今でも北中城の仲順にね、碑文はあると思うけど、仲順大主というね、男の子、三名いたわけよね、そうって、この三名のうち、誰が一番自分のことを思うのかなということをね、そういう心を試すために、まず長男を呼んでね、「今自分はね、相当重い病気になっている。」と、その病気を治すためにはね、丁度、嫁さんが赤子をつくっていたんでしょうね、「この子にはあげるな。その子を殺して、その赤子にあげているね、おっぱいを自分にくれ。」と、いうふうなことを長男に言ったというわけね。そうしたら、長男は何と答えたかというと、「もう父はね、よった歳である。だから、孫を殺してまでね、親にそれをあげられない。」というね、父よりも自分の子が大切だということを長男は言って、それを断ったというわけ。で、今度は次男を呼んでね、同しことを聞いたと、そしたら、次男は、相当乱暴者だったのか分からんけど、次男はね、「すぐ死ぬなら、死ね、死ね。」ともう問答無用という感じで、そういうふうに一方的に断ったから恐らくこれも不合格なんだろうな。そうやって最後に三男を呼んだと。三男がもう主人公になるわけだでね、これがもう道徳教育としてね、伝わっているのでは、三男の答えはね、「親というのはね、一人しかいない。親は大切であると、だから子供というのはね、今からつくればいくらでもつくれる。」ということでしょうね。「だから親の命が助かるためならこの子を犠牲にしてでもいい。」と、いうことで三男はオーケーしたというわけね。それでもってね、三男のほうの心はね、すごく親思いであるということで、「この子は、もうおっぱいあげないと死ぬわけだから、どこどこの場所にね、この子供を穴を掘って埋めなさい。」と、そこに埋めなさいということで、この三男には宝をあげようということでね、宝の隠し場所にね、宝を隠してとは言ってないで、蘇鉄か松があるところか分からんが、おじいちゃんはね、指定したわけね。そしたら、親子ね、両親も子供もね、お母さんも、一緒に行って、そして、「この子供が亡くなったら、埋める穴を掘る。」と言ってね、で、その掘ったら、その掘ったその場所からね、宝が出てきたと。いわゆる黄金というわけね。黄金がでてきたと。で、それで、「これは何だろう。」というふうになったら、この親が出てきてね、「うれー、これはあなたのもんだ。誠だからね、この宝はね、あなたにあげる。だから、子供はね、埋める必要もない。この宝を掘り起こしなさい。」と、言うことで、万々歳になったわけね。そいで、その後の話があるわけだ。それがね、この宝物を三男が、結局独り占めすることになるわけよね、それを、「死んでしまえ。」とかね、「もうよった歳は死んでもいいんじゃないか。」という心を持っている兄貴達がさ、そのまま黙っているはずはないさあね。で、その話を聞きつけてね、「分けろ。」ということでね、これを迫ったわけね、そうたら分けないというふうになったか分からんけど、宝の奪い合いでね、その次男、長男次男がね、計らってね、その三男をね、殺してしまうわけ。そして、もう殺されて、三男は後生に行くわけさ。で、後生に行ったらね、あの世には閻魔王がいるってね。この隠し事を書いとくの閻魔帳というんだけど、閻魔王というのが後生にいて、その人が、「おまえなぜここに来たんだ。どういう罪を犯してここに来たんだ。」というふうに、尋ねられているわけね。次男も長男も黄金をこう奪い合ってね、やはり誰かも殺されて、死んでいるんでしょ。そうやって一人は、「こうこうして喧嘩して殺された。」とね、「お前は心が悪いからね、お前は地獄だ。」と、いうことでね、地獄の方に落とされるような悪いことをしたからね、落とされたと。そして、この三男は、「誠だから君はね、心がきれい。だから今、ここに来るのは早い。だからもっと生き身でね、生の世にね、帰ってね、もっといいことをしなさい。」と、いうことで生き返されるというかね、またこの世に帰されるという話。そして、その時ただ帰されたんじゃなくて、「あんた帰すから、その世に帰ったらね、こういうふうな祭りごとをしなさい。」と、いうことでね、閻魔王が言いつけたのにね、エイサーがあるというわけ。エイサーの由来記というのはそこに根があるというふうに聞いたんだ。これが七月エイサー由来記というのがね。そして、閻魔王からね、「生の世に帰ってね、こう、たくさんさまよえるものがいるからね、七月には、いわゆる七夕ね、墓参りをしなさい。その13日には精霊を迎えてね、7月の10日、トートーメー、先祖にね、ウケーメーというのかなこういうおいしいものを供えなさい。」と、そういうふうな教えをして、そして、精霊送りがあるよね。「精霊を迎えて送るときにはね、その精霊のためにね、エイサーというね、それをやってね、朗らかに後生人〔あの世の人〕をね、慰めて先祖を供養しなさい。」と、そういうことを言ったと。それで、この三男はまた生き返って、閻魔王の教えを忠実に守って、それからエイサーというのがね、始まったんだというふうな付け足しがあったんだけどね。
| レコード番号 | 47O416275 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C333 |
| 決定題名 | 仲順大主(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 花城康勝 |
| 話者名かな | はなしろやすかつ |
| 生年月日 | 19380201 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 嘉手納町千原 |
| 記録日 | 19940916 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 嘉手納T36A08 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 仲順大主,男の子三名,重い病気,嫁,赤子,おっぱい,宝 |
| 梗概(こうがい) | 今でも北中城の仲順にね、碑文はあると思うけど、仲順大主というね、男の子、三名いたわけよね、そうって、この三名のうち、誰が一番自分のことを思うのかなということをね、そういう心を試すために、まず長男を呼んでね、「今自分はね、相当重い病気になっている。」と、その病気を治すためにはね、丁度、嫁さんが赤子をつくっていたんでしょうね、「この子にはあげるな。その子を殺して、その赤子にあげているね、おっぱいを自分にくれ。」と、いうふうなことを長男に言ったというわけね。そうしたら、長男は何と答えたかというと、「もう父はね、よった歳である。だから、孫を殺してまでね、親にそれをあげられない。」というね、父よりも自分の子が大切だということを長男は言って、それを断ったというわけ。で、今度は次男を呼んでね、同しことを聞いたと、そしたら、次男は、相当乱暴者だったのか分からんけど、次男はね、「すぐ死ぬなら、死ね、死ね。」ともう問答無用という感じで、そういうふうに一方的に断ったから恐らくこれも不合格なんだろうな。そうやって最後に三男を呼んだと。三男がもう主人公になるわけだでね、これがもう道徳教育としてね、伝わっているのでは、三男の答えはね、「親というのはね、一人しかいない。親は大切であると、だから子供というのはね、今からつくればいくらでもつくれる。」ということでしょうね。「だから親の命が助かるためならこの子を犠牲にしてでもいい。」と、いうことで三男はオーケーしたというわけね。それでもってね、三男のほうの心はね、すごく親思いであるということで、「この子は、もうおっぱいあげないと死ぬわけだから、どこどこの場所にね、この子供を穴を掘って埋めなさい。」と、そこに埋めなさいということで、この三男には宝をあげようということでね、宝の隠し場所にね、宝を隠してとは言ってないで、蘇鉄か松があるところか分からんが、おじいちゃんはね、指定したわけね。そしたら、親子ね、両親も子供もね、お母さんも、一緒に行って、そして、「この子供が亡くなったら、埋める穴を掘る。」と言ってね、で、その掘ったら、その掘ったその場所からね、宝が出てきたと。いわゆる黄金というわけね。黄金がでてきたと。で、それで、「これは何だろう。」というふうになったら、この親が出てきてね、「うれー、これはあなたのもんだ。誠だからね、この宝はね、あなたにあげる。だから、子供はね、埋める必要もない。この宝を掘り起こしなさい。」と、言うことで、万々歳になったわけね。そいで、その後の話があるわけだ。それがね、この宝物を三男が、結局独り占めすることになるわけよね、それを、「死んでしまえ。」とかね、「もうよった歳は死んでもいいんじゃないか。」という心を持っている兄貴達がさ、そのまま黙っているはずはないさあね。で、その話を聞きつけてね、「分けろ。」ということでね、これを迫ったわけね、そうたら分けないというふうになったか分からんけど、宝の奪い合いでね、その次男、長男次男がね、計らってね、その三男をね、殺してしまうわけ。そして、もう殺されて、三男は後生に行くわけさ。で、後生に行ったらね、あの世には閻魔王がいるってね。この隠し事を書いとくの閻魔帳というんだけど、閻魔王というのが後生にいて、その人が、「おまえなぜここに来たんだ。どういう罪を犯してここに来たんだ。」というふうに、尋ねられているわけね。次男も長男も黄金をこう奪い合ってね、やはり誰かも殺されて、死んでいるんでしょ。そうやって一人は、「こうこうして喧嘩して殺された。」とね、「お前は心が悪いからね、お前は地獄だ。」と、いうことでね、地獄の方に落とされるような悪いことをしたからね、落とされたと。そして、この三男は、「誠だから君はね、心がきれい。だから今、ここに来るのは早い。だからもっと生き身でね、生の世にね、帰ってね、もっといいことをしなさい。」と、いうことで生き返されるというかね、またこの世に帰されるという話。そして、その時ただ帰されたんじゃなくて、「あんた帰すから、その世に帰ったらね、こういうふうな祭りごとをしなさい。」と、いうことでね、閻魔王が言いつけたのにね、エイサーがあるというわけ。エイサーの由来記というのはそこに根があるというふうに聞いたんだ。これが七月エイサー由来記というのがね。そして、閻魔王からね、「生の世に帰ってね、こう、たくさんさまよえるものがいるからね、七月には、いわゆる七夕ね、墓参りをしなさい。その13日には精霊を迎えてね、7月の10日、トートーメー、先祖にね、ウケーメーというのかなこういうおいしいものを供えなさい。」と、そういうふうな教えをして、そして、精霊送りがあるよね。「精霊を迎えて送るときにはね、その精霊のためにね、エイサーというね、それをやってね、朗らかに後生人〔あの世の人〕をね、慰めて先祖を供養しなさい。」と、そういうことを言ったと。それで、この三男はまた生き返って、閻魔王の教えを忠実に守って、それからエイサーというのがね、始まったんだというふうな付け足しがあったんだけどね。 |
| 全体の記録時間数 | 11:30 |
| 物語の時間数 | 10:09 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |