私は、昭和十五年というと私、十五才だからね、私が十五才になった頃に、この喜屋武ミー小先生は、その前からずっと空手の先生をしてたんですよ。で、あの嘉手納に農林学校でありましたから、その農林学校の生徒達がよくここへ来て、空手習っていたんですよ。それを先生も、私の父も親戚だから、よく分かっていた仲だったんですよね。それで私の父は、無学ではあるけれど、何でも考え進んでいたんですよ。なぜなら、その喜屋武先生のところへ行って空手を習ってきなさい、私にいったの。今いうようにこの人みたいに体格もよくって強そうだから、それで私の父がね、「あんた喜屋武さんの所に行ってね、空手習った方がいいよ、将来はね、女の空手の先生が出るね。」と言ったの。だから、私はね、「ええ、あそこ男がね、行ってからこんなもの習うのであって、女は誰もいないよ。」って、父が、「だから、女がいないからやるんであって、女がいっぱいいたらさせないよ。」て。「そうかね。」と言って、一日位覗いてみようと思ってね、行ったことがあるんですよ、その喜屋武先生の家に。そしたら案の定、男の農林学校の生徒達が、習いに来ているんですよね。ちょうど十五才位っていったら、男見るのも恥ずかしい、昔の人、男と話もしなければ、恥ずかしくて、寄りもできないでしょ。だから、そういう時代だから、「ええ、こんなもう男がいっぱいいる中で、私がこんな、こんなするのはいやー。習わんよ。」て言ってね、それ一回だけ行ってただ、その私の父が、「これはもう将来先生になるぐらいのね、素晴らしい空手なのに損するよ。」て。「損してもいいさ、私は男のもの習わんよ。」と言ってやめたことがある。そしたら、この後農林学校の生徒達が皆来て、一生懸命習ったりして、ずうっと、もう有名になったでしょう。やっておけばよかったなあと思って後悔しても間に合わないですよ。そして、あの時15才だから、戦争が十八才の時、起きたでしょ。もうあれから全然何も出来なくなって、そのままで、この方は戦争で亡くなったんじゃないかな。そういうようないきさつもありましたよ。この位しかその人との関わりは分かんないよ。そんな体格の素晴らしい人じゃないですよ。ほっそりとしていてね、とにかく、でも、こんなに手とかやると、すぐ強いというのが分かるわけさ。こんなタイプの人だったけど、男ってほら、こんなにやったりすると、力強さがすぐ分かると、ただこんなにやる人と、これと、ああこの人は強いはずなあって女でも分かりよったよ。
| レコード番号 | 47O416554 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C348 |
| 決定題名 | 喜屋武ミー小(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 宮城巳知子 |
| 話者名かな | みやぎみちこ |
| 生年月日 | 19260412 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 嘉手納町屋良 |
| 記録日 | 19940919 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 嘉手納T50A04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | かでなの民話P192 |
| キーワード | 喜屋武ミー小,空手,農林学校,力強さ |
| 梗概(こうがい) | 私は、昭和十五年というと私、十五才だからね、私が十五才になった頃に、この喜屋武ミー小先生は、その前からずっと空手の先生をしてたんですよ。で、あの嘉手納に農林学校でありましたから、その農林学校の生徒達がよくここへ来て、空手習っていたんですよ。それを先生も、私の父も親戚だから、よく分かっていた仲だったんですよね。それで私の父は、無学ではあるけれど、何でも考え進んでいたんですよ。なぜなら、その喜屋武先生のところへ行って空手を習ってきなさい、私にいったの。今いうようにこの人みたいに体格もよくって強そうだから、それで私の父がね、「あんた喜屋武さんの所に行ってね、空手習った方がいいよ、将来はね、女の空手の先生が出るね。」と言ったの。だから、私はね、「ええ、あそこ男がね、行ってからこんなもの習うのであって、女は誰もいないよ。」って、父が、「だから、女がいないからやるんであって、女がいっぱいいたらさせないよ。」て。「そうかね。」と言って、一日位覗いてみようと思ってね、行ったことがあるんですよ、その喜屋武先生の家に。そしたら案の定、男の農林学校の生徒達が、習いに来ているんですよね。ちょうど十五才位っていったら、男見るのも恥ずかしい、昔の人、男と話もしなければ、恥ずかしくて、寄りもできないでしょ。だから、そういう時代だから、「ええ、こんなもう男がいっぱいいる中で、私がこんな、こんなするのはいやー。習わんよ。」て言ってね、それ一回だけ行ってただ、その私の父が、「これはもう将来先生になるぐらいのね、素晴らしい空手なのに損するよ。」て。「損してもいいさ、私は男のもの習わんよ。」と言ってやめたことがある。そしたら、この後農林学校の生徒達が皆来て、一生懸命習ったりして、ずうっと、もう有名になったでしょう。やっておけばよかったなあと思って後悔しても間に合わないですよ。そして、あの時15才だから、戦争が十八才の時、起きたでしょ。もうあれから全然何も出来なくなって、そのままで、この方は戦争で亡くなったんじゃないかな。そういうようないきさつもありましたよ。この位しかその人との関わりは分かんないよ。そんな体格の素晴らしい人じゃないですよ。ほっそりとしていてね、とにかく、でも、こんなに手とかやると、すぐ強いというのが分かるわけさ。こんなタイプの人だったけど、男ってほら、こんなにやったりすると、力強さがすぐ分かると、ただこんなにやる人と、これと、ああこの人は強いはずなあって女でも分かりよったよ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:05 |
| 物語の時間数 | 4:30 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |