14世紀頃、鮫川大屋が伊是名から出て来て馬天に上がり、住まいは宜野湾にあった。そこには、畑仕事から帰って、いつも手足を洗い、農機具を洗う井戸があった。ある日、手足を洗うためにその井戸へ行くと、木の枝にきれいな着物が掛かっていた。不思議に思い近づいてみると、女が水浴びをしていた。男はその着物を取って自分の家に持ち帰り、蔵の下に隠した。再び井戸へ行くと、女は驚いて大急ぎで着物を着ようとしたが、掛けておいたはずの着物がない。女が泣きそうになって「飛び衣がない」と言うと、男は「そうか、かわいそうに。それでは私が着物を取って来るから」と言って、家から古い着物を持って来た。「どうするか」と聞くと、「飛び衣がないことには天にも帰れない」と言う。「それでは仕方がないから家に行こう」と言って、鮫川大屋は女を連れ帰った。それから1年も2年も過ぎて二人の間に男の子と女の子が出来た。その子供達が7,8歳になったころ、姉が弟をあやしながら、「母親の飛び衣は四つ蔵の中にある」と子守歌を歌った。それを聞いた母親がびっくりして蔵へ行ってみると、その衣があった。母親はその飛び衣を着て天に帰っていったという。その後、その弟が成長した頃、勝連按司の娘が婿取りをするといううわさが広がったので、男の子は婿になろうと勝連城へ出掛けた。みすぼらしい格好だったため門前払いを食うが、王の娘がこの男は将来国王になるという夢を見たということで、両親を説得して二人は結婚する。それから二人は宜野湾の男の家に行くが、その農家にランプがあり、よく見るとその台石がピカピカ光っていた。「この石は黄金なんだがどこから持ってきたか」と妻が聞くと、「そんな石は私の畑にいくらでもある」と夫は答える。妻が畑へ行ってみると本当だった。黄金は掘り出され、中国、朝鮮、大和あたりとの貿易に使われた。大和の鉄と交換して、その鉄で農機具を作り百姓達に配った。百姓達はこの人こそ国王にすべきだ、と持ち上げられ国王察度王になった。今、牧港に金宮があるが、ここが金の出た場所だと伝えられている。
| レコード番号 | 47O235863 |
|---|---|
| CD番号 | 47O23C312 |
| 決定題名 | 天人女房 察度王 炭焼き(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 沢岻安徳 |
| 話者名かな | たくしあんとく |
| 生年月日 | 19220826 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 嘉手納町字野国 |
| 記録日 | 19930829 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 嘉手納T13A01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 宜野湾,井戸,水浴び,飛び衣,子守歌,勝連城,察度王,黄金,金の宮 |
| 梗概(こうがい) | 14世紀頃、鮫川大屋が伊是名から出て来て馬天に上がり、住まいは宜野湾にあった。そこには、畑仕事から帰って、いつも手足を洗い、農機具を洗う井戸があった。ある日、手足を洗うためにその井戸へ行くと、木の枝にきれいな着物が掛かっていた。不思議に思い近づいてみると、女が水浴びをしていた。男はその着物を取って自分の家に持ち帰り、蔵の下に隠した。再び井戸へ行くと、女は驚いて大急ぎで着物を着ようとしたが、掛けておいたはずの着物がない。女が泣きそうになって「飛び衣がない」と言うと、男は「そうか、かわいそうに。それでは私が着物を取って来るから」と言って、家から古い着物を持って来た。「どうするか」と聞くと、「飛び衣がないことには天にも帰れない」と言う。「それでは仕方がないから家に行こう」と言って、鮫川大屋は女を連れ帰った。それから1年も2年も過ぎて二人の間に男の子と女の子が出来た。その子供達が7,8歳になったころ、姉が弟をあやしながら、「母親の飛び衣は四つ蔵の中にある」と子守歌を歌った。それを聞いた母親がびっくりして蔵へ行ってみると、その衣があった。母親はその飛び衣を着て天に帰っていったという。その後、その弟が成長した頃、勝連按司の娘が婿取りをするといううわさが広がったので、男の子は婿になろうと勝連城へ出掛けた。みすぼらしい格好だったため門前払いを食うが、王の娘がこの男は将来国王になるという夢を見たということで、両親を説得して二人は結婚する。それから二人は宜野湾の男の家に行くが、その農家にランプがあり、よく見るとその台石がピカピカ光っていた。「この石は黄金なんだがどこから持ってきたか」と妻が聞くと、「そんな石は私の畑にいくらでもある」と夫は答える。妻が畑へ行ってみると本当だった。黄金は掘り出され、中国、朝鮮、大和あたりとの貿易に使われた。大和の鉄と交換して、その鉄で農機具を作り百姓達に配った。百姓達はこの人こそ国王にすべきだ、と持ち上げられ国王察度王になった。今、牧港に金宮があるが、ここが金の出た場所だと伝えられている。 |
| 全体の記録時間数 | 15:38 |
| 物語の時間数 | 15:30 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |