喜屋武ミー小という方はね、まあ背もあまり大きくないけども、要するに昔は、この辺で砂糖作って那覇の港まで馬車に乗せて、この仕上げた砂糖を向こうで降ろして、帰りには、まあ日用品を買うなり、さもなければそのまま帰って来る。要するに、運搬は全部馬車でやりよったわけだよね。そうするとね、今度、その那覇の帰りがけにね、例えば宜野湾辺りで、その地域の人たち、武士とかそうゆう青年たちが、嫌がらせとか、そうゆう、賭き試しとゆう、「お前はどのぐらい強いか、やってみようじゃないか」と言う。一つのそうゆうものでね、よくね、この地域から、荷馬車で那覇に荷物を降ろして、帰る所、もう夕暮れになるから、そうゆう所に待ち伏せしてね、必ずこの荷馬車引き、あの当時の農業やってる方々が、那覇から帰る時に、よくこう待ち伏せしてね、嫌がらせしたり、喧嘩したりやりよったみたい。そうして、この地域では、喜屋武ミー小をまあ頼るとゆうのかな、この人と一緒に帰りたがってね、馬車は何台か連らねて、この人がね、馬車の一番もう最後になって、そして、みんなの護衛みたいな形でね、やってね、そして、この人も武術にとんだ人でしたから、この人の手綱、馬の前の馬車に縛って、自分この人一人でもう、何名も、五、六名も相手にしてね、そして、それなり、遠ざかって行った場合にこの人、後から付いて来たとかね、非常にこの人は、そういう武術面では優れた人だったと。そして、おもしろい話に、例えば荷崩れしますよ、あの荷崩れってのは、この昔の道ってゆうのは、農道みたいな、あるいは山道ともいったけど、この馬車に荷を積む最中に後ろから、若い連中が馬車を引っ張って来て、「おい、その、やなタンメーグヮー。〈おい、その、じじい〉」とその年寄りに「早く馬車をよけなさい」と。そうしたら、「ちょっと待っておけ」つって、「今、荷物積んでおる最中だから、ちょっと待ってくれ」って。それでも、若い連中がね、もうまあ、ウシェーインって言うの、なんと言ったらいいのかなあ、「お前、言うこと聞かんと、叩くぞ」というような、そういう昔の言葉、あるんだけど、そういうようなニュアンスでやってるとね、「よっしゃー、もうちょっとだから、ちょっと待ってよ」ったら、そのね、普通だったら、荷馬車から、ロープをかけて、反対側をこう締める場合に、馬車の後ろからこう回っていってかけそうでしょ。馬車にもう荷を積んでいて、ここで結んで向こう側にこのロープを引っかけて、こう締めるという場合
に、ここで結んで縄をぽんと投げて普通だったらこう、回って行くじゃない。だけどこの人はね、そっちの車をぱっと蹴ってね、この荷馬車を飛び越えていったわけさあ。そしたもんだからね、「この人てーげーむんあらん。〈この人はただ者ではない〉」ということで、この人たいした人だということで、「おじさん、しっかり、ゆっくり、荷物を積んで下さい」ということで、そのぐらい、恐れをなしたというぐらいの方であるわけ。
| レコード番号 | 47O235956 |
|---|---|
| CD番号 | 47O23C317 |
| 決定題名 | 喜屋武ミー小(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 花城康次郎 |
| 話者名かな | はなしろこうじろう |
| 生年月日 | 19310110 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 嘉手納町字野国 |
| 記録日 | 19930829 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 嘉手納T16B06 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | かでなの民話P188 |
| キーワード | 荷馬車,砂糖,賭け試し,武術 |
| 梗概(こうがい) | 喜屋武ミー小という方はね、まあ背もあまり大きくないけども、要するに昔は、この辺で砂糖作って那覇の港まで馬車に乗せて、この仕上げた砂糖を向こうで降ろして、帰りには、まあ日用品を買うなり、さもなければそのまま帰って来る。要するに、運搬は全部馬車でやりよったわけだよね。そうするとね、今度、その那覇の帰りがけにね、例えば宜野湾辺りで、その地域の人たち、武士とかそうゆう青年たちが、嫌がらせとか、そうゆう、賭き試しとゆう、「お前はどのぐらい強いか、やってみようじゃないか」と言う。一つのそうゆうものでね、よくね、この地域から、荷馬車で那覇に荷物を降ろして、帰る所、もう夕暮れになるから、そうゆう所に待ち伏せしてね、必ずこの荷馬車引き、あの当時の農業やってる方々が、那覇から帰る時に、よくこう待ち伏せしてね、嫌がらせしたり、喧嘩したりやりよったみたい。そうして、この地域では、喜屋武ミー小をまあ頼るとゆうのかな、この人と一緒に帰りたがってね、馬車は何台か連らねて、この人がね、馬車の一番もう最後になって、そして、みんなの護衛みたいな形でね、やってね、そして、この人も武術にとんだ人でしたから、この人の手綱、馬の前の馬車に縛って、自分この人一人でもう、何名も、五、六名も相手にしてね、そして、それなり、遠ざかって行った場合にこの人、後から付いて来たとかね、非常にこの人は、そういう武術面では優れた人だったと。そして、おもしろい話に、例えば荷崩れしますよ、あの荷崩れってのは、この昔の道ってゆうのは、農道みたいな、あるいは山道ともいったけど、この馬車に荷を積む最中に後ろから、若い連中が馬車を引っ張って来て、「おい、その、やなタンメーグヮー。〈おい、その、じじい〉」とその年寄りに「早く馬車をよけなさい」と。そうしたら、「ちょっと待っておけ」つって、「今、荷物積んでおる最中だから、ちょっと待ってくれ」って。それでも、若い連中がね、もうまあ、ウシェーインって言うの、なんと言ったらいいのかなあ、「お前、言うこと聞かんと、叩くぞ」というような、そういう昔の言葉、あるんだけど、そういうようなニュアンスでやってるとね、「よっしゃー、もうちょっとだから、ちょっと待ってよ」ったら、そのね、普通だったら、荷馬車から、ロープをかけて、反対側をこう締める場合に、馬車の後ろからこう回っていってかけそうでしょ。馬車にもう荷を積んでいて、ここで結んで向こう側にこのロープを引っかけて、こう締めるという場合 に、ここで結んで縄をぽんと投げて普通だったらこう、回って行くじゃない。だけどこの人はね、そっちの車をぱっと蹴ってね、この荷馬車を飛び越えていったわけさあ。そしたもんだからね、「この人てーげーむんあらん。〈この人はただ者ではない〉」ということで、この人たいした人だということで、「おじさん、しっかり、ゆっくり、荷物を積んで下さい」ということで、そのぐらい、恐れをなしたというぐらいの方であるわけ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:34 |
| 物語の時間数 | 4:50 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |