大歳の宝(共通語)

概要

美里村に屋号當という所の美談ですね。昔、中頭郡に一孝子がおったと。家は大変、貧しい家庭だったので、身を売って出稼ぎに他の村に行ったわけなんですよね。そして、この人は、毎晩家にお父さん、お母さんの安否を伺いに帰っておったそうです。そして、帰る帰る時には、必ず自分が食べているところの物をね、苞(として持って、これをお父さん、お母さんにあげよったそうです。そういうことを五、六年も続けておったわけですね。そして、ある年の大晦日に帰る時にですね、帰る道で、たまたま老人が棺を担いでね、来る者に会ったそうです。棺桶を担いで来るお爺さんに会ってね、会ったと。「自分一人で棺を背負ってね、どこに行くか。」とお爺さんにね、尋ねて。したら、このお爺さんが言うにはね、「私の孫がね、今日亡くなった。」と言って。その今担いでる棺はね、 「葬式を手伝う人もいないでね、自分一人で埋葬しに行くんだ。」と、言ったらしいんですよね。そしたら、この孝行息子がね、「私もその行ってね、一緒に助けてあげましょう。」と言ったらね、このお爺さんは非常に喜んでね、そして、このお爺さん言うには、「もう私は非常に疲れてね、この棺を担ぐには耐えられなくなっているから、代わって担いでくてんか。」と言ってお願いされたわけですよね。そしたら、このお爺さんからその、「じゃあ、一緒に行ってくれるか。」ということで。やって担いであげて前から歩いていたらおったらね、このお爺さんはね、忽然として、いつの間にか消えていなくなったということなんですよね。そしたら、この孝行息子は非常に驚いてね、狼狽して、何をしていいか分からないくらいもう戸惑ってる時にもう東の空が白々として、夜が明けてきたわけですよね。そしたら、もうしょうないから、その棺を担いで、自分の家に帰ってね。して、お父さん、お母さんに会って、その事を告げたわけですよね。「実はこうこうしかじかで、この棺を担がせられたんだがそのお爺さんいなくなった。」ということで。したらね、その棺を開けてみたらね、もう中から絢爛豪華ね。もう金塊やら、あるいは絹の反物やら、それが出てきたと。そして、もう一家をあげて感激してね。これは、神のね、賜ったもんだから、もう翌日は元旦でしょ。そして、親戚や隣近所の人を呼んでね、お祝いしてね、みんなと一緒に喜んだということで、この家はね、それからこの金銀からあるいは絹の反物なんかがあれしてね、どんどん大金持ちに、巨万の富をあれしたということなんですよね。それで、嘉例といってね、今でも旧正の場合に、元旦には、仏壇にね、みかんとか黄とか赤、白の紙をやるでしょ。また、竈の所にもそういう物飾るでしょ、こういうあれからきてるそうです。そして、あの棺桶はね、俗に宝物と呼んだらしいです。

再生時間:7:20

民話詳細DATA

レコード番号 47O416312
CD番号 47O41C335
決定題名 大歳の宝(共通語)
話者がつけた題名
話者名 津嘉山正弘
話者名かな つかやませいこう
生年月日 19260425
性別
出身地 嘉手納町野国
記録日 19940919
記録者の所属組織 沖縄国際大学口承研
元テープ番号 嘉手納T38A04
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 美里村,屋号當,貧しい家庭,大晦日,老人,棺を,孝行息子,宝物
梗概(こうがい) 美里村に屋号當という所の美談ですね。昔、中頭郡に一孝子がおったと。家は大変、貧しい家庭だったので、身を売って出稼ぎに他の村に行ったわけなんですよね。そして、この人は、毎晩家にお父さん、お母さんの安否を伺いに帰っておったそうです。そして、帰る帰る時には、必ず自分が食べているところの物をね、苞(として持って、これをお父さん、お母さんにあげよったそうです。そういうことを五、六年も続けておったわけですね。そして、ある年の大晦日に帰る時にですね、帰る道で、たまたま老人が棺を担いでね、来る者に会ったそうです。棺桶を担いで来るお爺さんに会ってね、会ったと。「自分一人で棺を背負ってね、どこに行くか。」とお爺さんにね、尋ねて。したら、このお爺さんが言うにはね、「私の孫がね、今日亡くなった。」と言って。その今担いでる棺はね、 「葬式を手伝う人もいないでね、自分一人で埋葬しに行くんだ。」と、言ったらしいんですよね。そしたら、この孝行息子がね、「私もその行ってね、一緒に助けてあげましょう。」と言ったらね、このお爺さんは非常に喜んでね、そして、このお爺さん言うには、「もう私は非常に疲れてね、この棺を担ぐには耐えられなくなっているから、代わって担いでくてんか。」と言ってお願いされたわけですよね。そしたら、このお爺さんからその、「じゃあ、一緒に行ってくれるか。」ということで。やって担いであげて前から歩いていたらおったらね、このお爺さんはね、忽然として、いつの間にか消えていなくなったということなんですよね。そしたら、この孝行息子は非常に驚いてね、狼狽して、何をしていいか分からないくらいもう戸惑ってる時にもう東の空が白々として、夜が明けてきたわけですよね。そしたら、もうしょうないから、その棺を担いで、自分の家に帰ってね。して、お父さん、お母さんに会って、その事を告げたわけですよね。「実はこうこうしかじかで、この棺を担がせられたんだがそのお爺さんいなくなった。」ということで。したらね、その棺を開けてみたらね、もう中から絢爛豪華ね。もう金塊やら、あるいは絹の反物やら、それが出てきたと。そして、もう一家をあげて感激してね。これは、神のね、賜ったもんだから、もう翌日は元旦でしょ。そして、親戚や隣近所の人を呼んでね、お祝いしてね、みんなと一緒に喜んだということで、この家はね、それからこの金銀からあるいは絹の反物なんかがあれしてね、どんどん大金持ちに、巨万の富をあれしたということなんですよね。それで、嘉例といってね、今でも旧正の場合に、元旦には、仏壇にね、みかんとか黄とか赤、白の紙をやるでしょ。また、竈の所にもそういう物飾るでしょ、こういうあれからきてるそうです。そして、あの棺桶はね、俗に宝物と呼んだらしいです。
全体の記録時間数 7:30
物語の時間数 7:20
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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