寄木の主(共通語)

概要

久松に東家と西家があり、東家は金持ちの家で、西家は貧乏な家であった。金持ちの東家の人が海に出て延縄漁をしていると、流木が流れてきた。その流木に乗っていると、見えないけれども寄木の主(ユーキヌクウヤ)の話が聞こえてきた。寄木の主と別の神の話では、男の子の生まれる家ではお茶もなく、大変汚い感じの家だった。だが、もう片方の家は、貧乏ではあるが掃除をして、とてもきれいに家であった。だから男の子には“こぼれるものを食べなさい”という名を付け、女の子には“マゴノユータラーコー”という名前を付けた、という内容の話だった。東家の人は取った魚を担いで西家に行った。すると西家には女の子が生まれていたので、東家の人は「私の所は男の子が生まれたので、将来いいなずけにしよう」と言った。西家の人は貧乏だったので、すぐに合意した。西家の女の子が年頃になったので嫁に行ったが、夫はますます金持ちになっていった。雨降りの時、麦を挽いて食べようと、夫に出したが、夫は「こんなものを食わすのか」と言って、嫁を家から追い出した。西家の女は家から追い出されても行く所もなく、屋敷のアサギの中にある俵の中に入って寝た。すると寄木の主の遣いの神が来て、「お前はここにおるべきではない。北に行って炭を焼いている人がいるから、その人と一緒になりなさい」と言ったので、姥を連れて北に向かった。北に向かって行くと、一つの家があったので、一晩泊めてくださいと頼んだ。すると、その家の人は、「私の家は人を泊めるような家ではないので、他の家に泊まってくれ」と言ったが、女がどうしてもというので泊めて上げた。男は炭焼太郎で、まっ黒になっていた。女は、まっ黒と神様は言っていなかったので、指に唾をつけて太郎をこすってみると、とてもきれいな人だった。女は、神様が言ったのはこの人だろうと、妻にしてもらう。太郎は山小屋の他に街に家があったので、そこに行ってクモの巣を払い、掃除していい生活を送った。2人の間には男の子が3人、女の子が2人出来たが、子供たちは炭焼太郎の子とバカにされていた。男の子3人は、父がいるからバカにされるのだと言って、インザミツ(旧暦3月頃)に、父(太郎)を誘って漁に行った。太郎は目も見えなくなっていたが、子供たちに舟に乗って待つように言われ、子供たちにそのまま置き去りにされた。男の子3人は家に帰り、太郎を捨ててきたと喜び酒を飲んでいたが、娘たちは太郎を探しに行った。太郎はフカに助けられ浜に下りた。その時、娘たちが来て喜んだ。太郎は海になにかいるかと尋ねて、フカがいることを知ると、娘たちに家に帰り、一番大きな親牛を持ってこさせて、アダンに繋ぎ腿から切ってフカに与えた。最後に頭を上げたら、フカは上に乗せて帰っていった。太郎は家に帰り男の子たちに旅をさせる。太郎の家は海の近くだったから娘に兄たちはどこだと何度も聞いた。少し離れると太郎は、クバの葉を身に着け、鳥の真似をした。すると竜巻が起こり、3人の男の子たちは竜巻に呑み込まれてしまった。さて、初めの東家の人は、貧乏になり物乞いとなって女の所へ来たので、妻は麦を上げた。男は一生懸命食べたので、女は「私のハッタイホーを食べるのか」と言った。すると、男はびっくりして死んでしまった。女は男を哀れに思い、カマドの裏に埋めた。太郎の娘たちは、ナカヤーマブナレーという家に嫁いで成功したという。

再生時間:27:31:00

民話詳細DATA

レコード番号 47O233981
CD番号 47O23C209
決定題名 寄木の主(共通語)
話者がつけた題名
話者名 下地マツ
話者名かな しもじまつ
生年月日 19110628
性別
出身地 平良市西仲宗根
記録日 19970918
記録者の所属組織 沖縄国際大学口承研
元テープ番号 平良T151B02
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 流木,福分,炭焼太郎,竜巻,フカ,牛の頭
梗概(こうがい) 久松に東家と西家があり、東家は金持ちの家で、西家は貧乏な家であった。金持ちの東家の人が海に出て延縄漁をしていると、流木が流れてきた。その流木に乗っていると、見えないけれども寄木の主(ユーキヌクウヤ)の話が聞こえてきた。寄木の主と別の神の話では、男の子の生まれる家ではお茶もなく、大変汚い感じの家だった。だが、もう片方の家は、貧乏ではあるが掃除をして、とてもきれいに家であった。だから男の子には“こぼれるものを食べなさい”という名を付け、女の子には“マゴノユータラーコー”という名前を付けた、という内容の話だった。東家の人は取った魚を担いで西家に行った。すると西家には女の子が生まれていたので、東家の人は「私の所は男の子が生まれたので、将来いいなずけにしよう」と言った。西家の人は貧乏だったので、すぐに合意した。西家の女の子が年頃になったので嫁に行ったが、夫はますます金持ちになっていった。雨降りの時、麦を挽いて食べようと、夫に出したが、夫は「こんなものを食わすのか」と言って、嫁を家から追い出した。西家の女は家から追い出されても行く所もなく、屋敷のアサギの中にある俵の中に入って寝た。すると寄木の主の遣いの神が来て、「お前はここにおるべきではない。北に行って炭を焼いている人がいるから、その人と一緒になりなさい」と言ったので、姥を連れて北に向かった。北に向かって行くと、一つの家があったので、一晩泊めてくださいと頼んだ。すると、その家の人は、「私の家は人を泊めるような家ではないので、他の家に泊まってくれ」と言ったが、女がどうしてもというので泊めて上げた。男は炭焼太郎で、まっ黒になっていた。女は、まっ黒と神様は言っていなかったので、指に唾をつけて太郎をこすってみると、とてもきれいな人だった。女は、神様が言ったのはこの人だろうと、妻にしてもらう。太郎は山小屋の他に街に家があったので、そこに行ってクモの巣を払い、掃除していい生活を送った。2人の間には男の子が3人、女の子が2人出来たが、子供たちは炭焼太郎の子とバカにされていた。男の子3人は、父がいるからバカにされるのだと言って、インザミツ(旧暦3月頃)に、父(太郎)を誘って漁に行った。太郎は目も見えなくなっていたが、子供たちに舟に乗って待つように言われ、子供たちにそのまま置き去りにされた。男の子3人は家に帰り、太郎を捨ててきたと喜び酒を飲んでいたが、娘たちは太郎を探しに行った。太郎はフカに助けられ浜に下りた。その時、娘たちが来て喜んだ。太郎は海になにかいるかと尋ねて、フカがいることを知ると、娘たちに家に帰り、一番大きな親牛を持ってこさせて、アダンに繋ぎ腿から切ってフカに与えた。最後に頭を上げたら、フカは上に乗せて帰っていった。太郎は家に帰り男の子たちに旅をさせる。太郎の家は海の近くだったから娘に兄たちはどこだと何度も聞いた。少し離れると太郎は、クバの葉を身に着け、鳥の真似をした。すると竜巻が起こり、3人の男の子たちは竜巻に呑み込まれてしまった。さて、初めの東家の人は、貧乏になり物乞いとなって女の所へ来たので、妻は麦を上げた。男は一生懸命食べたので、女は「私のハッタイホーを食べるのか」と言った。すると、男はびっくりして死んでしまった。女は男を哀れに思い、カマドの裏に埋めた。太郎の娘たちは、ナカヤーマブナレーという家に嫁いで成功したという。
全体の記録時間数 27:31:00
物語の時間数 27:31:00
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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