あるお爺さんがね、一人暮しで、一人で畑仕事しとったらしいんだよ。ほで、そのお爺ちゃんの所によ、いつも、ある狐が来てね、友達なったらしいんだ。お爺ちゃんが稲植えるでしょ。植えたらね、後ろから来て、全部こう取って抜いてしてね。また、お爺ちゃんがね、方向変換してね、植えて前見たら、今まで植えた稲がね、ないんだよね。取って捨てられたもんだから。(ええ、不思議だなあ。あいつがまた来たんだなあ)と思ってね、姿は見せんで化けてからに稲だけ取って捨ててるんだ。ほんでからに、友達なってね、狐がね、お爺さんに、「お爺さんが一番世の中でね怖いもんは何か」ちて、言ったらしいんだよ。「ああ、わしの怖いもんは、一番怖い物はお金のね札束、あれ見たらたまげるほど、目まいするぐらいびっくりするよ」ちて言ったらしいんだよ。今だったら、そう、十、百万、八百万円、一千万円の束があるでしょ。ああいったように昔の十円束とか百円束とかね、そういう札束一番怖いといって。で、狐はね、(お爺さん、これびっくりさせてやろう)と思ってね、さっそく銀行行って、人間に化けてねたくさん金をおろしてね。お爺さんは、そこに座っとったらそのお爺さんの前に札束をね、こうして投げたらしいんだよ。お爺さんそれびっくりしてね、「ああ、大変、大変だ」と言いながらたんすの引き出しに入れてね。狐は手をたたいて逃げて行きよったらしい。「お前が世の中で一番、怖い物はなんか」って言ったらね、あの狐はね、「八つの手あるもんが一番怖い」ちゅうてよ。蛸とか烏賊とかね。で、「あっ、そうか」で、すぐ店行ってね。烏賊から蛸からたくさん買ってよ、屋敷によ、あっちこっちにふら下げたらしいんだよ。それで、畑行く時にもよ、あれを腰にぶら下げて。それから、もう縁切れてね、狐は来なかったらしい。もうお爺さんはね、金持ちなったって。
| レコード番号 | 47O235865 |
|---|---|
| CD番号 | 47O23C312 |
| 決定題名 | 何が怖い(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 沢岻安徳 |
| 話者名かな | たくしあんとく |
| 生年月日 | 19220826 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 嘉手納町字野国 |
| 記録日 | 19930829 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 嘉手納T13A03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | かでなの民話P329 |
| キーワード | 爺,狐,札束,手八つ,蛸,烏賊 |
| 梗概(こうがい) | あるお爺さんがね、一人暮しで、一人で畑仕事しとったらしいんだよ。ほで、そのお爺ちゃんの所によ、いつも、ある狐が来てね、友達なったらしいんだ。お爺ちゃんが稲植えるでしょ。植えたらね、後ろから来て、全部こう取って抜いてしてね。また、お爺ちゃんがね、方向変換してね、植えて前見たら、今まで植えた稲がね、ないんだよね。取って捨てられたもんだから。(ええ、不思議だなあ。あいつがまた来たんだなあ)と思ってね、姿は見せんで化けてからに稲だけ取って捨ててるんだ。ほんでからに、友達なってね、狐がね、お爺さんに、「お爺さんが一番世の中でね怖いもんは何か」ちて、言ったらしいんだよ。「ああ、わしの怖いもんは、一番怖い物はお金のね札束、あれ見たらたまげるほど、目まいするぐらいびっくりするよ」ちて言ったらしいんだよ。今だったら、そう、十、百万、八百万円、一千万円の束があるでしょ。ああいったように昔の十円束とか百円束とかね、そういう札束一番怖いといって。で、狐はね、(お爺さん、これびっくりさせてやろう)と思ってね、さっそく銀行行って、人間に化けてねたくさん金をおろしてね。お爺さんは、そこに座っとったらそのお爺さんの前に札束をね、こうして投げたらしいんだよ。お爺さんそれびっくりしてね、「ああ、大変、大変だ」と言いながらたんすの引き出しに入れてね。狐は手をたたいて逃げて行きよったらしい。「お前が世の中で一番、怖い物はなんか」って言ったらね、あの狐はね、「八つの手あるもんが一番怖い」ちゅうてよ。蛸とか烏賊とかね。で、「あっ、そうか」で、すぐ店行ってね。烏賊から蛸からたくさん買ってよ、屋敷によ、あっちこっちにふら下げたらしいんだよ。それで、畑行く時にもよ、あれを腰にぶら下げて。それから、もう縁切れてね、狐は来なかったらしい。もうお爺さんはね、金持ちなったって。 |
| 全体の記録時間数 | 3:58 |
| 物語の時間数 | 3:50 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |