ウラカミク(共通語)

概要

昔、松原で生まれたウラカミクという才能のある男がいた。妹と二人兄妹であった。子どもの頃から才能があったそうだ。母は夫がありながら下地の川満部落の男と恋愛して、再婚しようとしていた。夫は漁の達人だった。母は大潮で漁に出ている夫を殺して、子供は川満の方へ引き取ろうと考えた。夫の海への出入りの道には大きなガジュマルの木があって、母はその木の上に大きな石を3つ、4つ置いて夫を待っていた。母と川満の男は灯火を灯しながら家に帰る途中の夫の上に石を落として夫を殺し、その遺体を山の中に捨ててから家に帰り、その夜に子供を川満に連れて行って、そこの実家で育てた。ウラカミクは才能があったので、大きくなるにつれて頭が良くなって行った。母は自分と男の身を心配して、ウラカミクを殺そうと男と計画を立てていた。それを知った妹は兄に知らせた。10日後に母はウラカミクを呼んで「来間でプーズがあるから久(男)と舟で行って奉納して来い」と言った。ウラカミクはそれから2,3日後、言われたとおりに来間に行った。その帰りに男は餌のない釣り針を垂らして舟を漕いだ。そしてわざと針を浅瀬に引っ掛けてウラカミクに「針がひっかかったから取って来い」と言った。ウラカミクは言われたとおりに海に入るが、針を大穴の中に引っ掛けて、「大きな魚が掛かっているから取って来て」と男をだました。海に入った男と入れ違いに舟に乗ったウラカミクは真新しい出刃包丁を見つけた。男はだまされたことを知って舟に戻り、舟に手を掛けた。すると、ウラカミクは出刃包丁で男の両手を切り落とした。男は今度は立ち泳ぎをして舟に寄りあごを乗せた。ウラカミクは左手でその頭を抑え、右手に持っていた出刃包丁で男の頭を切り、その頭を舟の先に飾り、体は海に捨てた。それから仰向けに寝て、「神よ、もし私の心持が悪ければ舟をどこぞに流してください。悪くなければ川満の浜へ帰してください」と言った。すると、舟は川満の浜に着いたので、ウラカミクは自分の心持が悪くなかったことを知った。そして今度は母を殺そうと考えて、家へ帰ると、「浜に石がごろごろして歩けないから、ぞうりを持って来いと父が言っている」と母をだますが、母は「そこにあるから持って行け」と言うばかりであった。そこでウラカミクは下駄もぞうりも床下に投げ入れて、母に「取って来てくれ」と言った。母は言うとおりに取って来るが、頭を出した時に持っていた出刃包丁で頭を切り落として殺した。それを見た妹は泣き出してしまうが、ウラカミクが「妹よ泣くな。大きくなった川満の金持ちの家に嫁に行かせるから」と言うと、妹は泣きやんだそうだ。※久松公民館の近くにその人が生まれた屋敷があり、今は別の人の子孫が住んでいる。

再生時間:17:04

民話詳細DATA

レコード番号 47O233439
CD番号 47O23C172
決定題名 ウラカミク(共通語)
話者がつけた題名
話者名 渡真利武佐
話者名かな とまりむさ
生年月日 19100210
性別
出身地 平良市松原
記録日 19960905
記録者の所属組織 沖縄国際大学口承研
元テープ番号 平良T52A01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情 祖父から
文字化資料
キーワード ウラカミク,母親,不義,舟
梗概(こうがい) 昔、松原で生まれたウラカミクという才能のある男がいた。妹と二人兄妹であった。子どもの頃から才能があったそうだ。母は夫がありながら下地の川満部落の男と恋愛して、再婚しようとしていた。夫は漁の達人だった。母は大潮で漁に出ている夫を殺して、子供は川満の方へ引き取ろうと考えた。夫の海への出入りの道には大きなガジュマルの木があって、母はその木の上に大きな石を3つ、4つ置いて夫を待っていた。母と川満の男は灯火を灯しながら家に帰る途中の夫の上に石を落として夫を殺し、その遺体を山の中に捨ててから家に帰り、その夜に子供を川満に連れて行って、そこの実家で育てた。ウラカミクは才能があったので、大きくなるにつれて頭が良くなって行った。母は自分と男の身を心配して、ウラカミクを殺そうと男と計画を立てていた。それを知った妹は兄に知らせた。10日後に母はウラカミクを呼んで「来間でプーズがあるから久(男)と舟で行って奉納して来い」と言った。ウラカミクはそれから2,3日後、言われたとおりに来間に行った。その帰りに男は餌のない釣り針を垂らして舟を漕いだ。そしてわざと針を浅瀬に引っ掛けてウラカミクに「針がひっかかったから取って来い」と言った。ウラカミクは言われたとおりに海に入るが、針を大穴の中に引っ掛けて、「大きな魚が掛かっているから取って来て」と男をだました。海に入った男と入れ違いに舟に乗ったウラカミクは真新しい出刃包丁を見つけた。男はだまされたことを知って舟に戻り、舟に手を掛けた。すると、ウラカミクは出刃包丁で男の両手を切り落とした。男は今度は立ち泳ぎをして舟に寄りあごを乗せた。ウラカミクは左手でその頭を抑え、右手に持っていた出刃包丁で男の頭を切り、その頭を舟の先に飾り、体は海に捨てた。それから仰向けに寝て、「神よ、もし私の心持が悪ければ舟をどこぞに流してください。悪くなければ川満の浜へ帰してください」と言った。すると、舟は川満の浜に着いたので、ウラカミクは自分の心持が悪くなかったことを知った。そして今度は母を殺そうと考えて、家へ帰ると、「浜に石がごろごろして歩けないから、ぞうりを持って来いと父が言っている」と母をだますが、母は「そこにあるから持って行け」と言うばかりであった。そこでウラカミクは下駄もぞうりも床下に投げ入れて、母に「取って来てくれ」と言った。母は言うとおりに取って来るが、頭を出した時に持っていた出刃包丁で頭を切り落として殺した。それを見た妹は泣き出してしまうが、ウラカミクが「妹よ泣くな。大きくなった川満の金持ちの家に嫁に行かせるから」と言うと、妹は泣きやんだそうだ。※久松公民館の近くにその人が生まれた屋敷があり、今は別の人の子孫が住んでいる。
全体の記録時間数 17:06
物語の時間数 17:04
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

トップに戻る

TOP