久知名按司(共通語)

概要

昔、偉い人たちが集まって政治的な話をする場をウーヴァといった。このウーヴァの人が集まって、部落の暮らしを見て回ったことがあった。ウーヴァの人が久松の久知名按司に「久松は子供と老人ばかりで、若者の姿が見えないがどうしてか」と尋ねた。すると久知名按司は「久松の若者たちは午前中は畑、午後は海に出て毎日働いているから」と答えた。次にウーヴァの人がミヌズマ(ウフミヌ、イミミヌ、3つの部落が1つになったもう一つの部落)のブンミャー(公民館)に行くと、若者も老人も子供たちも、みんな遊んでばかりいた。ウーヴァの人が「久松の若者は働いてばかりなのに、このシマは遊んでばかりで、どうやって暮らすのか」と聞くと、「西に行けば久松の畑から、東に出ると川満の畑から盗んで食べるから大丈夫。ミヌズマでは昔からそうしてきた」と答えた。次にウーヴァの人が川満に行くと、ここも久松と同様、昼には若者がいるけど、朝夕は若者がいない。理由を尋ねると、川満の人は朝起きたらすぐ畑に出て、昼には昼寝をして身体を休め、夕方はまた市内で仕事をするということだった。ウーヴァの人が川満から戻る途中で、ミヌズマの人と久知名按司に、「次に来る時は穴掘り、石掘りをするものを炊いて出しなさい」と言った。すると、久知名按司はタコとアナゴを出したが、ミヌズマの人は蛇と蛙を出したので、ミヌズマの人は「これが人間の食べ物か」と怒ったという。また、ウーヴァの人が、「今度は灰で綱を結いなさい」と言うと、久知名按司はかやの葉をむいて日にさらして、柔らかく綱を結って見事に仕上げたのに、ミヌズマの人はむらした灰を入れ物に入れてやろうとして、出来なかった。そこでウーヴァの人たちは相談して、「ミヌズマを全滅させなければいけない」と言って正月初めのきのえ午の日にミヌズマを全滅させた。今ではミヌズマの土地は松原地区の畑になっていて、昔はきのえ午の日には松原の畑には行かなかったという。

再生時間:13:09

民話詳細DATA

レコード番号 47O233166
CD番号 47O23C150
決定題名 久知名按司(共通語)
話者がつけた題名
話者名 長濱蒲太郎
話者名かな ながはまかまたろう
生年月日 19000704
性別
出身地 平良市久貝
記録日 19960226
記録者の所属組織 沖縄国際大学口承研
元テープ番号 平良T23A01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード ウーヴァ,久知名按司,
梗概(こうがい) 昔、偉い人たちが集まって政治的な話をする場をウーヴァといった。このウーヴァの人が集まって、部落の暮らしを見て回ったことがあった。ウーヴァの人が久松の久知名按司に「久松は子供と老人ばかりで、若者の姿が見えないがどうしてか」と尋ねた。すると久知名按司は「久松の若者たちは午前中は畑、午後は海に出て毎日働いているから」と答えた。次にウーヴァの人がミヌズマ(ウフミヌ、イミミヌ、3つの部落が1つになったもう一つの部落)のブンミャー(公民館)に行くと、若者も老人も子供たちも、みんな遊んでばかりいた。ウーヴァの人が「久松の若者は働いてばかりなのに、このシマは遊んでばかりで、どうやって暮らすのか」と聞くと、「西に行けば久松の畑から、東に出ると川満の畑から盗んで食べるから大丈夫。ミヌズマでは昔からそうしてきた」と答えた。次にウーヴァの人が川満に行くと、ここも久松と同様、昼には若者がいるけど、朝夕は若者がいない。理由を尋ねると、川満の人は朝起きたらすぐ畑に出て、昼には昼寝をして身体を休め、夕方はまた市内で仕事をするということだった。ウーヴァの人が川満から戻る途中で、ミヌズマの人と久知名按司に、「次に来る時は穴掘り、石掘りをするものを炊いて出しなさい」と言った。すると、久知名按司はタコとアナゴを出したが、ミヌズマの人は蛇と蛙を出したので、ミヌズマの人は「これが人間の食べ物か」と怒ったという。また、ウーヴァの人が、「今度は灰で綱を結いなさい」と言うと、久知名按司はかやの葉をむいて日にさらして、柔らかく綱を結って見事に仕上げたのに、ミヌズマの人はむらした灰を入れ物に入れてやろうとして、出来なかった。そこでウーヴァの人たちは相談して、「ミヌズマを全滅させなければいけない」と言って正月初めのきのえ午の日にミヌズマを全滅させた。今ではミヌズマの土地は松原地区の畑になっていて、昔はきのえ午の日には松原の畑には行かなかったという。
全体の記録時間数 13:09
物語の時間数 13:09
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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