王府の一族なんだよ。渡嘉敷ペークーって言ってね、あだ名。あれは、尚敬王時代、今から240年ぐらいなるんじゃないかな。で、あの人はとても頭がね、効いてよ、学もいい。で、おもしろい人である。前、あれの奥さんは、尚家のお嬢さんなんだ。それで、王府の婿なったわけさあ、渡嘉敷は。そんで、ある日、渡嘉敷ペークが、首里の王府に行ったけど、そんで、とても碁が好きでよ。尚敬王も、とっても碁好きで、「明日ペークー呼んで来い。もう寂しいから。」呼んで来てね。で、座っとったらね、ペークーもそこに来て、門番達には挨拶しない。ほんで、カクがそこに座っているわけね。ほんで、あんまり、やあやあしてやるもんだからね、閣僚も怒ってね、渡嘉敷ペークはね、注意されたらしいんだよ。「お前は何歩下がって、あそこ座って、国王が石を打ったらね、またお前の番なったら、また来て打ちなさい。」言ったらしいんだよ。で、「はい、分かりました。」ちゅうてよ。それで、尚敬王がいろいろ考えたの打つでしょ。したら、ナーダ分からなくて見えるんでしょ、打ったんだからね。またあそこから、屈んでまた打って。もう2、3回ぐらいしたらね、もう尚敬王、もう呆れてね、「もうお前ら黙っとけ。もう面白くない。こんな碁打ってね、もうあんまりいい気持ちじゃない。もうお前がいいようにこっち来なさいよ、あんた。」それ、そうしてね、碁打っていたらしいんだよ。で、もう二人きりなったらしいよ。そこでご飯食べたらしいんだよ。「ああ、味噌汁うまいですねえ。ああ、わしら塩ばっかり飲んどるから。」味噌貰いたいんだよね。「塩ばっかり飲んどるから、もう味噌汁飲んだら本当に幸福だなあ。」って言ったらしいんだよ。「お前とこ味噌ないのか。」って言ったら、「味噌ないです。」それでね、「じゃあ、味噌はあげるからね、持っていくのはお前の考えだよ。門番がいるから。」って言ってよ、「ああ、それはもう知ってますので。」ということで、言いつけてから、それで、下の位の者に言いつけて味噌を持ってこさせた。とにかく、樽か瓶かい。それで、『どのように持っていくのかな。』んち、見とったらしいんだよ。木小にちむ掘ーなかい、刺さーんかて、来てから、「王様から貰ったよ。」んちよ、儲かっているから。これは頭がいいんだ。ほんで、ある日ね、北谷に行ったらしいよ。ほんで、何親方っちいったかなあ。国頭っていったら国頭。帰りにその、親方が、そこに寄ったらしいんだよ、ペークの所に。ほんで、寄ってね、お茶沸かす言うてよ。昔はね、平民は土で作ったやかん、土で作った釜でね、お茶を沸かしたらしいんだよ。ほんで、ペークはね、『どうにか、こう、出来んかな。買うお金もないから。』と思ってさ、「いや、お茶なら湧かないのか、本当に湧かないのか。家はもう土釜だから、そんなはらも出来ませんよ。」で、「お前ら、土釜か。」言ってね。ほんで、お茶を飲んで帰ったらしいんだよ。ほんで、「えーこの前寄ったけんど、土釜で鉄の、鋳物の鍋はなくてね、土で作った釜を使ってましたよ。」と言ったわけだ。「そうか。」ということで、すぐ家来連れてきて、釜上等から持ってきてあった。大変な、あればーやー、頭がいいというかね。また、あれ学問あるからね、八重山の士族に学問教える何ヶ月か、派遣されたらしいんだよ、渡嘉敷は。で、八重山では、真っ直ぐをねマガヤーんでぃ言ったんだ。向こうではマガヤーにはマッスグーって言うんだよ。ほんで、反対言うらしいんだよ。あんまり冗談持ちだからね、「首里とかさ、沖縄でね、この真っ直ぐ道にはね、何と言いますか。」って言ったらね、うん、タマヤーんでぃがらマガヤーんちいちぇるばーてー。笑いながら。あれで生徒本当でぃうてぃてぃやーまかい、今もそう使ってる。マガヤーんでぃ。ええ、ペークーの冗談で言ったもんが今まで用いたらしい。
| レコード番号 | 47O416222 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C330 |
| 決定題名 | 渡嘉敷ペーク 碁 味噌 八重山(シマグチ混) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 沢岻安徳 |
| 話者名かな | たくしあんとく |
| 生年月日 | 19220826 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 嘉手納町野国 |
| 記録日 | 19940718 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 嘉手納T33B02 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | かでなの民話P65 |
| キーワード | 王府の一族,渡嘉敷ペークー,王府の婿,碁,味噌汁,木,お茶,土釜,八重 |
| 梗概(こうがい) | 王府の一族なんだよ。渡嘉敷ペークーって言ってね、あだ名。あれは、尚敬王時代、今から240年ぐらいなるんじゃないかな。で、あの人はとても頭がね、効いてよ、学もいい。で、おもしろい人である。前、あれの奥さんは、尚家のお嬢さんなんだ。それで、王府の婿なったわけさあ、渡嘉敷は。そんで、ある日、渡嘉敷ペークが、首里の王府に行ったけど、そんで、とても碁が好きでよ。尚敬王も、とっても碁好きで、「明日ペークー呼んで来い。もう寂しいから。」呼んで来てね。で、座っとったらね、ペークーもそこに来て、門番達には挨拶しない。ほんで、カクがそこに座っているわけね。ほんで、あんまり、やあやあしてやるもんだからね、閣僚も怒ってね、渡嘉敷ペークはね、注意されたらしいんだよ。「お前は何歩下がって、あそこ座って、国王が石を打ったらね、またお前の番なったら、また来て打ちなさい。」言ったらしいんだよ。で、「はい、分かりました。」ちゅうてよ。それで、尚敬王がいろいろ考えたの打つでしょ。したら、ナーダ分からなくて見えるんでしょ、打ったんだからね。またあそこから、屈んでまた打って。もう2、3回ぐらいしたらね、もう尚敬王、もう呆れてね、「もうお前ら黙っとけ。もう面白くない。こんな碁打ってね、もうあんまりいい気持ちじゃない。もうお前がいいようにこっち来なさいよ、あんた。」それ、そうしてね、碁打っていたらしいんだよ。で、もう二人きりなったらしいよ。そこでご飯食べたらしいんだよ。「ああ、味噌汁うまいですねえ。ああ、わしら塩ばっかり飲んどるから。」味噌貰いたいんだよね。「塩ばっかり飲んどるから、もう味噌汁飲んだら本当に幸福だなあ。」って言ったらしいんだよ。「お前とこ味噌ないのか。」って言ったら、「味噌ないです。」それでね、「じゃあ、味噌はあげるからね、持っていくのはお前の考えだよ。門番がいるから。」って言ってよ、「ああ、それはもう知ってますので。」ということで、言いつけてから、それで、下の位の者に言いつけて味噌を持ってこさせた。とにかく、樽か瓶かい。それで、『どのように持っていくのかな。』んち、見とったらしいんだよ。木小にちむ掘ーなかい、刺さーんかて、来てから、「王様から貰ったよ。」んちよ、儲かっているから。これは頭がいいんだ。ほんで、ある日ね、北谷に行ったらしいよ。ほんで、何親方っちいったかなあ。国頭っていったら国頭。帰りにその、親方が、そこに寄ったらしいんだよ、ペークの所に。ほんで、寄ってね、お茶沸かす言うてよ。昔はね、平民は土で作ったやかん、土で作った釜でね、お茶を沸かしたらしいんだよ。ほんで、ペークはね、『どうにか、こう、出来んかな。買うお金もないから。』と思ってさ、「いや、お茶なら湧かないのか、本当に湧かないのか。家はもう土釜だから、そんなはらも出来ませんよ。」で、「お前ら、土釜か。」言ってね。ほんで、お茶を飲んで帰ったらしいんだよ。ほんで、「えーこの前寄ったけんど、土釜で鉄の、鋳物の鍋はなくてね、土で作った釜を使ってましたよ。」と言ったわけだ。「そうか。」ということで、すぐ家来連れてきて、釜上等から持ってきてあった。大変な、あればーやー、頭がいいというかね。また、あれ学問あるからね、八重山の士族に学問教える何ヶ月か、派遣されたらしいんだよ、渡嘉敷は。で、八重山では、真っ直ぐをねマガヤーんでぃ言ったんだ。向こうではマガヤーにはマッスグーって言うんだよ。ほんで、反対言うらしいんだよ。あんまり冗談持ちだからね、「首里とかさ、沖縄でね、この真っ直ぐ道にはね、何と言いますか。」って言ったらね、うん、タマヤーんでぃがらマガヤーんちいちぇるばーてー。笑いながら。あれで生徒本当でぃうてぃてぃやーまかい、今もそう使ってる。マガヤーんでぃ。ええ、ペークーの冗談で言ったもんが今まで用いたらしい。 |
| 全体の記録時間数 | 7:54 |
| 物語の時間数 | 7:26 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |