人がこの人の後について歩き、「私の家に来なさい。」といって自分の家につれていった。安里の比屋が尚円にお茶をあげるときは必ず茶碗のふちをわって「そのかけたところは、誰も口をつけた事がないからそこからお飲み下さい。」と言って尚円王に飲ませた。安里の比屋は尚円が普通の人とは違っているのに気が付いていた。そしてその後、王様のあと継の問題が起こった時、安里の比屋という人は位の低い人だったけれど、誰に位をゆずったらよいかといった時に、おそるおそる前へ出たので、三司官が安里に意見を話すことを許されると、「内間御鎖は、人々を食べさせることができるから我々の王様です。」と言ったので回りの三司官の人が「そうか。」と言って安里のいうことを聞いて王様にすることになった。その時、尚円は内間で百姓をしていたので首里から大勢の人が鐘などを鳴らして迎えに行ったので(尚円は)自分を殺しに来たのとまちがえて海の方に逃げ飛び込んだ。そうしたら海の中の岩が持ち上がって尚円王を助けた。それが内間高干瀬である。そして人々が集まって「私達は殺しに来たのではない。」と訳を話して「承知して下さい。」とたのんだ。ヌスハイジーという所で頃もを着替えて首里に行った。それが尚円王が王になるまでの話。尚円王はイリーという所から逃げた時に食事の世話になったことのある中山家の娘を嫁にもらい、いくらか金銀を「これで生活しなさい。」といって送った。
| レコード番号 | 47O360520 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C019 |
| 決定題名 | 尚円王(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 与那嶺昌吉 |
| 話者名かな | よなみねしょうきち |
| 生年月日 | 19090921 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県西原町字嘉手苅 |
| 記録日 | 19820216 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 西原町字嘉手苅調査班T17A02 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | おばあさんから夕食後家で聞いた |
| 文字化資料 | 西原町史 別巻西原の民話P442 |
| キーワード | 尚円王,王様,安里,安里の比屋,アサトノヒャー,内間,内間御鎖,ウチマウジャシ,中山 |
| 梗概(こうがい) | (尚円王はあっちこっちから逃げまわって山ごもりした。)尚円王は山ごもりをして人目をさけて山の中に住んでいた。そうしたら嘉手苅のイリーという屋号の家の主人が山の中に薪とりに行った時に、その人(尚円)を見かけて「この人は普通の人ではない。」といって芋を取ってきた時、一番おいしい所をその人の所に持っていき、いつもそうしていた。(中山家の話は、この家の娘を嫁にもらってという話がある。)尚円王はそれから長い間百姓をしていて首里とか那覇に、馬に荷物をつんで売りに行っていた。そうしたら宗元寺の所で、その人の後からオランタンという王様の行列についているかさがいつもついてきていた。そして安里の、安里の比屋という人がこの人の後について歩き、「私の家に来なさい。」といって自分の家につれていった。安里の比屋が尚円にお茶をあげるときは必ず茶碗のふちをわって「そのかけたところは、誰も口をつけた事がないからそこからお飲み下さい。」と言って尚円王に飲ませた。安里の比屋は尚円が普通の人とは違っているのに気が付いていた。そしてその後、王様のあと継の問題が起こった時、安里の比屋という人は位の低い人だったけれど、誰に位をゆずったらよいかといった時に、おそるおそる前へ出たので、三司官が安里に意見を話すことを許されると、「内間御鎖は、人々を食べさせることができるから我々の王様です。」と言ったので回りの三司官の人が「そうか。」と言って安里のいうことを聞いて王様にすることになった。その時、尚円は内間で百姓をしていたので首里から大勢の人が鐘などを鳴らして迎えに行ったので(尚円は)自分を殺しに来たのとまちがえて海の方に逃げ飛び込んだ。そうしたら海の中の岩が持ち上がって尚円王を助けた。それが内間高干瀬である。そして人々が集まって「私達は殺しに来たのではない。」と訳を話して「承知して下さい。」とたのんだ。ヌスハイジーという所で頃もを着替えて首里に行った。それが尚円王が王になるまでの話。尚円王はイリーという所から逃げた時に食事の世話になったことのある中山家の娘を嫁にもらい、いくらか金銀を「これで生活しなさい。」といって送った。 |
| 全体の記録時間数 | 7:02 |
| 物語の時間数 | 6:50 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |