川満村の東の村にウラカニクという村があった。ウラカニクはウイニャーという村に生まれた。カニクは5歳の時に父を亡くし、妹と二人母に連れられカーニク村に育った。亡き父は昼は畑、夜は海に出て働いて暮らしていた。カニクのは母は邪まな人で、夜、川満の男と付き合い、二人で暮らすようになる。ある夜、カニ、エビ、タコをたくさん取ってきた父を迎えることにした。カニクの家にはガジュマルの木があって、その木の上から岩を落とすことを川満村の男は考え、母親と二人で待ち受けた。岩を落とされて死んだ父の死体を抱いてカニクは泣いていた。その後母に連れられ、村の外で育ちウラカニクとなる。カニクは父の死を忘れることなく毎日を暮らした。ある日、カニクは妹と二人で畑にバッタ取りに行った。妹は、「アサガマ(兄さん)、私が母の膝の上で聞いたのだが、兄さんを殺そうとしている」と話した。来間での火のエンマというヤーマス御嶽に参加するということで、母と二人で船に乗った。「ミキ」「バツンツ」(お酒のようなもの)を持ち、父はカニクに「ミキ」を飲ませ、酔わせて殺すことを考えていた。年端も行かない子どもが「ミキ」は飲まないと断わった。次に父は祭りも終わって帰る途中に殺すことを考えていた。釣バネをわざと引っ掛けてカニクを殺すようにしたのだが、「アジクヤ」という島浜に差し掛かって釣りバネが引っ掛かった。カニクは潜ってみると、背に掛かっている企みに気付き、「お父さん、大きな魚が背に掛かっているから二人で取ろう」と父を呼んだ。父は信用して海の中に入ると、カニクは船に乗った。するとカニクは父の両手を切り、首をはね、実の父親の仇を取ることができた。「来間岩(シー)」という岩が今も残っている。カニクは継父の首を船の上に置き、「神代私が悪ければ鬼の島へ。でなければタマエに着かせ給え」と言った。船は川満の大川浜に着き、急いで家に帰ると、父の草履を床下に隠した。母に「父の草履を取りに来た」と言うと、母は床下を探した。その時に刃で殺し、カニクは妹に「お前は私が育てて裕福な所に行かせる」と言った。「ウシバザラ、ピキバザラ、バキマヤ」という家に行かすことを約束した。ザラというのは戸を引く音のことで、戸のある裕福な家に行かすという意味である。
| レコード番号 | 47O233903 |
|---|---|
| CD番号 | 47O23C204 |
| 決定題名 | ウラカニク(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 松原清太郎 |
| 話者名かな | まつばらせいたろう |
| 生年月日 | 19100305 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 平良市字松原 |
| 記録日 | 19970918 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄国際大学口承研 |
| 元テープ番号 | 平良T140A04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | ウラカニク,ヤーマス御嶽 |
| 梗概(こうがい) | 川満村の東の村にウラカニクという村があった。ウラカニクはウイニャーという村に生まれた。カニクは5歳の時に父を亡くし、妹と二人母に連れられカーニク村に育った。亡き父は昼は畑、夜は海に出て働いて暮らしていた。カニクのは母は邪まな人で、夜、川満の男と付き合い、二人で暮らすようになる。ある夜、カニ、エビ、タコをたくさん取ってきた父を迎えることにした。カニクの家にはガジュマルの木があって、その木の上から岩を落とすことを川満村の男は考え、母親と二人で待ち受けた。岩を落とされて死んだ父の死体を抱いてカニクは泣いていた。その後母に連れられ、村の外で育ちウラカニクとなる。カニクは父の死を忘れることなく毎日を暮らした。ある日、カニクは妹と二人で畑にバッタ取りに行った。妹は、「アサガマ(兄さん)、私が母の膝の上で聞いたのだが、兄さんを殺そうとしている」と話した。来間での火のエンマというヤーマス御嶽に参加するということで、母と二人で船に乗った。「ミキ」「バツンツ」(お酒のようなもの)を持ち、父はカニクに「ミキ」を飲ませ、酔わせて殺すことを考えていた。年端も行かない子どもが「ミキ」は飲まないと断わった。次に父は祭りも終わって帰る途中に殺すことを考えていた。釣バネをわざと引っ掛けてカニクを殺すようにしたのだが、「アジクヤ」という島浜に差し掛かって釣りバネが引っ掛かった。カニクは潜ってみると、背に掛かっている企みに気付き、「お父さん、大きな魚が背に掛かっているから二人で取ろう」と父を呼んだ。父は信用して海の中に入ると、カニクは船に乗った。するとカニクは父の両手を切り、首をはね、実の父親の仇を取ることができた。「来間岩(シー)」という岩が今も残っている。カニクは継父の首を船の上に置き、「神代私が悪ければ鬼の島へ。でなければタマエに着かせ給え」と言った。船は川満の大川浜に着き、急いで家に帰ると、父の草履を床下に隠した。母に「父の草履を取りに来た」と言うと、母は床下を探した。その時に刃で殺し、カニクは妹に「お前は私が育てて裕福な所に行かせる」と言った。「ウシバザラ、ピキバザラ、バキマヤ」という家に行かすことを約束した。ザラというのは戸を引く音のことで、戸のある裕福な家に行かすという意味である。 |
| 全体の記録時間数 | 13:58 |
| 物語の時間数 | 13:52 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |